独断と偏見の
まんがレビュー 2007年10月

2007年10月2日(火)
タイトル ごんべさんのごはん
著者名 胡桃ちの
巻数 全1巻(ACTION COMICS)
出版社 双葉社
発行年 2007年
ジャンル 店替え4コマ
評価 ★★★  :食いしんぼさんに。
ストーリー

 ここは小さなビルの地下1階にあるお店。ごんべさんこと芦屋川天晴(あしやがわてんぱる)は、飽きっぽいオーナーシェフ。究極のメニューを求めて、今日も新しいお店に改装するのであった…。

コメント

 また、飲酒運転に対する罰則が厳しくなりましたね。

 最近では、度重なる飲酒運転による被害と、罰則の厳重化で一般の飲酒運転に対する認識も変わってきたように思えます。特に、企業や公務員などでは、本人の飲酒運転だけでなく、運転する人と一緒にお酒を飲んでいた場合でも、お酒を勧めたと認識されクビになるところもあるようです。

 個人的には、この傾向は喜んでいます。というのも、元より飲酒運転する気はないのですが、知人宅などに車で行き、そこでお酒を勧められるということが過去に何回かあったからです。

 当然断るのですが、
「休んでいけば大丈夫」
とか、
「軽く一杯だけ」
とか言われ、非常に断りにくい雰囲気があるんですよね。食事の時など、お酒を堅く固辞すると場の雰囲気が悪くなるときもありますので。

 ただ、最近では上記のような飲酒運転に対する認識が変わってきたことと、罰則が強化されたことにより、非常に断りやすくなりました。今まで、強く飲酒を勧めてきていた人も、
「車で来ているので」
の一言で、それ以上勧められなくなりました。飲酒運転に対する社会的な認識が変わってきたことを感じました。

 なお、お酒を飲むこと自体は嫌いではないので、車じゃない場合にはお酒を飲んでいます。

 そんなわけで、お酒にあう食事も登場する、胡桃ちの氏の「ごんべさんのごはん」を紹介したいと思います。

 この「ごんべさんのごはん」では、今までの胡桃ちの氏の4コマまんがの特徴が含まれています。それは、お店と変身です。

 胡桃ちの氏の4コマまんがの特徴と言いますと、喫茶店、レストラン、温泉宿など店舗が舞台になることが多かったです。そして、その中で色々な料理が登場しました。この「ごんべさんのごはん」でも、ごんべさんは、色々なジャンルの料理ができる天才料理人であり、そのため様々な料理が登場しています。

 さらに、変身についてです。これも過去の作品では女性キャラは色々と変身できることが多かったです。年寄りから若者になったり、身体の体型が変わったりしていました。この「ごんべさんのごはん」でも、ポンタは一見中学生のような外見ですが、仕事の際には格好よく変身してコンサルタント会社の社長業をこなしています。

 つまり、この作品は今までの胡桃ちの氏の作品の延長であり、新しい作風は一切入っていませんでした。

 が、個人的にはこの「ごんべさんのごはん」は結構気に入りました。新しい要素は入っていなかったのですが、逆に今まで使ってきた手法ゆえに完成度が高かったのかもしれません。もしくは、登場してくる料理に目がくらんだのかもしれませんね。

 実際、この「ごんべさんのごはん」ではパスタから天ぷら、フレンチから蟹料理まで色々な料理が登場します。毎回店舗を変えるごんべさんのおかげで、毎回異なるジャンルの料理が出てきました。それゆえ、この作品を読んでいるとお腹が空いてきます。

 そんなわけで、食いしんぼさんにこの「ごんべさんのごはん」をお奨めしますよ。読んでいると、きっとお腹が空いてくることでしょう。

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2007年10月6日(土)
タイトル きらきらきら
著者名 藤島じゅん
巻数 全1巻(MANGA TIME KR COMICS)
出版社 芳文社
発行年 2007年
ジャンル 下層燃えよペン
評価 ★★★  :まんが家の楽屋ネタがお好きな方へ。
ストーリー

