| 独断と偏見の まんがレビュー 2006年5月 |
| 2006年5月10日(水) | |
| タイトル | 猫本 |
| 著者名 | いくえみ綾、伊藤理佐、漆原友紀、えびなみつる、大ハシ正ヤ、小田扉、北道正幸、業田良家、こなみかなた、小林賢太郎、小林まこと、近藤ようこ、ジョージ朝倉、瀧波ユカリ、とりのなん子、萩尾望都、塀内夏子、松田洋子、諸星大二郎、やまだないと、山下和美、横山克弘、横山キムチ |
| 巻数 | 全1巻(KCDX) |
| 出版社 | 講談社 |
| 発行年 | 2006年 |
| ジャンル | 猫まんがアンソロジー |
| 評価 | ★★ :思ったほど面白くありませんでした。 |
| ストーリー | |
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23人のまんが家によって描かれた、猫まんがアンソロジー。 |
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| コメント | |
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私は普段家にいます。すると、様々な人が家のチャイムを鳴らしてきます。一番多いのは宅配屋さんです。これには、快く扉を開けます。 次に、郵便屋さん。書留などの場合には、直接手渡しされます。これにも快く扉を開けます。 しかし、チャイムを鳴らす人達の中には、こちらが必要としている人ばかりではありません。新聞の勧誘であったり、よく分からない宗教の勧誘も良く来ます。基本的に、チャイムを鳴らされても、ドアスコープでこっそり見て、宅配や郵便でなさそうなら居留守を使っています。 先日もチャイムを鳴らす音が聞こえました。いつものようにドアスコープで覗いてみると、普段見かけないタイプの人が立っていました。作業着を着た初老の男性です。 その姿からはなんの用事なのか想像できませんでした。ちょっと興味が惹かれ、ドア越し応答してみました。すると、 それにしても、訪問サービスで包丁研ぎがあるなんて初耳です。それとも私が知らなかっただけでしょうか。 はたまた、実際に包丁を研ぐ段階で、 でも、500円というのは微妙な金額で、実際にきちんと研いでくれるのかもしれませんね。う〜ん、謎です。正体を知るために、お願いしてみても良かったかもしれませんね。 みなさんは、どんな変わった訪問人に遭遇したことがありますか? そんなわけで、23人のまんが家によって描かれた猫まんがアンソロジーである、「猫本」を紹介したいと思います。 実は、私は当初買うつもりはありませんでした。ただ、帯を見たときに「チーズスイートホーム」の番外編が収録されている、ということで購入に踏み切りました。あと、小林まこと氏の名前もあり、「What’s Michael?」の新作が読めるかも、という期待もありました。 しかし、ふたを開けてみれば「チーズスイートホーム」に関しては一部描き下ろしで残りはコミックからの再録であり、「What’s Michael?」は再録のみでした。残念です。 さて、著者名を見ていただくと分かりますが、結構なメンバーが描いています。が、面白いかどうかは別の問題ですね。同人誌のようなノリで描かれているので、それはそれでユニークなものが多いのですが、面白いかどうかと言われれば返答に困ってしまいます。 描き下ろし作品の中では、諸星大二郎氏の「猫六先生執筆録」がユーモアにあふれていて面白かったです。ただ、単体の作品としては楽しいのですが、猫好きで猫まんがを読みたい人には受けが悪いとは思います。難しいところですね。 表紙にはコミックのタイトルがアルファベットで記載されているのでお気づきの方もいるかもしれませんが、タイトルの「猫本」は「ねこほん」ではなく、「ねこもと」と読むようです。 表紙をめくった次ページには、「チーズスイートホーム」のチーのかわしい仕草及び、「プ〜ねこ」の1コマがシールになっています。 さて、この「猫本」で気になった点といえば、何かと誤記が多いことです。表紙のカバーに目次がありますが、私の持っている初版では業田良家氏からページ番号がずれています。さらに、奥付にある再録の作品名のも一部間違えています。 この「猫本」は、こなみかなた氏の「チーズスイートホーム」の第3巻と、北道正幸氏の「プ〜ねこ」と同時発売でした。 察するに、なんとか発売日をあわせようとした結果、このようにミスが多くなったのではないでしょうか。表紙カバーに目次を記載したのも、ぎりぎりまで粘った証ではないかと、深読みできますね。 たしかに、「チーズスイートホーム」と同時発売すれば、単体で発売するよりも猫好きの目にとまる率が高いので、間違った戦略ではないと思いますが、もう少し念入りにチェックを行って欲しいものです。 そんなわけで、お気に入りのまんが家さんが著者の中にいる場合には、一度目を通してみたらいかがでしょう。ただ、あまり過剰な期待はしない方が良いと思います。 |
