「あ…」

 目覚めてすぐ視界に入った夕映の寝顔に、のどかは思わず安堵の溜め息をついた。
 だが、夢かも知れないとそっと手を伸ばす。

「あたたかい…」

 夕映の平熱は、のどかより高めだった。 その小さな身体に、溢れんばかりのバイタリティを積め込んでるからなのかも知れない。

 そんな掌に感じる馴染んだ熱に、今度こそ のどかは身を起こして抱き着いた。

「ゆえ… 良かった…」

 涙がポロポロと零れ、夕映の頬を濡らす。
 それで目覚めたのだろう。

「大丈夫です… 私はちゃんとここにいるですよ」

 抱き付くのどかの頭を撫でさすって、夕映は彼女に笑い掛けた。

「ゆえぇぇ…」

「心配かけてごめんなさい。
 でも、私も大丈夫だったから、ちゃんと治して貰えたから…」

 だから大丈夫です、と繰り返すと、泣いて腕に力を篭める親友を、しっかと受け止め宥める。

 そんな二人の横で、ハルナは一人 穏やかな眠りを貪っていた。

 

 

 


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GS美神×ネギま! CrossOver Story
  ざ・がーどまん
          その33   
 
逢川 桐至  


 

 

 

 のどかと夕映が再会を喜びあっていたその頃。

「出来るなら、これからも木乃香の事を守ってやってくれないだろうか?」

 関西呪術協会の長であり、木乃香の父親でもある詠春の執務室。
 そこへと、早朝から刹那は彼の呼び出しを受けていた。 そうしてやって来ての言葉がそれである。

 詠春の言葉に、刹那はどうしていいものかと戸惑った。

 自身の正体は、結局 明かさずに済んだ。
 だが どの道 今後、木乃香には包み隠さず魔法の事が知らされる。 側に居続ければ、秘密に気付かれる可能性は上がっていくだろう。
 今回の件では、明日菜とも同士めいた友情が生まれた。
 自分の出生に気付かれたくない相手は、ますます増えるばかり。

 自ら距離を取りたい訳ではない。
 だが今のままでは、そうしなければ知られてしまうかも知れない。

 そんな現状に、刹那は引くも進むも出来ない、そんなジレンマを抱え続けていたのである。

「…君の気持ちも判るつもりです。
 けれど。 けれどその上で、このかの事を信じてやって欲しい。 あれが刹那君に向けている思いは、純粋で真摯な物だと思うんです。
 何より君たちが離れる事で、共に悲しい思いを持ち合うだろう事。 その事が、このかの親として君の親代わりとして辛い」

「…長」

 胸に残る言葉に、刹那はただ俯いた。

 そんな彼女を慈しむような瞳で見詰めた後、詠春は窓の外へと視線を向ける。 春先の小鳥の声が、外の桜から響いてくる。
 昨夜の騒動が嘘の様に、穏やかな光景がそこには広がっていた。

 その景色とは裏腹に、昨日は大変だったからロクに眠れなかった為か、いつも以上に彼の血色は悪い。
 そんな様子が、そんな彼の苦労を物語っていた。

「このかにとっては、これからこそが、本当の意味での始まりです」

 魔法の事を、そして自身の事を知ってしまった以上、木乃香は進むしかないのだ。
 彼女自身にそれだけの価値と重さがある。 険しいと判っている道だが、こればかりは詠春にもどうしようもなかった。
 こうなった以上、少しでも与えられる物を与え、そしてより良い道を歩けるようにと祈るしかない。

「はい」

「それに…」

 言い掛けて、ぎゅうっと拳を握る。
 青白く血色の悪い甲に、血の筋が強く浮き上がった。

「悪い虫が纏わり付かないよう、君には側に居てあの娘を守ってやって欲しい」

「はいっ」

 二人から立ち上った黒い気配に、窓の外の小鳥たちが逃げる様に飛び立った。

「あれの趣味が、もう少し、もう少しでいいからまともだったら…
 君にも、こんな事を頼まずに済んだんですが」

 昨夜、あの後。

 とにかくもう休むべきだと、それぞれに案内させる為に配下を呼び出した。 言うまでもなく、巫女装束の若い娘である。 内務を司るのは、ほぼそうなのだから仕方がない。

 そうして応じてやって来た女性に、お約束の様に「僕のこの胸の痛みを癒して下さ〜いっ」と、飛び掛かってくれやがったのだ、あの少年は。

 勿論言うまでもなく、即座に高音・愛衣ペアに阻止されたのだが。
 口に出した言葉故、エヴァに縛り直され、木乃香にごつんと殴られもした。

 が、その後も正直どうかと思う行動を、二人や木乃香たちに諌められては、また繰り返すったら繰り返す。
 揚げ句、高音の助言に従い雁字搦めに縛った上で、見張りまで付けなければならなかったのである。