 鴉丸は、月イチ4コマ6ページで10年で単行本2冊のまんが家。そんな鴉丸の日常を描き、まんが家の本音が見え隠れする4コマまんが。

コメント

 公開開始から1ヶ月以上経ちそろそろ空いてきた頃なので、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を見に行きました。もちろん、時間を自由に使える特権を活かし、平日の午前中に見てきました。観客は十数人しかおらず、ゆっくりと見ることができました。

 昔と違って、今の映画館はシネマコンプレックスタイプが主流ですね。これらの映画館で、初めて訪れる場所はちょっと緊張したりします。何に対してかと言いますと、それは座席指定に関してです。

 シネマコンプレックスですと、ほとんどの場合チケットを購入するときに、座席を指定することになると思います。初めて訪れた映画館だと、どこが見やすいのか、逆に見にくいのか、座席表だけからでは分からないんですよね。

 ので、初めて訪れるところでは、いつもドキドキしながら座席を指定しています。特に、今回行った映画館ではチケットを購入する際に、
「席の変更はできませんので」
と釘を刺されてしまい、余計にドキドキしてしまいました。今回は問題はありませんでしたが、過去に訪れた他の映画館では、明らかに見にくい位置を指定してしまい、その後変更してもらったこともありました。

 さて、今回の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の内容については、特にここでは語りません。まだ続きもあることですし、すでに他の場所で色々と語られていると思いますので。

 ただ、今回見ながら思ったことは、あれだけ影響力の大きかったTV版「新世紀エヴァンゲリオン」というのは「非常に完成度の高い不完全な作品」だったんだなぁ、ということです。

 というのも、最後のぐたぐたはあったにせよ、全体的に完成度の高い作品だったことに間違いありません。ただ、内容自体は監督自身も着地点というか、問いかけっぱなしで最終的な答えを用意していなかったわけです。逆に、これが見る人ごとに自分なりの答えを考えることができたのだと思います。

 もし、監督が完全な答えを用意し、それをアニメの中で結論づけていたら多分あれほどの大ヒットにはならなかったんじゃないでしょうか。10年以上経ち、今回の劇場版を見ながら徒然とそう思ったのでした。

 何はともあれ、今後劇場版がどうなるか、楽しみにしたいと思っています。それまでは、当時購入したLD(!)で今までの「新世紀エヴァンゲリオン」を見直したいと思っています。

 ところで「新世紀エヴァンゲリオン」はTVアニメですね。そんなTVアニメ化には縁のないまんが家が登場する、藤島じゅん氏の「きらきらきら」を紹介したいと思います。

 まんが家をテーマにした4コマです。まんが家を題材にしたものは、「まんが道」から「編集王」「吼えろペン」まで色々とあります。ただ、これらの作品はそれなりにメジャーのまんが誌などの第一線で活躍している、もしくはしていた人達の物語です。

 ところがこの「きらきらきら」は、比較的マイナーなまんが誌で活躍している人が主人公になっています。知る人ぞ知る、というレベルですね。そういう意味で、ところどころに本音らしきものが見え隠れして面白かったです。

 「まんが道」から「編集王」「吼えろペン」では、登場するまんが家は自分の作品に誇りを持っていたり、逆に良いまんがを描こうという強い意志があるんです。この「きらきらきら」でもそれはあるのですが、どちらかというとあまり売れていないまんが家の日常をメインに描かれています。そのため、本当の意味でのまんが家の実情が分かります。

 特に、隣に住む売れっ子まんが家との比較をしたギャグが、それを表しているように思えました。また、自分の作品はアニメ化には縁が無いのに、
「深夜枠でアニメ化? 昼間に流れてなんぼでしょ!!(48ページ)」
とひがみが入ったりして。

 さらに、商業誌よりも同人誌の方が実入りが良かったり、と笑えない実情も飛び出してきます。4コマまんが家の場合は分からないのですが、BLまんが家、美少女まんが家の場合は、これは真実でしょうね。

