独断と偏見の
まんがレビュー 2005年5月

2005年5月3日(火)
タイトル ブラインドホール
著者名 柴田昌弘
巻数 全1巻(GAKKEN SPORTS COMICS)
出版社 学習研究社
発行年 2005年
ジャンル ゴルフまんが
評価 ★★   :柴田昌弘氏のスポーツまんがは今いちでした。
ストーリー

 割石耕司は、目が不自由なゴルファー。賭けゴルフの雇われゴルファーをしていた。娘と名乗る高木水絵をキャディにしてからは、その腕前に磨きがかかっていったのだが…。

コメント

 ここ数ヶ月、同居人H氏が使っている電話の調子が良くありませんでした。留守録機能がうまく働かず、電話を受信して留守録モードに切り替わった瞬間になぜかそこで止まってしまいます。そのため、メッセージを録音することができず、留守録としての機能を果たしていませんでした。

 ずっとこんな調子が続いていたので、H氏は電話を買い換えることを検討していました。で、どうせ買い換えるなら留守録だけでなく、FAX機能が付いたものが良いだろと言うことになりました。条件は以下の通りです。
1)留守録機能がついていること。
2)普通紙に印刷できること。
3)できるだけコンパクトであること。
4)コードレスでない受話器がついていること。
5)ハンドコピー機はいらいない。

 ブラザー、キャノン、パナソニック、サンヨー、シャープなどを見比べた結果、ブラザーのFAX-300TAが条件を満たしているということで、これの購入を検討していました。

 が、その後実際にFAXを使っている人から、
「FAXがあるとダイレクトメールならぬダイレクトFAXなどの広告がしょっちゅう送られてきて、非常に鬱陶しいよ」
ということ言われました。

 そこで、受信したFAXをモニターで確認し、その上で印刷するか、削除するか判断できるものの方が良いということが分かりました。大きさは対して変わらないということで、受信したFAXをモニターで確認できるFAX-350CLを購入することになりました。子機は必要ないのですが、子機なしモデルはないのでこの機種になりました。

 受信したFAXをモニターで確認できるということで、普通の時はトレイを設置せず、印刷するときだけトレイを付けるようにしました。モニターで受信したFAXを確認できる強みですね。

 普段はトレイを付けないため、置いていて威圧感がありません。トレイを付けていると結構邪魔ですからね。

 そんなわけで、FAXが常備されているであろうゴルフ場が登場する、柴田昌弘氏の「ブラインドホール」を紹介したいと思います。

 実はこのコミックを読んだとき、なぜ柴田昌弘氏がゴルフまんがを描いたのかと疑問に思いました。というのも、柴田昌弘氏はファンタジーやSFを得意とするまんが家で、スポーツまんがはあまり得意ではないと思っていたからです。

 で、この「ブラインドホール」のコミックに記載されている初出を見て納得がいきました。初出が、学習研究社の週刊パーゴルフ別冊コミックビッグゴルフになっています。このコミックビッグゴルフは、ゴルフまんが誌ということで、多分、
「ゴルフをモチーフにまんがを描いて下さい」
と依頼されたんでしょうね。

 さて、私は柴田昌弘氏がスポーツまんががあまり得意ではないであろうと思ったいたわけですが、その予感は的中しました。一応、ゴルフまんがではありますが、ゴルフがメインというよりも、全盲の割石耕司と、その娘と名乗る高木水絵を中心とした人間ドラマと考える方が正しいです。

 この「ブラインドホール」は、現代劇ではあるのですが、どうにもファンタジーっぽい雰囲気を持っています。悪く言うと、現代を舞台にしたゴルフまんがとしては、リアリティーに欠けるのです。

 例えば、主人公で全盲の割石耕司の描写があげられます。割石耕司の話している時の顔の傾け方や身体と顔の向きが、目の見えない人のそれとは異なるように思われます。

 目が不自由な人の場合、あまり顔を動かさず定位置にて音を聞き分けるといったことをします。そのため、顔だけ音の発する方向へ動かすよりも、身体ごと音の発する方へ動かすため顔と身体が同じ方向を向いているといったことの方が多いです。

