過去の記憶は更に流れゆく。
 独り取り残された幼い子供の、それでも穏やかに過ぎていく日々を、3人は微笑ましげに見詰めていた。

 ただ父親を求める故に繰り返される日々の悪戯。
 この頃の思慮無い思慕は、未だにネギの根幹に残っているのだろう。 そう理解して、噛み締めるように彼女たちは心に刻み込む。

 自身の過去を繰り返す、彼の意図とは裏腹に。

 ネギにとって この幼い日々は、それでも幸せな時代だったのだ。
 家族と言うものにこそ確かに縁遠かった。 だがそれでもあの日々は、ただの子供で居られた幸せな一時だったのだ。
 突然、理不尽に奪い去られるまでは。

 一度失われてしまえば、もう取り返せない。
 後戻り出来なくなった自身の様に、なって欲しくなかったのだ、明日菜たちには。

 魔法に関るデメリットは、常に苛烈な生を要求される事ではなく、ある日突然襲い来て日常を奪い去られかねない事なのだと、ネギはそれを伝えたかった。
 だからこそ、トラウマを刺激されても尚、幸せな時を再生して見せたのだ。

 だが、逆に少女たちは再認識させられていた。
 この少年が、たとい自身たちを導く教師としての自負と能力を持っていたとしても、支えの手の必要な子供であると。

 互いの認識のズレに気付かぬまま、流れる記憶の中、惨劇の日は やってきた。

 

 

 


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GS美神×ネギま! CrossOver Story
  ざ・がーどまん
          その44   
 
逢川 桐至  


 

 

 

 食後の気怠さを、流れ込む夜風が癒してくれる。
 木乃香にしても夕映にしても、その長い髪を優しく撫ぜられ、気持ち良さ気に流れに身を任せていた。

「おい、横島」

「ん〜?」

 コレでもかとばかりに詰め込まれたお腹を膨らませ、だらけきった横島がエヴァの声に顔だけ向ける。 ソファに寝転がったその姿は、躾のなってない子供そのもの。
 一瞬顰め面を作ったものの、いい加減この男にも慣れてきたか、彼女は気持ちを取り直して口を開いた。

「そろそろ2つめは溜まったか?」

 言うまでもなく、文珠の事だ。

 単に時間を経過させるより、煩悩への刺激を与える方が早いのではないか?
 と、そう言う意図もあって命じた買い出しだった。 夕映が共に行く事になったのも、彼女自身が感じていた様に横島の逃走防止の為。

 自身幻影を使って刺激してみても、上手くいったかも知れない。
 だが下手に暴走された時、横島を抑え切れる自信があまり無かったのだ。 当人の弁のみでしかないが、かつて彼がしたと言う煩悩に押されての行動は、別の意味で度し難いほど常軌を逸している。 その対象になるのは、はっきり言ってゴメンだった

 また、実験の為だけに求愛にも似た行動に出るのも、女として肯んじ難かった事もある。
 エヴァにとって、彼は好意を寄せ得る可能性のある『男』ではなく、弄って楽しむオモチャに過ぎないのだから。

 そんな訳で、試し程度のつもりで一度外へと送り出してみたのだ。
 それは、どうやら功を奏したらしい。

「あ〜 ちょっと待て」

 自身行けそうだと感じていたのだろう。
 相変わらず背もたれに身を預けたままのだらしない状態で、しかし上へと広げた掌に真剣な瞳を向ける。

 エヴァのみならず、木乃香や夕映、茶々丸らも興味深げな視線を送る中、彼の掌の上に淡く光る何かが集っていく。
 魔力では無いナニカ。 見知らぬソレは、しかし何らかのチカラを感じさせ、それぞれの視線を放さない。

 やがて小さく丸くなっていったソレが一瞬輝き、次の瞬間には透き通った小さな珠がソコに在った。

「ふぅ…」

 誰ともなく、小さな溜め息が零れた。

「なるほど、そうやって作るのか。
 やはりシステム的には、『気』の分身などのソレに似ているな」

 楓の、ではないが、かつて気による分身を見た事が有るエヴァが、顎に手を当てそう呟く。
 『気』に於いては、自身の身体や使い慣れた道具と言った『イメージし易い物』を模倣させる事が多い。 だから、この男の様に盾や剣、珠と言ったモノを一から創り出すと言うのはそうそう聞かない話だった。
 それでも、密度を上げて形作って行く過程それ自体は、似た様な流れだろうと踏んだのだ。