 個人的にツボにはまったのは、6ページの4コマまんがです。

 アシスタントが、まんが家の苦労は「ほえるペン(「吼えろペン」のパロディ)」で知っていると主張します。すると、4コマまんが家である鴉丸は、
「あんなん勝ち組だバカヤロウ!! こちとら領収書は本名じゃ−−−!!!」
と叫びました。さらに、この4コマのタイトルに目をやると、
「『○○プロ』とか書いてみてぇよ!!」
と記載されていました。これって、税金対策でプロダクションを設立するレベルに達していないまんが家の本音ではないでしょうか。

 そんなわけで、まんが家の本音が垣間見える「きらきらきら」は、楽屋ネタが好きな方にお奨めしますよ。特に、「吼えろペン」と比較すると、描く視点が異なっているので、より一層楽しめます。

 カバー下には、1コマまんがが収録されていますので、持っている方は要チェックですよ。

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2007年10月15日(月)
タイトル 怪獣の家
著者名 星里もちる
巻数 全2巻(BIG COMICS)
出版社 小学館
発行年 2006年
ジャンル 苦しみからの脱却まんが
評価 ★★★  :怪獣映画がお好きな方へ。
ストーリー

 福田和義は住宅地の一軒屋に一人で住んでおり、この家を売却しようと考えていた。そこへ、この家を怪獣映画のモデルに使いたいと申し出があった。ひょんなことから、それを聞きつけた怪獣映画のファンである湯浅小雨と、映画に出演する女優の金子由希の3人で同居することになったのだが…。

コメント

 ここのところ、東山動植物園には行っていませんでした。意図的に避けていたわけではないのですが、一時期に比べるとあまり訪れていませんでした。

 冷静に考えると、夏休みの時期に行われたナイトズー以来行っていないような気がします。ちなみに、ナイトズーとは普段よりも遅い時間まで開園し、夜の暗くなった状態での動物を見てもらおうというイベントです。

 さて、先日久々に訪れたところ、「東山公園秋まつり」というのがやっていました。

 で、良く見るとあの「樹快ダー」が復活していました。春のイベントの時以来ずっと閉鎖されたままで、どうするのだろうと思っていたのですが、ここにきて復活しました。

 思わず、この「樹快ダー」のところまで足を運んでしまいました。すると、今回は以前訪れたときと異なり、待ち時間が0分でした。

 これは乗らなくてはいけないと思い、つい2回も乗ってしまいました。本当はもっと乗りたかったのですが、坂を何回も登るのは大変なので、次回の楽しみに取っておきました。この調子だと、次回もすぐに乗れそうですしね。

 なお、以前乗ったときとちょっとだけ異なる点がありました。それは、滑り台のローラー部分です。以前は、どこも同じようにこのローラーがまわっていたのですが、今回は違いました。長い直線部分のローラーは回転が遅くなるようになっており、以前と比べてスピードが出にくくなっていました。

 多分、以前の時体重の重い大人などではスピードが出過ぎたので、それを緩和するためにあるのだと思います。反面、体重の軽い子供では途中で止まってしまっているのを見かけました。

 ここら辺のスピード調整はなかなか難しいところですね。個人的には、大人はそれなりに理性を持って足でスピード調整できるので、子供をベースとした調整にして欲しかったです。滑り台なのに途中で止まってしまうと、爽快感が薄れますからね。

 そんなわけで、以前乗れなかった人や、待ち時間が長いのが嫌な人はこの機会に行ってみたらどうでしょう? 私も、この秋まつりの間にもう何回か乗りたいと思っています。

 さて、東山動植物園の植物園エリアに、環境に優しいとアピールしている一軒屋のモデルルームがありますね。そんなわけで、一軒屋が舞台の、星里もちる氏の「怪獣の家」を紹介したいと思います。

 この「怪獣の家」を読み終わってから気付いたのですが、星里もちる氏はなにかしら家を題材にすることが多いですね。過去の「りびんぐゲーム」や「ルナハイツ」なんかもそうでしたね。