 ところが、作中では顔や身体の動かし方などが、目の見える人と同じ様な振る舞いをしています。これは少々おかしいですね。

 また、細かいところでは、高木水絵が12歳の頃に全米ジュニアを制したことがあるという回想シーンも違和感を覚えました。この回想シーンにて高木水絵の服装がワンピースのスカートだったことです。

 仮に12歳の頃としても、本格的に競技を行っている人間のゴルフウェアがスカートということはありえないのではないでしょうか。特にゴルフの場合には、ボールを置いたり、グリーンのラインを読んだりなど、なにかとかがむことが多いのに。

 多分、幼い頃の可憐さを表現するために、このような服装にしたのだと思います。しかし、その分細かい部分ではありますが、ゴルファーとしてのリアリティが欠けてしまったように思えます。

 これらの「目が見えないこと」および「ゴルフの知識」というのは、このまんがでは非常に重要な点になります。しかし、これらの部分が欠けてしまっているため、現代劇としては劣るものになってしまいました。目が不自由であるにも係わらず、普通の人と同じように振る舞えるとしたら、それはもうファンタジーです。

 そのため、この「ブラインドホール」からはファンタジーっぽい雰囲気が抜けず、現代劇としてはリアリティが欠けるものになってしまいました。

 ところで、柴田昌弘氏の作品は、登場する女の子(主人公クラス)は、なにかとお尻を叩かれるという描写が良くあります。この「ブラインドホール」でも、この描写はありました。割石耕司が高木水絵を叱りつける場面、及び、割石耕司に高木水絵がキャディとしてパットのフィーリングを教えるシーンにてです。

 ここら辺はきっと柴田昌弘氏の趣味の描写なんでしょうね。

 そんなわけで、柴田昌弘氏が現代劇を描こうとしたがついついファンタジー色が出てしまった作品を読みたい方にはお薦めします。反面、リアルなゴルフまんがを読みたい方にはあまりお薦めいたしませんよ。

Amazonで「ブラインドホール」を検索

2005年5月13日(金)
タイトル ネコマジン
著者名 鳥山明
巻数 全1巻(ジャンプ・コミックス)
出版社 集英社
発行年 2005年
ジャンル ドラゴンボールパロディまんが
評価 ★★   :「DRAGON BALL」が好きな方へ。
ストーリー

 ネコマジンとは魔法も使えるちょっと変わったネコの一種で、喋って、話せて、二足歩行をし、そして戦い好きであった。世界中にいは数少ないながらも複数ネコマジンが存在した。そんな様々なネコマジンの騒動を描いた読切作品集。

コメント

 ゆうパックが私宛に届きました。中身を取り出し、ゆうパックの袋を捨てようとしたときです。ふと、迷ってしまいました。何を迷ったかと言いますと、ゆうパックの袋の分別についてです。

 ゴミを捨てる際に、その素材によって分別します。例えば、容器包装などは「紙」「プラ」「アルミ」「紙パック」などと書かれていますね。分別時には、それら従えばよいわけです。

 しかるに、このゆうパックの袋には「紙」と「プラ」の両方が記されていました。袋自体は、耐水性を増すために紙にプラスチックをコーティングしたような作りになっています。

 この手のことに詳しい同居人H氏に聞いてみました。私が住んでいる名古屋市の場合には、両方記載されている場合には、そのどちらに分別しても良いとのことでした。ので、とりあえず今回は、紙製容器包装で捨てることにしました。

 にしても、今回のように2つの表記がされている場合には、迷ってしまいますね。名古屋市の場合は、どちらでも良かったとのことですが、市町村によっては優先順位などがあり、対応の仕方が異なるかもしれません。

 そんなわけで、分別せずにタイヤキの袋をポイ捨てするシーンが登場する、鳥山明氏の「ネコマジン」を紹介したいと思います。

 さて、コミックの奥付を見ますと、「ネコマジン 完全版」となっていますが、今までこの「ネコマジン」のコミックが発売されたことはなかったはずです。最初から完全版が発売されたということになりますね。

 なお、完全版と銘打っているだけあって、現在発売されている「DRAGON BALL」の完全版と同じ作りになっています。本のサイズはA5で、カラー部分も再現されています。