 飛び抜けて秀でた能力を持つ者の中には、少なからず違うトコロへ行き着く者がいると、ナギとの付き合いから詠春は知っていた。
 何せALA RUBRA
 何せ『紅き翼』と言えば、メンバーの内、少なくとも半分はアレだったのだから。
 思い出の半分近くは苦労話だ。

 悪癖だらけのナギは言うに及ばず、アルの言動は真面目と言う言葉を少しは覚えろなアレで、ラカンの行動はもう少し脳みそ使えやワレなソレで、ガトーもガトーであれで結構…
 ブルブルと頭を振って、昔の事を振り払う。

 そんな事より、今は木乃香だ。

 何せ、言葉通り目に入れても痛くない様な、珠の如き愛娘である。
 その相手としては、いくらなんでもアレは無いんじゃないか、と思うのだ。

 ナギの無節操さとアルの無軌道さとラカンの無思慮さとガトーの……とにかく、色々な意味でロクな人間ではないのは間違いないだろう。
 その能力だけは、確かに認める事 吝かではない。 だがそれとて、娘以上に、その存在自体が問題である事と同意義のレベルなのだ。

 なのに、選りによってそんな問題児と、大事な愛娘のキスシーンを見せ付けられた訳で。 穏和な詠春にしても、色々考えてしまう所が有るのは仕方ない事だろう。
 それは、刹那にしても似た様な事が言えた。

「その気持ち、良く判ります、長」

 彼女にとって、木乃香は掛替えの無い宝なのだ。
 不遇だった幼児期に差し込んだ、唯一の救いの光。 あの出逢いが有るから、辛さの全てを受け入れられたのだ。
 その大切な輝きが、汚されるなど どうして許されようか。 座して耐えられるモノではない。

「判ってくれますか」

「ええ」

 手を取り合い互いに不幸を慰めあう彼らは、傍目にちょっとと言うかかなりアレだった。
 二人の外見的ギャップも大き過ぎる。 援交とまでは言わないが、それにしても、だ。

 …まぁ、見てる者など誰もいないのだが。

「では、このかの為、これからもお願いしますね」

「…はい。
 お任せ下さい、長」

 ぎゅっと、手と手を握りあう。
 二人の心は、この時これ以上無いくらい一体と化していた。

 

 

 

「それで彼らは一体?」

 気付けば居た、見慣れぬ3人の少年少女。
 教師たる新田の不審も尤もである。

 当の横島たちにしても、何とも答え難い。 自発的にこの場に居る訳ではないからだ。

 言ってしまえば、エヴァに連れて来られたのだ。 従者が主に従うのは当然だと。
 高音たちもお目付けを自認して来た以上、共に動かざる得なく。 結果としての、この状態なのだ。

「あぁ、新田先生」

「どうしたんです、瀬流彦くん?」

 助け船に入ったのは一人の優男。

 ケっと吐き捨てる横島の手を、後ろから見えないように高音が抓る。

「それがですね、そこの彼らなんですが…」

「おや、君の知り合いかね?」

「いえ、学園長先生から彼らについて連絡が有りまして」

 その言葉に、なに?、と新田も先を促した。

「急遽旅行に同行出来るようになったマクダウェルさんたちの為に、学園長先生が同道をお願いしたんだと言う話なんです」

「それにしては… ちょっと若過ぎないかね?」

 女子中学生を二人だけで京都まで行かせると言うのは、確かに問題が有り過ぎると言えよう。 だから保護を兼ねた同行者を、と言うのは頷ける話である。
 だが、それにしては顔触れが若過ぎた。 内一人なぞ学内で見た事が有る気がするくらいだ。 もしそうなら下級生な訳で、尚更おかしい。

「あぁ、それですけど…」
「しずなさん、相変わらずお美しい」

 彼女が顔を出した瞬間、横島の姿がそこに移動して抱き着いていた。 さすがの高音たちが制止する暇もないほど迅速に。
 呆気にとられる新田たちをよそに、しずなは柔らかく彼を諌めた。

