独断と偏見の
まんがレビュー 2007年1月

2007年1月8日(月)
タイトル ゲーム屋さん?
著者名 春風道人
巻数 全1巻(Action Comics COMIC SEED!)
出版社 双葉社
発行年 2007年
ジャンル ゲーム業界4コマ
評価 ★★★  :業界暴露まんががお好きな方へ。
ストーリー

 結城仁は、デザイナーとしてゲーム会社に就職した。入社したてで、業界のことは何も分からない状態だった。しかし、働いているうちに業界の表や裏の事情を知っていくのだった…。

コメント

 去年の暮れに、大阪梅田で高校の時の友達と忘年会をしました。忘年会が終わった後も、私とH氏、F氏は喫茶店でお茶をしながらおしゃべりをする事にしました。そのときに、入った喫茶店でのお話です。

 その喫茶店は、珈琲専門店でした。そこで、F氏はチーズケーキを注文しました。チーズケーキと言うと普通のチーズケーキを思い浮かべますよね。当然、3人ともなんの疑問も抱かずに普通のものが出てくると思っていました。

 ところが出てきたのは、横に生クリームが添えられて、加熱されたスライスチーズがのっているマドレーヌケーキでした。

 このチーズケーキは、世間一般で言うチーズケーキとは全然違いますよね。確かにチーズがのっているケーキということで、看板に偽りは無いんですけども。

 一口味見させてもらったところ、スライスチーズのしょっぱさと、生クリームの甘さが混じりあった新感触のケーキでした。

 個人的には騙されたというよりも、
「これは一本取られたね」
と、とんち勝負で負けたような感じでした。

 興味のある方は、大阪梅田の新梅田食堂街にある「ニューY・C(山本珈琲館)」で、是非ともチーズケーキを注文してみてくださいね。

 そんなわけで、お菓子を食べているシーンが登場する、春風道人氏の「ゲーム屋さん?」を紹介したいと思います。

 この「ゲーム屋さん?」は、以前紹介したコミックシードで連載されていた作品です。倒産する前のぺんぎん書房と、復活した後の双葉社の両方に連載を跨いでいた作品です。

 内容的には、小規模ゲーム会社の業界暴露まんがと言ったところでしょうか。ただ、それほど毒はありません。

 ネタの中では、ディズニー系のゲームを作るときのチェックの厳しさを扱ったものが面白かったです。良いか悪いかはともかくとして、自社のキャラクターのイメージを維持するためのやり方は徹底しているのは感心しますね。

 この「ゲーム屋さん?」の内容は、ゲーム開発でもデザイン・グラフィック関係が詳しいのに対し、プログラム開発についてはあまり触れられていません。多分、これは春風道人氏自身の経験によるものではないでしょうか?

 私自身、プログラムの開発を行っているので、その方面の業界ネタとかももっと見たかったですね。

 そんなわけで、業界暴露まんががお好きな方にお奨めしますよ。特に、普段消費者の立場でいる人間にお奨めします。

 蛇足です。カバー下にもまんがが収録されていますので、持っている方は要チェックですよ。

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2007年1月21日(日)
タイトル 少女探偵金田はじめの事件簿
著者名 あさりよしとお
巻数 全1巻(JETS COMICS)
出版社 白泉社
発行年 2006年
ジャンル 迷探偵もの
評価 ★★★  :シニカルなギャグがお好きな方へ
ストーリー

 ある日学校で謎の殺人が起こった。バラバラ殺人事件だった。推理研に所属している少女探偵金田はじめは、その謎に迫ろうとするのだが…。

コメント

 去年の暮れから、アガサ・クリスティーの一連の作品を読んでいます。特に理由はないのですが、去年の暮れ頃にふとアガサ・クリスティーの作品を読みたくなりました。そこで本屋さんに行ったところ、クリスティー文庫なるものが早川書房から発売されており、このシリーズを揃えた棚がありました。

 文庫でしかもシリーズになっているということで、このクリスティー文庫を読む事にしました。全部買うと結構な金額になるので、図書館で借りるとことも考えたのですが、図書館にはシリーズをまとめて置いておらず、順番に1巻から読むことはできそうにありませんでした。

 結局、最初に見つけた本屋さんで購入することにしました。今はクリスティー文庫の5巻である名探偵ポアロシリーズの「青列車の秘密」を読んでいます。

 今年中に全巻制覇したいと思っていたのですが、このシリーズは100巻あるらしいので、今のペースでは無理そうです。まぁ、焦る理由もないので、のんびりと読んでいこうかと思っています。

 そんなわけで、名探偵エルキュール・ポアロならぬ、エロキュール・ポルノというキャラが登場する、あさりよしとお氏の「少女探偵金田はじめの事件簿」を紹介したいと思います。

 「少女探偵金田はじめの事件簿」の「金田一」ならぬ「金田はじめ」のタイトルと、著者があさりよしとお氏の2点から、この作品はミステリーものへのシニカルなパロディというのがお分かりいただけると思います。

 いわゆる安易なミステリー小説やまんがでありがちな、同じ学校で殺人事件が多発しているのに生徒数が減っているように見えないとか、普通に生活しているだけなのにしょっちゅう殺人事件に遭遇するとか、絶体絶命の危機をかなり無理のある説明で助かるとか、ですね。