 在り様や自由度は魔力に近いのに、汲み出しや発現は気のソレに似ている。
 エヴァにとって霊力とは、なんとも興味深い代物だった。

「よし。 これで試せるな」

「やっぱりやるんかぁ?」

 ニヤリと口もとを歪めた彼女に、横島は気が進まなそうに口元をひくつかせる。

「当然だろう。
 たとい巧くいかなかったとしても、それはそれで成果だ。 貴様と言うオモチャで遊ぶ楽しみにも、何の変わりも無いしな」

「向こうじゃ丁稚でこっちじゃオモチャかよ…」

 どよ〜んとした雰囲気を滲ませる彼へと、木乃香が「そないな事あらへんえ」と慰めに掛かる。

「うぅ、ホントに木乃香ちゃんはえぇ娘やなぁ」

 頭を撫ぜられながら、横島は腕を目にやって男泣きに答える。
 男女の仲と言うより出来の悪い兄と良い妹と言う感じだが、それはそれで良い雰囲気を纏う二人だった。

 その様子に、夕映は虚ろな瞳を泳がせる。
 外でのハルナとの遣り取りを思い返してしまったのだろう。

 ネギの事は、まだ自身に暗示を掛けるようにして、落ち着いて考えられる所まで来れていた。
 だが横島との事は、未だに納得が行かないと言うか、思わず天を恨みたくなると言うか、どうにも心の安定を保てない。 加えて、下手に誤解を解きに掛かる訳にもいかないと言う状況が、彼女に余計なストレスを抱えさせていた。

 そんな三様を眺めて溜め息をつくと、どんっと足を踏みしめエヴァは立ち上がる。

「いいからさっさと試すぞ」

 そう言って踵を返す彼女に続く為、面倒くさそうに横島も身を起こした。

 

 

 

「うひゃあ… こりゃ凄いねぇ…」

 魔法使いたちの戦いと言うものを、京都でも見ては居た。
 それでも、朝倉をしてそう呆然と呟かさせずにいられない程、ただただ繰り広げられる一方的な暴力の嵐。

 それまでの穏やかさが嘘の様なバイオレンスな状況に、「ねねねネギ先生がぁ…」と怯え慌てていたのどかも、急激に展開される光景に一言も無い。

「…スゴイ」

 正面を埋め尽くしていた異形の怪物たちが、圧し折られ、砕かれ、焼かれ、瞬く間にただ地に横たわる骸と化して行く。

 ネギとエヴァ、千草やフェイトらとの魔法戦を目の当たりにして来た明日菜にしても、その圧倒的な強さには呆然と眺めているしかなかった。

 ソレに恐怖は有る。
 だがそれだけではない。 彼女の拳は、自身、知らず握り締められていた。

「ま、魔法が… こんなに恐い物だったなんて…」

 のどかの顔にも怯えが貼り付いている。
 だが、常なら目を逸らし目蓋を閉ざすだろう彼女が、それでも目に焼きつけようと一生懸命にそれを見続けていた。 敢えてそれを見せてきた思い人の気持ちを、無かった事になぞ しない為に。

 最後に残った悪魔を、それこそ悪魔の様にその男は刈り取った。
 この殺戮劇は、今の彼女たちにすら怯えを催させる態のモノである。 わずか3つ4つだった子供に、恐怖を感じさせない筈が無い。

「ちょっ、ネギ…
 ネギっ!?

 逃げ出した彼の行く先に、まるで狙ったかの様に現れた悪魔の姿。
 思わず走り寄り、のどかは庇う様にネギを抱きかかえ、同じく盾にとばかりに明日菜が立ち塞がる。
 そんな彼女たちの眼前で、飛び込んで来た二つの人影が悪魔の攻撃を遮った。

「なっ?!

