独断と偏見の
まんがレビュー 2005年7月

2005年7月6日(水)
タイトル 凹村戦争
著者名 西島大介
巻数 全1巻(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
出版社 早川書房
発行年 2004年
ジャンル オマージュ&パロディSF作品
評価 ★★★  :読解を楽しみたい方へ。
ストーリー

 周りから孤立した凹村にて、平凡な日々を送る中学生の凹沢と凹伴。彼らは平凡な日々からの変革を望んでいた。そんなある日、宇宙から物体エックスが凹村に落ちてきたのだったが…。

コメント

 最近、なんだかSF小説を読みたい気分です。しかも、新しい作品ではなく、古典SFが読みたいんです。いわゆるH・G・ウエルズ作品を読みたいのです。

 元々のきっかけは竹本泉氏の作品でした。竹本泉氏の作品には、なにかとH・G・ウエルズの小説に関連したことが描かれており、H・G・ウエルズの小説とはどんなものか興味をそそられていました。そこへ、西島大介氏の「凹村戦争」にて、そのものずばり「宇宙戦争」の小説が作中に登場し、読みたいという衝動を抑えきれなくなりました。

 思い立ったが吉日、てなわけで早速近くの図書館に行って探してみました。比較的メジャーな作品(と思っていた)なので、近所の小さな図書館でもシリーズでまとめて置いてあるだろうと考えていました。

 しかし、意外と置いていないんですね。唯一置いてあった作品が、「タイムマシン」でした。「宇宙戦争」が読みたかったのですが、置いてなかったので「タイムマシン」を借り読むことにしました。

 本当は、本屋さんで買うのが一番良いのだと思います。品揃えも近所の小さな図書館よりもあるでしょうしね。しかし、ここのところ何かと物入りだったもので、残念ながら先立つものがありませんでした。

 また、どんか感じの小説なのか確かめたかったということもあり、買わずに図書館で借りることにしました。

 なお、映画「宇宙戦争」が封切られましたが、決してこれの影響で読みたくなったわけではありません。なにせ、この映画がH・G・ウエルズの小説を元に作られたということは、今回この文章を書くに当たって初めて知りましたので。

 そんなわけで、作中に「宇宙戦争」の小説が登場する、西島大介氏の「凹村戦争」を紹介したいと思います。

 この作品を読もうとしたきっかけ自体は、以前ご紹介した「世界の終わりの魔法使い」です。この「世界の終わりの魔法使い」の前作であり、西島大介氏の初単行本作品ということで興味があり、今回読んでみました。

 読んでみた感想としては「世界の終わりの魔法使い」より面白く読めましたし、著者の意欲もより感じました。ただ、作品全体を見渡して、どこが面白いのかということを具体的に説明しにくい作品だと感じました。

 タイトルが「凹村戦争」とあり、これは多分H・G・ウエルズの「宇宙戦争」に影響を受けた、もしくはオマージュ的な作品であると思います。ただ、私はまだ「宇宙戦争」を読んでいませんので、これを書いている時点ではどの程度影響を受けているのか判断つきかねますけど。

 内容的には、2人の少年を描いた物語です。今いる閉鎖的で日常的な生活からの脱却を望む凹沢と凹伴。凹沢はあまり賢くなく猪突猛進型です。逆に、そのクラスメートの凹伴は沈着冷静型です。

 日常的な平和な状態からの脱却はありえると信じる凹沢と、自分というか1人の人間は無力であり変革はありえないと信じる凹伴。凹沢が猪突猛進でこの閉鎖的な状況から抜け出そうとしているのに対し、冷めた目で状況を判断してしまう凹沢は抜け出せない(自分が無力である)と考えています。

 それゆえ、この村を抜け出し東京へ行こうと決断する凹沢に対し、凹伴は自分が出来なかったことを成そうという凹沢に妬を抱きます。これが、144ページにて描かれる凹伴が凹沢に対し、殴りかかるシーンです。

 ただし、凹沢が村を出てしまい、また火星人騒動が落ち着いた後は、その閉鎖した日常の中で生きることを凹伴は決意します。これは、凹沢がこの凹村から抜け出したことで、人間1人の力であっても決して無力ではないことを知ります。望めば、何でもできるのだと。

 そして、今までとらわれていた自分自身の無力感から脱却します。これが、203ページの凹伴のセリフ、
「それよりも何か…楽しいことしようよ」
に集約されています。今までと違い、より前向きに生きる事の決心の表れのセリフです。

 この「凹村戦争」を読んでいて、凹沢の性格は分かりやすく理解しやすかったです。反面、クラスメートの凹伴は少々ひねくれていてその性格を把握しにくかったです。

 なぜ、凹伴はいつもつまらなさそうにしているのか、なぜ、小説「宇宙戦争」をつまらないと言うのか、なかなか解釈しずらかったです。また、つまらないと言いながら、実は火星人のことも、凹村の外の世界のことも興味を非常に持っていました。