「ほらほら、おいたはいけませんって言ったでしょ?」

 そして初めての出逢いの時の様に抱き締めた。 …と言うか、締め上げた。
 やがて彼の手足から力が抜け、ピクピクと痙攣し出す。 その様子に、誰もが声を失った。

 周囲に微笑み掛け、そのまま しずなは説明を始めた。

「この少年、横島君と言うんですけど… 事故で天涯孤独の身の上になったのを、学園長先生が引き受けて面倒を見ているんですよ。
 ただ、世話になる一方と言うのが嫌だと言うんで、学園長先生の私的なお手伝いをして貰ってるんだそうで。 それもあって今回も、たまたま頼む形になったみたいですわ」

「ほう…」

 そう彼女が表向きの裏事情を明かすと、新田も逸らしていた視線を改めて横島へ向けた。

 まぁ実際、『事故』で彼が『この世界では』天涯孤独の身になったのは確か。 係累の一人とても居る筈が無いのだから。
 そしてそれ故、横島が生活の為もあって仕事を請け負っているのも事実。
 大まか過ぎる上 言わない事が多いだけで、嘘を吐いている訳ではない。

 そんな不幸な身の上の少年が自活を申し出て、それに学園長が応えたと言う話。 それ自体は、新田にしてみれば誉めこそすれど、であって咎める様なモノではなかった。 …まだ学生の横島を私的なコネで使うには、内容自体に問題を感じなくもないが。

「ただ、ご覧の様にちょっと気侭なトコのある子ですから、それを心配して彼女たちも付いて来ちゃったみたいで」

 世話好きな娘たちですからと、しずなは笑いながら、そうなんでしょと問い掛ける。
 その何とも言えぬ迫力に、高音も愛衣もこくこくと頷いた。

 それを補足するように瀬流彦も話を続けた。

「それで、その3人に関しては学園長先生のお手伝いと言う事で、本日は公休扱いになっているって話でした。
 明日は土曜ですから、どの道お休みですしね」

「ふむ…」

 話を聞いて思案する。 だが、すぐに溜め息をついた。

 既に来てしまったのだ、少なからず問題もあるが最早 詮無いこと。
 ならば、自分たち大人が彼らに関しても責任を持てばいい。 少なくとも、彼らは大枠での『麻帆良学園』の生徒たちなのだ。 新田にしても、自身が責任を持つべき教え子の枠に入れることは、けして吝かではない。
 それに、幸いしずなとは顔見知りらしいし、何より明日の昼には帰市の日程でもあるのだ。

「判りました。 ここまで来てしまったんだから仕方ないですな。
 君らには済まないが、続けてマクダウェルくんたちと行動を共にしてくれんかな?」

「その、それで宜しいんですか?」

 高音が聞き返す。
 勢いで来てしまったので帰りの旅費も少し痛いし、今から戻っても午前一杯まるまる遅刻だ。 だが、エヴァに頼むのも気軽にとはいかない。
 しかも瀬流彦の話からすれば、既に休みにされているらしいし、急いで戻らねばならない理由も無かった。

「ああ、そうしてくれた方が私たちとしても助かる」

「判りました。 では、お言葉に甘えさせて頂きます。
 いいわね、愛衣?」

 頷くのを見て、新田もうんと首を振った。

「それじゃマクダウェルさんたちと一緒にあなたたちも、この後の事で説明とかもあるから、ちょっと私に付いて来てくれるかしら?」

 苦笑して動き出すエヴァたちを先導して、しずなは自身に宛われた部屋へと足を向けた。

 

 

 