 石化され、足が砕け倒れて行く少女の姿に、動ききれずにいた朝倉の顔が悔恨に歪む。
 否応なしに、京都の夜を彼女に思い起こさせたから。 あの無残な夕映の姿を。
 知らず走り寄った朝倉の腕を透き抜けて、気絶した少女が倒れ伏した。

 その横で、最後の力を振り絞って老人が悪魔たちを封印する。
 代償とばかりに、全身の石化を進ませながら。

 スタンと呼ばれていた老爺へと、明日菜やのどかを擦り抜けてネギがにじり寄る。

 彼の最後の言葉には、小さなネギだけでなく、見ているしかない3人もボロボロと涙をこぼした。

「こんな…」

「ヒドい…」

 繰り広げられた凄惨なシーンと、命を賭した献身とが、ただ物語、人伝の話としてでなく目の前で繰り広げられているのだ。

『魔法に関ると言う事は…
 時としてこう言う事にも直面し得るって事なんです』

 物言わぬ塊に縋り付いて、その名を呼ぶ小さなネギの声に、被さるようにして今のネギの声が聞こえる。

「だからって…
 ううん。 それより、この後どうなったの?」

『この後は…』

 明日菜の要望に従って、続きが流れる。

 何時の間にか近付いてきていた、竜巻の様に暴れまくった魔法使い。
 カレが告げて行く言葉とネギの様子に、自分たちの幼い先生の原点がこの時だったのだと3人は知った。

「ネギ…」
「先生…」

 まるで天に召されるように去る父を、追い掛け、呼び続けるネギの姿は年相応に幼かった。

「もしかして、お父さんとはコレっきり?」

『えぇ、朝倉さん。 その通りです』

 のどかの顔が、聞こえてきた答に痛ましそうに歪んだ。

『3日後。 僕とお姉ちゃんは救助され、この村から遠く離れたウェールズの山奥の、魔法使いの街へと移されました』

「もしかして、お姉さんが通ってた学校のある?」

『そうです』

 その言葉とともに、景色は別の山間の街へと移り変わった。

『それからの5年間、僕は魔法学校での勉強に打ち込みました』

 姉や幼馴染らに心配されながら、あの日以前の無邪気さを何処かに閉じ込めてしまったネギが、明日菜たちの目の前に居た。 …年相応に遊ぶ事も無く、ただひたすらに魔法の勉強に打ち込む子供が。

「あの… お姉さんは治ったんですよね。 その… 他の人たちは?」

『わかりません。
 みんな大丈夫だよ、って言うだけで…』

 自分たちどころでなく小さな子供だ。 真実が何処に有れ、聞かせられる様な状況ではないのだろうと、尋ねたのどかのみならず彼女たちは皆そう気が付いた。

「それじゃ、こんなにも必死に勉強してるのは…」

『あの日の事が怖かった事も、そしてチカラの無い自分が悔しかった事もあります。
 それだけじゃなく、もう一度父さんに会いたかった。 その為にも、『立派な魔法使い』だった父さんの様になりたい。 そう言う気持ちも有りました』

 ひたすら本に向かう幼児の顔は、何時の間にか良く知る大人びた子供のソレへと変わっていた。

 ああ、と3人の顔に理解が浮かぶ。
 この時からネギはネギになったんだと。

『ただ…』

 すぅっと浮き上がる様な感覚が明日菜たちを包む。

『僕は今でも時々思うんです。
 あの出来事は「ピンチになったらお父さんが助けに来てくれる」なんて思った、僕への天罰なんじゃないかって…』

「な? そんなこ…
「違いますっ
 …って、本屋ちゃん?」

 何時の間にか片手を自分の手から離して両手でネギの手を取るのどかの姿に、自身が元の部屋にいると明日菜は気付いた。

「そんな事ないです。 ネギ先生は悪くありません」

「そ、そうよ。 今の話のどこにあんたのせいだったとこがあるのよっ?!

 いきおいをのどかに取られつつも、明日菜もまたそう詰め寄る。
 
「えっ… けど…」

 ボロボロと涙を零しながらも、けれどしっかりと見据えて来るのどかと、やはり涙目ながらも包み込む様に声を荒げる明日菜とに、ネギは気圧された。
 思わず助けを求める様に視線を朝倉に移せば、彼女も彼女で涙を拭いながら見詰め返してくる。

「まさかネギ先生に、これほどの過去が有ったなんてね。
 あたしゃもう、協力を惜しまないよ」

「え、ちょっと… 朝倉さん?」

 想定外の状況に、どうすればいいか判らず口篭る。
 頭の良さの割に経験が圧倒的に足りないからか、ネギは意図しない状況に思考が硬直する傾向が強い。 今が正にその状態だった。