 多分、凹伴がつまらなさそうにしているのは、中途半端に賢いためにある程度先が読め、自分の力の無力さを感じてしまうからなんでしょうね。また、203ページのセリフ、
「泣くなよ 火星人はどのみち病原体で死ぬ運命なんだから…」
というセリフから、小説「宇宙戦争」を読んでいたため、襲来してきた火星人の結末、言うなればこの騒動の終演を知っていたためかもしれません。それゆえ、当初はつまらないと言い続けていたのだと思われます。

 最初に書いた西島大介氏の作品の魅力について、少々考えてみました。まだ、「凹村戦争」と「世界の終わりの魔法使い」しか読んだことがありませんが、以下のようなことを感じました。

 それは、西島大介氏の作品は、決して物語自体を楽しむ作品ではないということです。物語自体、上記の2作品ともこれといった面白さは感じませんでした。西島大介氏の作品の魅力は、読み手がその作品を様々に解釈し、その解釈を楽しめるということにあると思います。

 つまり、物語であったり、登場人物であったり、様々な事柄について読み手が考えることが出来ます。また、様々な解釈ができるように物語のなかに色々なネタが散りばめられています。それらを読みとって、色々と解釈するのが、この作品の楽しみ方のように感じました。

 そのため、今回私が書いた解釈以外にも色々な解釈の仕方があると思います。また、今回私は小説「宇宙戦争」を読まないでレビューを行いましたが、読んだ後に「凹村戦争」を再読すれば、また異なった解釈が導かれるかもしれません。

 そんなわけで、色々な解釈をしたい方、どういう意味なのかじっくりと考えたい方にお奨めしますよ。じっくりと読み解こうとすれば、これ1冊で結構楽しめると思います。

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2005年7月15日(金)
タイトル 大正まろん
著者名 たかまつやよい
巻数 全1巻(BAMBOO COMICS)
出版社 竹書房
発行年 2005年
ジャンル 大正ロマン4コマ
評価 ★★   :大正ロマンものがお好きな方へ。
ストーリー

 ここは大正時代。元気でおてんばな井ノ頭まろんは、嫌がっていたお見合いをすることになった。お見合いをしてみると、相手はなんと幼なじみだった森島大和。すっかり見違えるようになった大和に、まろんは恋をしたのだったが…。

コメント

 先日、久々に牛肉を買いました。ハッシュドビーフの材料として。パッケージには、「個体識別番号」という文字と、複数桁の数字が書かれたシールが貼ってありました。

 そこで、牛の個体識別情報検索サービスというものを早速試してみました。ニュースでこういったものが開始されたという話は聞いていたのですが、実際に自分で試すのは初めてです。

 上記のサービスで調べた結果、私が買った牛肉は、ホルスタインの去勢された雄で、生まれも育ちも北海道だったようです。

 これってすごく良いですね。いつどこで生まれ育ったのかがはっきりと確認できます。また、母牛の個体識別番号も分かるため、その母牛の出生も調べることができます。

 こういったサービスは、牛だけでなく他の食品にまで広がると良いですね。豚や鳥に限らず、野菜などにも。難しいでしょうけど、加工食品などにまで波及すれば非常に良いと思います。

 今までは、消費者はラベルに記載されている産地を信用するしかありませんでした。仮に流通のどこかで産地偽装が行われても確認できる手段はありませんでした。ところが、上記のようなサービスが提供されれば、消費者も気軽に生産履歴を調べることができるようになります。

 こういった生産履歴のデータベースがあるということは、それに伴い産地の偽装などがしにくくなります。そのため、産地偽装の防止予防としての機能も兼ねていると思います。なにせ、これだけ細かいデータがあれば、出荷量と流通から照らし合わせれば偽装が簡単にばれてしまうので、うかつに産地偽装はできなくなりますからね。

 個人的には、牛肉だけでなくもっと他の農産物にも適用して欲しいものです。また、今回の牛肉に関して言えば、牛の写真なんかもあるとなお良かったかもしれません。そこまで求めるのは酷かもしれませんが…。

 ところで、肉ジャガに牛肉(豚肉の場合もありますが)を使いますね。そんなわけで、肉ジャガが登場する、たかまつやよい氏の「大正まろん」を紹介したいと思います。

 このタイトルは、「大正ロマン」を主人公の名前井ノ頭まろんに引っかけて「大正まろん」となっています。「大正ろまん」ではない事に要注意です。

 さて、カバーの折り込みに描かれている著者の紹介を見ますと、たかまつやよい氏はたかまつ氏とやよい氏の2人組のまんが家のようです。2人で1人とは、昔の藤子不二雄氏のようですね。ちなみに、夫婦でない男女のペアとのことです。

 「大正まろん」を読んでみた感想としては、大和和紀氏の「はいからさんが通る」を4コマコメディにしたまんがだと思います。まぁ、「はいからさんが通る」自体がコメディでしたけども。