 部屋に入って人払いの結界を掛け、アームロックを掛けられたまま引き摺って来た横島を横たえる。
 そうして、しずなは再び一行に笑い掛けた。

「昨夜は大変だったみたいね、ご苦労様」

「まぁ、あの程度で済んだんだ、大した事じゃないな」

 そう言ってエヴァは口元を歪めると、それよりも、と言葉を続ける。

「近衛の爺から話は聞いているな」

「ええ」

 どうにも偉そうな言い様に、苦笑いで頷く。
 それに構わず、エヴァは聞かなくてはならない答を尋ねた。

「で、さっきの話だと対価は飲んだ、と言う事でいいんだな?」

 ここで反故にと言う可能性は少なかろう。 だが、彼女にとっては待望の麻帆良以外への旅行なのだ、たとい一泊二日だとしても。
 それだけに、確認せずには居られない。

 そんな心境は、判っているからだろう。 微笑みながら、ついでに釘も刺す。

「そうよ。
 ただ、学生として節度有る行動を取って貰わないと困るけど…」

「それは、そいつに言うべき言葉だな。
 ほら、いつまで寝ている」

 そう言って横島を蹴り起こす。
 ほんの数日でしかない付き合いのエヴァにすら、そう認識されてしまうのは必然なのか。

 気が付いた横島は、集まる注目に慌てて周囲を見渡した。

「えっ、な、なにが?」

「節度ある行動をなさい、と言われてるんです。 特に、あなたが」

 腕を組んでの高音の言い様に、彼は うひぃっと首を竦めた。

「あ、あはは…
 コレばっかりは私も否定出来ないです」

 愛衣もそう呟く。
 横島以外の誰にとっても当然の話だ。 残る全員がこくこくと頷いている。

「ヤだなぁ…
 しずなさんや高音ちゃんならともかく、子供にナンか…」

 はははと笑いながらの懲りない彼の後頭部に、影の拳が突き刺さった。 エヴァや愛衣の蹴りが突き刺さってる気もするが、気にしてはいけない。 畳の上に広がる血溜まりなぞ誰にも気にされていないし。
 高音や愛衣にしたら、余りに見慣れ過ぎた光景である。 イマサラだ。

「ふぅ。 まぁ、そいつは それでいいとして…
 それじゃ、この顔触れを班と言う形に看做してなら、観光に周っても構わんと言う事だな?」

 再び頷くしずなに満足そうに笑い返すと、エヴァは少し考え込んでから口を開いた。

「ならばついでだ。 ぼうやも引っ張って行って、そのまま近衛詠春とナギのバカが住んでいたと言う家に向かうとするか。
 それなら待ち合わせる面倒もないしな」

「でしたら、早めにお伝えしないと」

 茶々丸がそう促す。

 本日も、予定は自由行動なのだ。
 普段のネギとその周囲の状況を鑑みれば、既に誰かと約束を済ませている可能性すら有る。

 それには、エヴァも思い当たったのだろう。

「なるほど、ならば急ぐとするか。
 おい横島、いつまで寝ているんだ、さっさと起きんか」

 再び横島を蹴り飛ばして起こすと、一同はしずなの部屋を後にした。

 

 

 

「はううぅ…」

「げ、元気だしなさいよ、このか」

「そうですよ、このかさん」

 俯せでしょげ返る彼女を、苦笑いで明日菜たちが宥める。

「せやって、せっちゃん…」

 朝食も済ませ、一旦部屋に戻るという段になって、木乃香は刹那へと声を掛けたのだ、一緒に行こうと。
 昨夜はずっと付き添ってくれたので、少しは距離も縮んだのではと期待して。

 結果から言えば、彼女はいつもの様に逃げ出した。
 近付いた手が、あっさり遠くなったのだ。 木乃香には少なからず堪える状況だった。

 明日菜から見れば、距離間隔を捉えかねた刹那が唐突なアクションにパニックになっただけ、なのだと簡単に判る。
 だが、この旅行で互いの距離が縮まった彼女と違い、木乃香にはそうと認識出来るナニカが一つも無かったのだ。 …意を決して話をしようとした刹那との待ち合わせも、フェイトの襲撃に邪魔されてしまったし。

「刹那さんも、今までが今までだったから、どうしていいか判らないんですよ、きっと」

 鋭いようで鈍いネギだが、この時ばかりは正鵠を射た。

 続けてカモも、手にした煙草をちっちっと振った。

「そうっスよ、姉さん。
 時間が解決してくれるってぇ事もあるんすから、焦っちゃダメですぜ」

 刹那の気持ちなぞ、彼にしたら丸判り。
 後の人間関係に対しての打算もあって、拗れないようにと気を回す。 ネギの従者としては、有望株なのだ、刹那は。 きちんと取り持てれば、事を有利に運ぶのも可能だろう。

「そぉ、やろか…?」

「そうよ、刹那さんだってそんな急に変われるもんじゃないと思うわよ。
 ま、後で呼びに行ってあげるから、がんばんなさい」

 自信満々に笑って木乃香の頭をツンとつつく明日菜に、横目で見遣る彼女の口が少しずつ尖っていく。

「アスナずるい…」

「ずるいって何が?」

 上目遣いですっかりスネてますと言わんばかりだ。
 珍しいルームメイトの様子に、明日菜は少し焦った。

「いつの間にか せっちゃんと仲良ぉなってるやん」

「え、それは、ほら、なんて言うか…」

 わたわたと手を振って、説明しようとするが巧く言葉にならない。

「それにカードかて、ちゃんとしたのやし…」

「ちょっ、なによソレ?」

「いや、実は、っスねぇ、姐さ」
「ここか〜!!