「お父さんを探すのだってなんだって手伝うから、だから自分の中に溜め込むんじゃないわよ。
 あんたは私たちの先生だけど、同時に子供なんだから。 ちょっとくらいは甘えなさいよね」

「ア… アスナ……さん?」

 明日菜の言葉にこくこく頷いていたのどかが、更に募る様に問い掛けて来る。

「先生… 私たちじゃ、頼りになりませんか?」

「い、いえ、のどかさん、そんな事は…」

 フルフルと首を振りながらも、どうしてこうなるんだろうとネギは途方に暮れた。

「なぁ兄貴。 姉さんたちは、兄貴の事を知ってその上でこう言ってンだ。
 男なら、姉さんたちの気持ちを受け入れ共に歩こう、ってくらいの甲斐を見せても罰は当んないっスよ」

「うぇ?」

 逆に、流れをきちんと把握したカモが、潜み笑いを押し殺してそう促す。
 この分なら、朝倉との仮契約は確定事項だろう。 一人でも多くとさせたいカレとしては、実に望ましい展開だ。

 気付けば明日菜とのどかとに両手をそれぞれ取られていたネギは、朝倉とカモの視線を受けてどうしていいか判らず完全に固まった。

 

 

 

 白いカバーに包まれたペーパーバッグを、熱心にと言うほどではなく、けれど無造作にと言うには作法に適った手付きで捲る。

 STARB○○KSのテラス席。
 昼の混雑帯からズレた時間ではあるが、それでも休日の午後となるとそこそこに混み合っている。

 高音はそこのテーブルの1つに腰を下ろして、先程から時間を潰していた。

 と、ページを捲る手が止まる。
 顔を上げるのとどちらが早かったか、彼女に声が掛けられた。

「お待たせしました、お姉様」

 本を閉じ、妹分へ視線で着席を促す。
 すぐに寄って来たウェイトレスへ、愛衣がドリンクをオーダーし終えるのを待って、高音は口を開いた。

「で、木乃香さんは?」

「このかお姉様は戻られてないみたいです」

 確認を指示したと言うのに伝聞調の返事を返されて、眉を顰めて見詰め返す。
 その小さな苛立ちに気付いて、愛衣は口篭りながらも説明を始めた。

「その… カモさんが…」

「あのオコジョね。 カレが?」

「このかお姉様が戻らない内に、スル事があるってあの晩に一緒に居た方たちと篭ってたんです」

 その答を頭の中で噛み砕く。

 見習いとは言えネギは、それでも扱いの上では高音たちよりも格上の魔法先生である。
 京都へ連れて行かれたあの晩に一緒に居た生徒たちとなると、彼に配されサポートをしている魔法生徒たちの事だろう。 ならば打ち合わせに木乃香の目を避ける場合があっても不思議ではなく、また敢えて愛衣に嘘をつく必要もあるまい。

 何より、エヴァの元へと木乃香たちは魔法の指導を受けに行ったのだ。 まだ日の高い時間である。 戻っていない確率の方が高いのは、言うまでもない事。

 高音は、そう判断した。

 念の為に補足するが、高音たちはハルナ以外の一緒に京洛を巡った面々を、未だに魔法生徒だと誤認識したままである。
 訂正する余地が、誰にも無かったのだから仕方が無い。
 魔法先生たちと異なり、生徒のレベルになると横の繋がりが薄い事もそれを助長している。 特にネギ関係に関しては研修中と言う事で情報制御のレベルが高く、噂以外の話が魔法生徒たちにはほとんど伝わって来ないのだ。

 届いたソフトドリンクを飲みながらの愛衣が、言葉を待っていると見て彼女は口を開いた。

「となると、やはり彼女の元へ私たちも向かうしかないわね」

「そうですね」

 頷く彼女自身は問題無いと思っているのだが、高音の性格からすれば抛って置けないのも判らなくは無い。

「…それに、横島さんを野放しにするのも問題有るし」

 続けてポロっと漏れた言葉には苦笑するしかなかったが。
 何せ木乃香が一緒なのだ。 彼の無軌道ぶりも、そうそう発揮されはすまい。

 とは言え愛衣としても、横島を取られたようで面白くない部分が有るのも事実。
 高音の言葉に、素直に動き出した。

「それじゃあ、すぐにでも向かいますか、お姉様?」

「そうね。
 早い方が良いわね」

 僅かな思考の後、すぐに頷く。

 ちょっとはしたなくドリンクを慌てて啜った愛衣に視線で注意すると、高音もまた荷物を纏めて立ち上がった。

 