 ただ、カラーページは少々変則的に収録されています。というのも、本編では各々の話の表紙しかカラーページは存在しませんでした。このコミックでは、これらのページはモノクロで収録されています。

 その代わり、巻頭に別途表紙だけを集めたカラーページ群があります。これをもってして、カラー部分も再現しているのだと思います。多分印刷の関係でこのような仕様になったんでしょうね。

 さて、中身を見ていきたいと思います。ネコマジンの性格としては、魔人ブウに似通ったところがあります。非常に個人的な見解ですが、鳥山明氏自身が魔人ブウを好きで、それと似たようなキャラを動かしてみたかったのではないでしょうか。どちらも、「魔人」と「マジン」で名前も重なっていますし。

 前半に収録されている「ネコマジンがいる」「ネコマジンがいる2」「ネコマジンみけ」は、世界観が「Dr.スランプ アラレちゃん」や「DRAGON BALL」と似通っているながらも、オリジナルにしようとしていた努力の跡が見られます。

 しかし、人気がなかったのか、はたまた開き直ったのか後半に収録されている「ネコマジンZ」シリーズでは「DRAGON BALL」のパロディになり、かつその話数が進むほどその度合いが強くなっていきます。

 実際、「ネコマジンZ3」からはベジータ、魔人ブウ、悟空などの「DRAGON BALL」のメインキャラクターが登場しています。こういったキャラクターを自由に登場させることができるのは、筆者の特権ですね。

 「DRAGON BALL」を知っていてそのパロディとして読む分にはそれなりに楽しめますが、単体で見るとあまり面白くないと思います。作品としても、オリジナルにしようとした「ネコマジンがいる」シリーズよりも、パロディの「ネコマジンZ」シリーズの方が面白いのです。もちろん、これは「ネコマジンZ」シリーズ自体の魅力と言うよりも、「DRAGON BALL」の魅力におんぶにだっこなわけなのですが…。

 ギャグもありきたりなものばかりで、古いタイプのオチばかりです。鳥山明氏もそれを承知で使っている様子が見られます。実際、コミックの191ページの最終話の最後のコマでは、
「…あれって昭和時代のオチだよな………」
というセリフを登場人物に言わせています。これは、単にこの最終話のオチの事だけでなく、この「ネコマジン」を始め、著者自身が現在作ることの出来るギャグの限界を自嘲しているように思えます。

 はたまた、過去の自身の大ヒット作である「Dr.スランプ アラレちゃん」や「DRAGON BALL」から抜け出せない自分を揶揄しているのかもしれません。少々、深読みしすぎかもしれませんけどね。

 そんなわけで、「DRAGON BALL」が好きだった方、また「DRAGON BALL」のキャラクターに会いたい方、などにお薦めしますよ。反面、「DRAGON BALL」を知らない方にはお薦めできません。

Amazonで「ネコマジン」を検索

2005年5月19日(木)
タイトル M.I.Q.
著者名 マスヤマコム、浅井信悟、冨田かおり
巻数 全3巻(講談社コミックス)
出版社 講談社
発行年 2004〜2005年
ジャンル 株取引まんが
評価 ★★   :株取引まんががお好きな方へ。
ストーリー

 世の中のルールが変わった。そんな言葉を元に、黒場新太は今の世のお金の仕組みと、株取引を行うことにより勝ち組になる事を説明し始めた。疑心を抱きながらも、三浦アキラ、八木モトヒコ、小田ナオコらは彼の説明を聞くのだが…。

コメント

 「映画鑑賞は、トイレとの戦いである。」

 いきなり何を書いているのだろうと思った方は、多いかと思います。映画というのは、大体2時間前後の作品が多いのですが、私のようにトイレが近い人間はこの2時間というのが結構耐え難い時間だったりします。

 特に物語のクライマックスに最もトイレに行きたくなります。かといって、トイレに行ってしまうとその部分を見逃してしまうことになります。そこで、何回も足を組み替え、自分自身をごまかしながら、最後のスタッフロールが終わるまで我慢しています。