 「りびんぐゲーム」では住宅事情を切り口にしていましたし、「ルナハイツ」では主人公の家が会社の寮になってしまいました。主人公の住む家にいきなり他の人が入って来て、そこから物語が始まっていくという展開は、「怪獣の家」も含めて共通していますね。

 この「怪獣の家」では、主人公の福田さんの家に一時的に住むことになった怪獣好きの湯浅小雨と、女優の金子由希の三角関係の恋愛物のように見えます。が、実はそうではありません。

 実際は、ちょっとした出会いをきっかけに知り合った人間関係により、過去の苦悩から開放される物語、と言った方が正しいように思えます。だから、恋愛部分は重要な要素ではありますが、それがメインではありません。

 なお、物語自体は最初から2巻で完結させることを前提に、最初から最後まできっちりと構成されています。きっちりしすぎて、スキがないと感じたぐらいです。

 また、ちょっとした描写なのですが、個人的に上手いと感じたのは「怪獣の家」第1巻133〜140ページです。これは、女優の金子由希が主人公の福田さんに好意を寄せている、ということをうまく表現していました。

 まんが内の映画の台本の中に、彼氏に内緒で彼氏の部屋で彼氏を幸福そうに待っているものの、そこへ彼氏が女連れで帰ってきてショックを受けるというシーンがあります。

 ここでは、実際に金子由希が福田さんの帰りを幸福そうに待っているというシーンが描かれていました。その後、自分が台本と同じ状況なので台本にある演技もうまくこなせました。そして、帰ってきた福田さんを幸せそうに迎えるのですが、そこに湯浅小雨もいてショックを受けるというシーンが描かれていました。

 これは、映画で演じる台本と、実際の境遇とをうまくオーバーラップさせ、金子由希が福田さんのことを好きである、ということをより強調させることに成功しました。この場面自体それほど重要な箇所ではないのですが、個人的にはこの部分が一番印象に残りました。

 余談になりますが、最終的に福田さんが選ぶ女性は、金子由希ではなく、湯浅小雨であることは各々の話のタイトルを見れば分かりますね。第1話から第6話までのタイトルは、以下のようになっています。
第1話:美女と怪獣
第2話:美女の逆襲
第3話:美女の試練
第4話:美女の復活
第5話:群集と美女
第6話:美女と女優

 第1〜5話までは、「美女」が金子由希から湯浅小雨のどちらを指していたのか分かりませんでした。しかし、第6話のタイトルで「女優」は明らかに金子由希を指します。すると「美女」は湯浅小雨を指すわけです。

 で、これ以降のタイトルでも「美女」というキーワードが必ず入ってきます。ですので、最終的に福田さんと結ばれるのは湯浅小雨の方だと分かるわけです。きっと、星里もちる氏は意図的にこのようなタイトルにしたのでしょうね。

 そんなわけで、きっちりと構成されている物語がお好きな方にお奨めしますよ。特に、怪獣映画とかが好きだったには良いかもしれませんね。

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2007年10月19日(金)
タイトル 出たところファンタジー
著者名 樹るう
巻数 ぷるぷる学園編、ケロケロ魔法の塔編(タツミコミックス)
出版社 辰巳出版
発行年 2003年
ジャンル ファンタジー4コマ
評価 ★★★  :ファンタジー&コメディがお好きな方へ。
ストーリー

 エマ=キャラウェイは人魚族の16歳の女の子。エルーカ魔法学院の入試を受けたものの見事に失敗してしまった。来年の入試まで魔法学院の研究室でバイトをしながら勉強することに決めたのだったが…。

コメント

 我が家のアイロンは強いです。

 といきなり言われても、何の事か分からないですよね。実は、3ヶ月ほど前10年ほど使っていたアイロンが壊れ、新しいものに買い換えました。

 最近のアイロンは色々な機能がついていたりしますが、個人的にそういった機能はほとんど必要なく、小回りが効くそれほど大きくないアイロンを探していました。そして、同居人H氏と相談の上、SANYOのA-CM50を購入しました。

 このアイロンが実に丈夫なんです。というのも、購入してから1ヶ月経たないうちに床に落としてしまいました。高さ2m以上のところから、少々固めのフローリングに。フローリングに凹み傷が出来ましたが、アイロンは何の問題なく動きました。傷もこれといってつきませんでした。