 まろんの許嫁である森島大和の出兵、まろんの職業婦人など物語の展開も、「はいからさんが通る」をシンプルにして持ってきたという感じです。そのため、はっきりいって新鮮味に欠けましたし、悪く言えば真似しているとしか思えませんでした。

 また、4コマのギャグ自体も、舞台設定が大正時代というだけで、あまりそれをいかしたネタは多くないように感じました。もう一工夫欲しかったです。

 そんなわけで、大正ロマンなまんががお好きな方にお薦めしますよ。ただ、それ以上でもそれ以下でもありませんが…。

 蛇足です。カバー裏には、著者のメイキング4コマが描かれていますので、持っている方は要チェックですよ。

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2005年7月28日(木)
タイトル び−んず石油
著者名 DADADIDI
巻数 全1巻(BAMBOO COMICS)
出版社 竹書房
発行年 2005年
ジャンル 石油スタンド4コマ
評価 ★★   :クスッと笑う部分も一応ありました。
ストーリー

 松永豊は、松永財閥次期党首の一人娘。自立を志し、今は系列の石油スタンドで住み込みで店長をやっている。元々不採算な石油スタンドだったので、あまりお客は来ないのだった…。

コメント

 ひょんなことから、臨時収入がありました。日本の景気が、回復基調にあるとのことなので、それを後押しするべく散財することにしました。

 何に使ったかというと、去年の発売当初から欲しかったニンテンドーDS を買いました。

 現在、ニンテンドーDSのカラーは、プラチナシルバー、ラファイトブラック、ピュアホワイト、ターコイズブルー、キャンディピンクの5色が発売されています。レッドはまだ発売されていません。

 せっかく買うのですから、他の人と異なった色の本体が欲しかったです。そこで、上記にあげたどの色でもないものを買うことにしました。

 それは、ポケパーク限定バージョンのニンテンドーDSです。

 ポケパークは愛知万博に便乗し、名古屋駅近くで開催されています。私の家から自転車で30分ぐらいの距離ですので、天気の良い日に自転車で買いに行きました。初めてポケパーク内に足を踏み入れたのですが、なんか全般的に施設がチープな感じがしました。遊んでいる子供達は楽しそうでしたけど。

 なお、お店にはニンテンドーDSやポケモングッズは売っているものの、ゲームソフト自体はは売っていませんでした。そこで、帰りに大須に寄って「大合奏!バンドブラザーズ」「直感ヒトフデ」を買いました。

 どちらも中毒性の高いゲームで、ちょっとはまっています。しかも、「大合奏!バンドブラザーズ」に飽きたら「直感ヒトフデ」を、「直感ヒトフデ」が飽きたら「大合奏!バンドブラザーズ」をという風に交互に遊んでいるため、これだけで当分楽しめそうです。

 しかし、リズム感の無い私にはなかなか「大合奏!バンドブラザーズ」は難しかったりします。あと、ピクトチャットもやってみました。誰か近くにニンテンドーDSを持っている人がいるかな、などと淡い期待を抱いていたのですが、誰もいませんでした。

 結果、1人ピクトチャットになり、ちょっとむなしかったです。

 そんなわけで、1人で石油スタンドを切り盛りする主人公が登場する、DADADIDI氏の「び−んず石油」を紹介したいと思います。

 結論から言いますと、これは最近多いキャラ系4コマです。そして、キャラ系4コマに多いのですが、あまり面白くなかったです。それでも、今まで「BAMBOO COMICS」はそんなに外れが無かったのですが、今回は少々外してしまったようです。

 なかなかお客が来ない石油スタンドという設定でしたが、これは他の舞台でも使えるギャグばかりでした。つまり、これが喫茶店や本屋、花屋などでも使えてしまえるようなものばかりでした。そのため、あまり目新しさがありません。

 せっかく、石油スタンドという舞台なのですから、もっとこれを活かしたネタが欲しかったです。また、主人公が良いところのお嬢様という設定も、あまり活かしいませんでした。せいぜい、石油スタンドの店長をやることになった経緯で使った程度です。

 どうにも、最近のキャラ系4コマは外すことが多いですね。それでも、「BAMBOO COMICS」や「MANGA TIME COMICS」は、「MANGA TIME KR COMICS」ほど外れが大きくはなかったのですけど。

 最近は「MANGA TIME KR COMICS」を表紙買いすることに臆病になっているのですが、ひょっとすると「BAMBOO COMICS」でもそうなるかもしれません。

 実は、この「ビ−ンズ石油」と一緒に「ほんわかちづる先生」というのも買ったのですが、こちらは大外れでした。どのぐらいの大外れかと言いますと、読み続けるのがつらく、途中で中断してしまったぐらいです。

 なにはともあれ、キャラ系4コマでももう少し安定した内容になって欲しいですね。

 蛇足です。カバー裏には、異なる表紙及び4コマまんがが描かれていますので、持っている方は要チェックです。

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