 

 

 屋上広間のセンターポールのすぐ傍で、エヴァは腕を組んで胸を反らした。

「では実験を始めるとしようか」

「あのぉ?」

「なんだ、綾瀬夕映?」

 出鼻を挫かれ、不機嫌そうに聞き返す。

「で、結局、誰で試すのですか?」

「ん。 あぁ、おまえだ」

 視線を向けられ、びくりと身を震わす。
 そんな夕映を楽しげに見遣った後、しかしエヴァは言葉を続けた。

「…と言うべき所だが、進捗の都合もある。
 一気に進める可能性も有るからな。 近衛木乃香。 おまえを使うぞ」

「ウチ?
 ん〜 了解や」

 ちょっとだけ横島に視線を向けると、木乃香はすぐに笑って頷いた。

 出来るなら夕映を使う方が、エヴァにとっても都合が良い。
 要らぬ干渉を受けるリスクが、比べれば遥かに少ないからだ。

 だが、それでも木乃香を選択したのは、彼女が未だ魔法の行使に辿り着けていないからである。
 保有魔力と言う点では遥かに格下の夕映が、曲がりなりにも到達しているのだ。 ならばその分、より大きな刺激を与えてみるべきではないかと、そうエヴァは考えたのである。

 実際、当人も含め、エヴァ達の知る由も無い事なのだが、ネギとの仮契約(スカ)、横島との仮契約(スカ)、そしてエヴァとの仮契約と、順繰りに慣らされていく事で、劇的な魔力の解放を木乃香は免れてきてしまっていた。
 それが彼女の進捗を遅らせている原因の1つなので、だからエヴァの目論見はけして的外れでは無いのである。

「その…
 ホッとしている私が言うのもナンですが、それで良いのですか、木乃香?」

 心配そうに言う夕映に、くすりと笑って返す。

「大丈夫や。 横島さんやもん、ウチらに何や悪ぉする筈あらへんて。
 なぁ?」

「お、おう。 任せとけ」

 向けられた笑顔での100%の信頼に、思わず喜びに涙しながら頷いた。
 ただでさえ美少女の絡んだ状況だ、期待に応えぬ横島ではない。

 胡乱気ながらも、夕映もそれを見て引き下がった。
 別に、モルモットにならずにホッとしたとか言うのではなく、何だかんだ言いつつも横島の『能力は』信頼しているからだ。 この場の誰よりも、その恩恵を受けてきた身の彼女である。 悪い事にはならないだろうと踏んだのだ。

「ふん。 覚悟は出来ているようだな。
 ではいくぞ、横島」

「へいへい」

 「契約執行」の呪文を受けて、エヴァから魔力が注ぎ込まれる。
 自身の身の変化を受けて、両の手に文珠を取り出すと横島は『同』『期』の文字を篭めた。

「あぁ、そやった…」

 ここと言う所で再び腰を折られて、エヴァがまたしても不機嫌な顔をする。

「あんなぁ、横島さん」

「どした?」

 甘える様な声音で照れ笑いを浮かべた彼女に、不思議そうな視線を向ける。

 …と、木乃香は爆弾を落としてくれた。

「ウチ…
 おっぱいおっきくなる方向やったら、失敗もオッケイやえ」

 ささやかな胸を寄せ上げての言葉に、横島は思わず吹き出した。

「せんわ〜〜〜っ!!!

 夕映も額に手を当て、「ナニを言ってるですか」と思わず突っ込む。
 そして、誰より沸点の低い少女はと言えば…

「いいから、とっとと始めんか、貴様らっっ

 暑い陽射しの下、エヴァの堪忍袋の緒は簡単に切れていた。

 

 

 

 【冗談じゃねぇぞ、こんなんで続くのかよ?】

 


 ぽすとすくりぷつ

 え〜と、まずはごめんちゃい(__)

 んでもって、待たせといてなんですが、最近のいつもよりも短い上、この別荘での話自体、もうちょいズルズル続きます(^^;
 日曜が終わらないったら終わらないったら(泣)
 まだやる事いっぱい残ってるんだよなぁ……GWだけでも(苦笑) ネギ、未だに横島とまともに面会出来てないし…

 次は、ちゃんと2週後に載せられる様にしたいと思ってます(__)


 
 

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