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| 2006年5月14日(日) | |
| タイトル | 患者さんゴメンナサイ |
| 著者名 | 茨木保 |
| 巻数 | 全1巻 |
| 出版社 | PHP研究所 |
| 発行年 | 2005年 |
| ジャンル | 医師エッセーまんが |
| 評価 | ★★★ :医師の視点でのエッセーまんがというのがユニークです。 |
| ストーリー | |
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現役の産婦人科医であり、まんが家でもある茨木保氏のエッセーまんが。自分の経験を元に医師とまんが家の両方の立場から、幅広い視点で描かれた医師エッセー。 |
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| コメント | |
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私は、仕事がら本を資料として本を購入することが多いです。そのため、いつも領収書をもらっています。領収書には、但し書きという箇所があり、ここには何を購入したのかが記載されています。 通常、ここには「書籍代」と書いてもらうことが多いです。ただし、急いでいる時や後ろに人が並んでいる時は、画数が少なく早く記入できる「本代」にしてもらう場合もあります。 さて、先日本屋さんで領収書をもらったとき、 すると、店員の方は漢字を間違って「本題」と記入してしまいました。 う〜ん、こういったミスをするのは予想外でした。「書籍代」の場合、「籍」の字が分からないという人はたまに見かけるのですが、「本題」と間違えてしまう人には初めて遭遇しました。 まぁ、私の後ろに沢山の人が並んでいて、それで焦って間違ったのかもしれませんね。久世番子氏の「暴れん坊本屋さん」でも、レジに大量の人がいると焦るとありましたし。 もちろん、その場で漢字の間違いを指摘し、領収書は「本代」に修正してもらいましたよ。 そんなわけで、表だって出ることはありませんが、実際には沢山の医療ミスが発生している、という話が描かれている、茨木保氏の「患者さんゴメンナサイ」を紹介したいと思います。 この「患者さんゴメンナサイ」は、医学生の頃の事、研修医、そして一人前の医師時代、そして大学医局のというシステム等について内部の人間ならではの視点で描かれています。 これはなかなか興味深いものでした。特に、大学医局というシステムについて、世間で言われるような悪い点だけでなく、良い点も描かれています。 これら医師として本音のエッセーも面白いのですが、個人的には105ページKARTE9の「医学を描く」のエッセーに特に興味を覚えました。 著者の茨木保氏は現役の医師であり、かつまんが家でもあるという人です。私は読んだことないのですが、「Dr.コトー診療所」の医学監修もやっているとのことでした。 この監修を行う上で気を付けているのは、物語における「許せる嘘」と「許せない嘘」の線引きである、とのことでした。事実、この線引きというのは非常に難しい作業だと思います。 同じ嘘でも、作品の内容によってその線引き位置は異なってきます。一般的に、シリアスなストーリーまんがであればあるほど、許せる嘘の範囲は狭まってきます。そして、その許せる嘘の範囲が狭まるほど、物語展開の自由度も少なくなっていきます。 そのため、物語展開の自由度はなるべく減らさず、それでいて「許せない嘘」を排除していくのが、監修をする上でのポイントになるとのことでした。物語展開の自由度が高いほど、まんが家に自由な発想でまんがを描いてもらうことができるからです。 私は、この人は分かっているな、と感じました。茨木保氏自身、まんがを描いているからこのような考え方ができるのでしょうね。これは、非常に重要なことだと思いました。 ただ、私は「Dr.コトー診療所」の診療所を読んでいないので、茨木保氏と私の線引き基準が一致するかどうかは分かりません。ただ、一般的にその分野の知識がある人ほど、その線引きの基準は厳しくなっていくので、医療関係者でない私にはすんなりと受け入れられそうな気がします。 そんなわけで、現在医師である方、医師を目指している方、医師の現実を知りたい方に医師エッセーまんがとしてお薦めすることはもちろんですが、まんがの作り手や読み手の立場から「許せる嘘」と「許せない嘘」の線引きについて考察したい方にもお薦めしますよ。 蛇足です。企画が持ち上がった当初、「ブラックジャックによろしく」はまるっきり受けないと思っていた、などといった裏話的なことも描かれていますよ。 |
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