 ここら辺をシニカルな笑いにしつつ物語が描かれています。ただ、あとがきにも記載されているように物語自体がかなり迷走しています。まぁ、元々がミステリーものへのシニカルなギャグということで、この迷走具合もある意味迷探偵ものとして相応しいと言えなくもないですけどね。

 また、表現も下ネタやグロテスクなものが多いです。絵の描写にはそれほど刺激的なものはありませんが、食人ネタが登場したり、安楽椅子探偵ならぬすけべ椅子探偵だったりと、大人向けのネタが続きます。

 なお、あとがきと初出によると、本作品はウルトラジャンプに連載されていたものの、中断されていました。今回のコミック化にあたっては、連載されていた集英社ではなく、白泉社より発売されました。

 これに伴い中断されていた「血ぬられた秘湯・湯けむり連続殺人事件〜女子高生は見た![解決編]」が描き下ろしで加わることになりました。コミック化されたということで連載再開にはならないと思いますので、連載を見ていて続きが気になった方はコミックを読む必要がありますよ。

 そんなわけで、連載が中断された内容が気になる方、ミステリー小説やまんがに対するシニカルなパロディを読みたい方にお奨めしますよ。ただし、下品なネタやグロテスクなネタがお嫌いな方にはあまりお奨めできません。

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2007年1月28日(日)
タイトル タロのいちんち
著者名 菅原雅雪
巻数 全1巻(ワイドKCモーニング)
出版社 講談社
発行年 1997年
ジャンル セントバーナード4コマ
評価 ★★★  :癒されたい方へ。
ストーリー

 タロさんは、牛飼いである珠江さん一家に飼われているセントバーナード。幼い頃はかわいがってもらえたのに、今ではいじめられる毎日。そんなタロさんのマイペースな日常生活を描いた4コマまんが。「牛のおっぱい」の番外編。

コメント

 最近、動物園にはまっています。先日、名古屋にある東山動植物園の年間パスポートを購入したことがきっかけとなりました。

 実は、昔から東山動植物園の年間パスポートは欲しかったのです。でも、以前は12,000円ほどして手が出ませんでした。1日の入場料は大人で500円ですので、24回行かないと元が取れない計算になります。気軽に買うことはできませんでした。

 ところが、久々に東山動植物園の webサイトを覗くと、去年の4月に料金の改定が行われたことが記されていました。改定後の年間パスポートの料金は、たったの2,000円です。4回行けば元が取れる計算になります。

 今年の初めに購入し、1月が終わらない現時点ですでに4回以上行きました。おかげで、すでに元は取りました。

 通常の入場料だと500円払うことになりますので、朝から夕方までみっちりいないと元が取れない気がしてなかなか行きませんでした。でも、年間パスポートを購入してからは気軽に訪れるようになりました。

 この年間パスポートはなかなか良いですね。自由に出入りできるので、動植物園の前を通ったときに、ちょっとだけ立ち寄るというのも可能になりました。

 おかげで、「ちょっとペンギンと遊んでこよう」とか、「キンシコウの赤ちゃんは木登りが上達したかな」とか、「キリンを見て和もう」とか、30分〜1時間程度の滞在でも気軽に入園できるようになりました。

 ちなみに、最近では動物達を良く観察するために、双眼鏡を購入するかどうか迷っています。

 そんなわけで、東山動物園にもいる狸が登場する、菅原雅雪氏の「タロのいちんち」を紹介したいと思います。

 この「タロのいちんち」は、菅原雅雪氏の「牛のおっぱい」で登場したセントバーナードのタロさんを主人公にした4コマまんがです。そのため、「牛のおっぱい」の番外編的な作品となります。ただ、主人公だった太児は登場しませんけど。

 一生懸命にがんばるですが、それが空回りしたり、勘違いされたり、狸に餌を奪われたりと、努力が報われないタロさんです。でも、あんまり気にせずにマイペースに前向きで生きている姿が描かれています。

 菅原雅雪氏の作品群は、一見牧歌的に見えて、その実するどい問題提議やテーマが込められていることが多いです。「牛のおっぱい」「蕗のお便り」「暁星記」などが該当しますね。

 反面、この「タロのいちんち」は現時点で最もテーマ性が薄く、のんびりとした日常が描かれている作品と言えるでしょう。

 ただ、一般的な犬4コマと異なり、他の作品と同様に菅原雅雪氏の自然観が描かれているのも特徴の1つです。そのため、得たいの知れないもの(精霊?)や、野生の動物達が登場し、それらのものと人間との交わり、つまり自然と人間との係わり方が描かれています。

 これらは、この後に発表された菅原雅雪氏の「蕗のお便り」で描かれているものの原型とも言える描写だと思います。また、4コマとしてのテイストも良く似ています。そのため、菅原雅雪氏のファンなら抑えておきたい一冊です。ただ、今となっては最も入手しにくい一冊でもあるとは思いますが…。

 そんなわけで、「牛のおっぱい」を読んだことのある方は是非読んでみてください。また単に犬4コマまんががお好きな方にもお奨めしますよ。牧歌的な日常が描かれ、癒されると思います。

 蛇足です。コミックの表表紙と裏表紙で2コマまんがになっているのがポイントです。表表紙で、タロさんはキノコ狩りを手伝ってあげようとカゴに一生懸命キノコを入れています。でも、裏表紙ではその入れたキノコは毒キノコだったので、珠江さんに殴られてしまっています。持っている方は是非チェックしてくださいね。

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