 私は普段から、珈琲やお茶など良く水分を摂取しています。そのせいか、他の人よりも頻繁にトイレに行くことが多いようです。仕事をしているときなども、軽い気分転換を兼ねながら1時間毎にトイレに行っている有様です。

 で、先日「ハウルの動く城」を見てきました。やはり2時間ぐらいの作品だったので、以下のような対策をとることにしました。
1)放映開始直前に最後のトイレに行く。
2)なるべく事前に水分をとらない。
3)水分をとるときは、利尿作用のあるもの(珈琲等)を出来る限り避ける。
幸い今回は上記の対策が功を奏したのか、そんなに我慢しなくても耐えることができました。

 個人的には、映画を前後編とに分けて休憩時間をいれて欲しいですね。そしたら、その間にトイレに行くことができ、後半部分も落ち着いて鑑賞できるのですけど。ここまでトイレが近い人はそんなに多くはないでしょうから、無理な注文かもしれませんけどね。

 さて、映画鑑賞はトイレとの戦いですが、株取引は株価との戦いですね。そんなわけで、株取引をモチーフにしたマスヤマコム氏、浅井信悟氏、冨田かおり氏の「M.I.Q.」を紹介したいと思います。

 この「M.I.Q.」の全般的な内容としては、嘘ではないけど本当でもない、と言ったところでしょうか。物語の展開のために、事実の片側だけしか説明していない部分が多いです。

 物語の流れとしては、以前紹介した「マネーメーカー」とほぼ一緒です。
1)株を知らない主人公が株取引を始める。
2)師事している人と戦い、成長していく。
3)株取引から路線が外れ、なぜか経営の話になる。
4)経営がうまくいき、ハッピーエンド。

 確かに株取引と経営的な観点はつながりやすいですが、あくまでもテクニカルを重視した株取引まんがに徹して欲しかったです。株取引については、「マネーメーカー」はファンダメンタル重視で、この「M.I.Q.」はテクニカル重視といったところに違いがあります。

 個人的には、株価の移動平均線の説明があるにもかかわらず、これを使ったゴールデンクロス、デッドクロスの説明が無かったのが不思議でした。基本中の基本だと思うのですが。

 あと、間違いを1つだけ指摘しておきます。第1巻196〜198ページのダイレクトアクセスについて、著者は認識違いをしています。一般的な個人レベルでの注文は、
 個人 → 証券会社 → 取引所
という形になり、間に証券会社が介在します。昔は電話などを使っていたのが、今はインターネットになったというだけでこの流れは変わっていません。もし、ダイレクトアクセスになったというのであれば、以下のような形態でないといけません。
 個人 → 取引所

 また、リアルタイムで株価が見られると記載されていますが、必ず証券会社のコンピュータを経由することになるので、ごくわずかですが遅延が生じています。そのため、厳密にはリアルタイムではありません。

 ですので、現在のオンライントレードがダイレクトアクセスであるというのは認識違いであり、ごくわずかですが遅延が生じています。実際、証券会社のコンピュータがダウンした場合には、取引ができなくなりますから。

 そんなわけで、ある程度株取引をやっている人間からすると結構ツッコミどころが満載ですが、間違ったことはそんなに描かれていないので、株取引をされている方は色々と内容にツッコミなら読んでみても面白いかと思います。

 また、株取引に興味を持たれている方は、とりあえず入門編として読まれても良いかと思います。ただし、テクニカル重視に偏っていますので、ファンダメンタル重視の「マネーメーカー」も併せて読むことをお薦めしますよ。

 蛇足です。「M.I.Q.」「マネーメーカー」の両方を読んでも、株取引の入門編としては足りないので、実際に株取引を行おうと考えている方はその手の入門書なども読まれることをお薦めしますよ。最近では、本屋さんに色々と山積みされていると思いますので。

 個人的には「インターネットトレーディングゲーム」という本がお薦めです。ページを増やすための余分な文章がなく、簡潔に色々と説明してあるので非常に読みやすかったです。ただ、ちょっと古い本なので参考サイトなどの一部がすでに閉鎖や変更されていたりするのが難点ですけど。

Amazonで「M.I.Q.」を検索

目次へ