 また、その後も腰ぐらいの高さから何回か誤って床に落としてしまいました。それでも傷もつかず問題なく動いています。ちゃんとスチーム機能なども使えています。実に丈夫ですね。

 アイロン自体それほど複雑な構造じゃないので、多少衝撃を与えたぐらいではびくともしないのかもしれませんね。

 余談ですが、コードレス式のアイロンって、バッテリーで動いているわけではないんですね。アイロン台に置くと、それによってアイロン側に熱が溜まり、その溜まった熱を利用するようです。コードレス式のアイロンが発売されてから結構時間が経っていますが、今の今まで知りませんでした。

 正直なところ、私はてっきり充電式になっていると思っていましたので。意外と私のように勘違いされている方は結構いるんじゃないでしょうか?

 そんなわけで、強い主人公が登場する、樹るう氏の「出たとこファンタジー」を紹介したいと思います。

 いきなりですが、補足説明から。上記の巻数のところで、「ぷるぷる学園編」と「ケロケロ魔法の塔編」となっていますが、これらが1巻と2巻に相当します。物語も自体もそのまま続いています。ただ、表紙を見ると分かるのですが、巻数が記載されておらず「〜編」とあったので、上記もそのように記載しました。

 この「出たとこファンタジー」は樹るう氏の初のコミックスです。以前読んだ「遁走娘・押し入れレビュー」 が今ひとつだったので、ひょっとしたら過去の作品はあまり面白くないのかもとか心配していたのですが、幸いなことに杞憂でした。非常に面白かったです。

 最初から最後までちゃんと物語が練られており、かつきちんと伏線も張られていて読んでいて安心感がありました。特に物語の構成や伏線が複雑すぎることもなく、かといって浅すぎることもなく、ファンタジーコメディ4コマとして適切なバランスであると感じました。

 さらに、全体の物語だけでなく1つ1つの4コマでもきっちりと笑いのツボを押えてあり楽しむことができました。なかなか良いできでした。

 個人的に面白いアイディアだと思ったのは、主人公のエマとその婚約者のハヤタの身体が入れ替わってしまうところです。身体が入れ替わるだけならありがちなのですが、この「出たとこファンタジー」では、下半身だけが入れ替わってしまうというところにユニークさがありました。

 丸ごと入れ替わるというネタは古今東西あちこちで使われていますが、身体の一部だけ入れ替わるというネタは非常にユニークでした。また、この入れ替りにより、エマとハヤタの2人が強力な魔法を使えることになった、という展開も非常に良かったです。

 こういったところからも、きっちりと練られているというのが感じ取れました。さらに、物語の結末における身体を元に戻すための方法も、意外性があって良かったです。

 余談になりますが、私が分からなかったのは「ぷるぷる学園編」の最初のカラーページです。ここでは、物語の中ではこれ以降1回もなかった主人公エマの上半身裸が脈絡もなく描かれており、横に「公約」と記されていました。

 これは予想なんですが、樹るう氏が連載開始されたらエマの裸を描くこと宣言したんでしょうかね。知っている方は教えてくださいね。

 そんなわけで、ファンタジーとコメディがお好きな方にお奨めしますよ。また、樹るう氏のギャグがお好きな方にももちろんお奨めします。

 蛇足です。「ぷるぷる学園編」のカバー下にはスゴロクが、「ケロケロ魔法の塔編」にはあとがきが収録されていますので、持っている方は要チェックですよ。

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2007年10月30日(火)
タイトル 今日の早川さん
著者名 coco
巻数 1巻〜
出版社 早川書房
発行年 2007年〜
ジャンル ビブリオマニア4コマ
評価 ★★★  :本好きには是非とも読んでもらいたいです。
ストーリー

 SF好きの早川さん、ホラーが好きなの帆掛さん、純文学が好きな岩波さん、ライトノベルが好きな富士見さん、レアな本が好きな国生さんと強度のビブリオマニア達が繰り広げる日常を描いた4コマ。