 明日菜の文句にカモが説明し掛けたそこへ、バン、と勢いよく扉を開けての闖入者が現われた。

「さぁ、ぼーや、観光に行くぞ。
 とっとと起きんかっっ

「エヴァちゃん?! …と、誰だっけ?」

 明日菜にしてみれば、やった事にこそ驚かされたが、何せきちんとした紹介もされていない見知らぬ誰かなのだ、横島は。
 まして高音たちなぞ、状況が状況だけに覚えてすらいなかった。

 対して、カモはタタっと駆寄ると、彼らに小さく頭を下げた。
 ここは旅館の中だけに、誰に聞かれるとも限らないから言葉は口にしない。 何より、現われた集団の中に、一人 現時点での部外者が居るのだ。

「昨夜見ておいてそれか… さすがはバカレッドだな」

「な、何よ〜 それ!?

「あぁ、騒ぐな、うるさい」

 ヤレヤレとばかりに手を振られ、明日菜は尚更ヒートアップしていく。

 そんな彼女らへと、ネギが声を掛けた。

「あの… 今日は僕、長さんとの待ち合わせが有って…」

「だからその前に、京都を見て周るんだ。
 ホラホラさっさと動かんか

 手を取って引き摺り起されるネギの姿は、年相応に微笑ましい。

 さっきまでの鬱屈を少しだけ晴らして、木乃香はむくっと身体を起こすと横島たちに話しかけた。

「どないゆぅことなん?」

「なんかな。 エヴァちゃん、その待ち合わせにも付いて行きたがっててな。
 けど、観光もしたくて仕方ないんだとさ」

「まぁ、エヴァンジェリンさんも色々有りますから…」

 横島と愛衣の答にそれなりに納得したか、小さく笑うと立ち上がった。

「そなんかぁ…
 そやったらお父様に言って、ちょう遅らせたらええんちゃう?」

「昼を挟んでまだ5時間かそこらは有るんだ。 そこまでせんでも、さっさと動けば問題ない」

 横からエヴァがそう口を挟む。
 ナギの別荘を見て周る時間も、出来れば削りたくないのが彼女の本心だ。

「あの、エヴァンジェリンさん?」

「ん、なんだ、ぼーや?」

「その… その人たちは一体?」

 ほぼ意識の無かった時に呼ばれて来て、今初めて横島たちを見たのだ、ネギは。

「バカ、昨夜あん…」
「私の下僕どもだ、詳しい事は後で話してやる」

 何か言い掛けた明日菜を牽制して、エヴァはそう早口で言い切った。
 今、横島たち以外に、図書館組を連れ歩いている。 その3人の内、一人だけは魔法関係を知らされていない一般人なのだ。 

 一纏めに括ったその言い様に、ムっとしつつも何処に一般人が居るか判らない場だからと、高音もそれには口を噤んだ。
 その代わりに、行動を促す。

「さっさと動いた方が良いんじゃありません?」

「うむ、そうだな。
 さぁ、行くぞ。 まずは清水寺だ 見て周れるだけ周るぞ。
 無論、土産も買い漁る。 時間が許す限り目一杯な」

 

 

 

 【お嬢様の事は続けてお任せ下さい】

 


 ぽすとすくりぷつ

 何せ せっちゃんフラグ、軒並みぶっとばしたからねぇ…(^^;
 これから、木乃香との関係修復を図って行かなきゃならない訳で。 どの道、木乃香はレギュラー格ですから、語らずに済ませられませんので、その内に。

 人数が多過ぎて、横島すら口数少なくなっちゃったのが… どうにも下手だね、あたしゃ… orz
 かと言って、ネギを連れ歩かないのもなぁ。 連れてけば、古都巡りって事もあるから のどかと夕映、ついでにハルナは必須で。
 この後、刹那も加わるから、人数増える増える〜(T_T
 横島を知ってる真名、楓、鳴滝姉妹を、これでも削ってるんですけどねぇ…(苦笑)


 
 

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