コメント

 先週は、数日間このレビューだけでなく、「一言感想」も含めてまんがフリークの更新がありませんでした。原因は、ずばり友人N氏に借りた
「涼宮ハルヒ」シリーズです。

 久々に、リズムが狂わされました。ライトノベルを読んでいて更新しなかったのは、以前の「マリア様がみてる」以来のような気がします。

 実は、土曜日に所用でN氏のところに伺い、ついでにこの「涼宮ハルヒ」シリーズを全て借りてきました。で、土曜日の当日は特に読みませんでした。

 本当は日曜日に出掛ける予定だったのですが、昼前に起きてしまい、出掛けるのも億劫になってしまいました。そこで、昨日借りてきたこの「涼宮ハルヒ」シリーズを読み始めたのでした。

 結局、日曜日の昼前から読み始め、3日後の水曜日の早朝に全てを読み終えたのでした。その間、仕事と家事は少々さぼり気味でした。さらに、途中にはちょっとしたハプニングがありました。

 それは、なぜか6巻を読み終わって7巻を読むところを、間違って現時点での最新の9巻を読んでしまったことです。疲れていたのかもしれません。

 そこには、知らないキャラやエピソードの事が描かれており、おかしいなと思いつつもこの「涼宮ハルヒ」シリーズは時間軸が前後するエピソードが多々あるため、次の巻で登場するんだろうな、などと思いながら読了しました。

 で、ちょうど続きものになっていたので、次の巻を手に取ろうと確認してみたら、該当する巻が無かったというわけです。ショックを受けつつもそこから7巻、8巻を読んで9巻の内容を理解したのでした。そのため、7巻、8巻にある一部ネタが分かってしまう部分もありましたが、逆に、物語が次巻に続いている9巻の次がものすごく読みたい、という欲求は抑えられたのでした。

 さて、この「涼宮ハルヒ」シリーズを読んでいて気付いたことは、最初の頃と後半における文章の書き方の変化です。といっても、基本的にキョンが一人称で語っていることには変わりはありません。

 実は、最初の頃の巻と後の巻では、段落及び1つの段落における文の数が異なっているのです。

 ライトノベルに限らず最近の小説の傾向として、読みやすい工夫がされています。その工夫の1つに、1つの段落における文の数を意図的に制限する、というものがあります。

 これはライトノベルに限らず、最近のミステリーや、ケータイ小説などにも見られる傾向です。1つの段落を2〜3文程度に押さえ、改行を多くします。さらに、1つの文もそれほど長くならないようにします。これにより、1ページ辺りの文字数が少なくなり、テンポ良くページをめくっていくことができます。

 この「涼宮ハルヒの憂鬱」でも、この制限が比較的守られています。まれに、専門用語を解説する段落で文字数が多くなる箇所がありますが、それほど多くはありません。

 ところが、「涼宮ハルヒの陰謀」の巻では、内容がタイムパラドックスの話で、説明もそれなりに必要になってくるため、この制限が守られにくくなっていました。

 単純な比較として、両者の文庫をパラパラとめくってみると、よく分かると思います。後者の方があきらかに空白部分が少ないですよね。これは、どんどんとタイムパラドックスに絡みで物語が複雑になり、それに伴った説明が多くなってきているためです。

 番外編的な単発の物語はともかく、シリーズ全体にかかわってくるメインの物語は、今後ますますタイムパラドックス的なお話の複雑さがましてくると思われるので、この傾向は今後加速していくかもしれませんね。

 個人的に、微笑ましかったのは、使うかどうか分からない伏線をちらほらとちりばめていることと、意図的に時系列順に物語を扱わなかったことですね。特に後者は、色々な意味で微笑ましかったです。

 これはあくまでも個人的な推測なのですが、意図的に時系列順に扱わなかったのは2つの効果があると思われます。

 1つは、簡単な内容を難しくさせる効果です。過去にあったことを読者に明かさず、あったかのように物語を進めていくと、読者は混乱します。そこで、なぜそうなっているのかと考えるようになり、一見練られた物語のように感じます。

 それでいて、時系列順に読めば簡単に謎が分かるので、うまく読者を満足させることができます。最後まで理解できない、という現象をなくすわけです。学校の先生の授業でよくある、簡単な事柄を難しく説明することにより、いかにも難解なことをやっているように印象づける作戦です。

 学校の授業でこれをやられると困りものですが、表現手法としては有りだと思います。

 もう1つは、アイデアを練る時間を増やすという効果です。最初から時系列ではなく物語を描くことにより、いつでも昔のことを描くことができるようになります。

 これを行うことによりメインの物語が行き詰まっている時に、単発的なエピソードを読者の違和感無く挟むことができます。この時に、過去にちりばめた伏線を使用するわけです。これにより、複雑なメインの物語の作成に猶予を与えることができます。実質的な〆切延ばしですね。

 ただ、あまりにもこれを行いすぎると、段々と物語の制約が多くなってきて、破綻の無い物語を作るのが難しくなってきます。そこら辺をどううまくバランスをとるか、というところでしょうか。

 そんなことを疲れた頭で思いながら、読み終えたのでした。

 そんなわけで、「涼宮ハルヒの憂鬱」を買おうとしている主人公が登場する、coco氏の「今日の早川さん」を紹介したいと思います。

 この「今日の早川さん」は、「Horror & SF - coco's bloblog」というblogにて発表された作品をリメイクしたものです。

 「今日の早川さん」のコミック自体にはSF好きの早川さんを主人公とした4コマが収録されています。ただ、当初blogでは1コマまんが+文章と形式のものだったり、必ずしも4コマまんがではありませんでした。今回は、文章の部分も含めてこれらのネタを元に描きなおして収録されています。

 ですので、blogに掲載されているものと比べると微妙にニュアンスやオチが異なっている4コマなどもあります。

 さて、中身を見ていきましょう。これはSF好きの早川さん、ホラー好きの帆掛さん、純文学が好きな岩波さん、ライトノベル好きの富士見さん、レアな本が好きな国生さん、など各々のジャンルが好きな人たちが登場します。そして、マニアならではの行動と、開き直りが描かれています。

 当然、自分の好きなジャンルにはこだわりがあり、それゆえ、一般人とは話が合わなかったりします。

 これは、小説とまんがというジャンルは違えど、本好きという点では非常に共感してしまいました。

 例えば、相手の話を聞かずに持論を展開したり、相手の事を考えずに自分のお奨めの本を押し付けたり、職場では本性をひた隠ししたり、 webにて主観が入りまくりの☆をつけたり(このサイトもそうですね)、といった行動などが描かれています。私もそうですが、皆さんも心当たりがあるのではないでしょうか。

 他にも本好きなら思わずウンウンと頷いてしまうネタが満載です。逆に実感がありすぎて笑えなくなったりするネタもありました。少々長いのですが、例えば7ページに記載されている、
「住宅事情、将来的に実現可能な展望など一切考慮せずにせっせと本を買い込んでは居住スペースを圧迫し、『宝くじさえ当たれば』などとはかない夢を抱きつつ、『そのうち家が傾くね』なんて他人事のように呑気な言葉を口にしたり、最後には『地震がきて本に埋もれて死ぬのなら本望』と物騒な居直りをするので、」
この箇所なんて当てはまりすぎて、逆に笑えませんでしたよ。実際、過去には
まぁ、まんがに埋もれて死ぬなら本望ですけど。
なんてことも書いたことがありますし。

 値段は本体価格1,000円と少々お高めですが、全てカラーページということを考えると納得出来る価格です。また、blogには掲載されていない岩波さんの結婚式のことも描き下ろしで収録されています。

 そんなわけで、小説、まんがに関わらず、本に対してなんらかのこだわりやウンチクを持っている方には是非ともお奨めしますよ。非常に共感が沸くと思いますよ。

 蛇足です。カバー下には描き下ろしの4コマが4つ収録されていますので、持っている方は要チェックですよ。

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