独断と偏見の
まんがレビュー 2004年3月

2004年3月1日(月)
タイトル ぼくは、おんなのこ
著者名 志村貴子
巻数 全1巻(BEAM COMIX)
出版社 エンターブレイン
発行年 2004年
ジャンル 短編集
評価 ★★★  :淡々と描かれています。
ストーリー

 司は、自分が男の子の身体から女の子の身体になっている夢を見た。目覚めてみると、それは現実であった。しかも、自分だけではなく全世界の人間が、女の人は男の人へ、男の人は女の人へ変化してしまったという…。他にも短編を7本収録。

コメント

 「N響」ってご存じでしょうか。これは、「NHK交響楽団」の略でして、日本でも有数の交響楽団です。音楽関係に疎い私でも知っている常識です。NHKのBS放送では、よく深夜にN響の演奏会が放送されていますね。

 一応、「N響」は「NHK交響楽団」の略だとは思っていましたが、確信はありませんでした。そこで、私よりは音楽関係に詳しい同居人H氏に、何の略称か念のため聞いてみました。すると、
「名古屋交響楽団」
という答えが返ってきました。最初は冗談かと思っていたのですが、どうやら本気のようです。

 H氏の回答でいきなり肩すかしを食った私は、インターネットで調べることにしました。やはり「NHK交響楽団」で正しかったです。そして、その事をH氏にも教えてあげました。
「そうなんだっ!」
と驚いていました。

 それにしても、「N」というイニシャルから「名古屋」を連想する当たりが、H氏が生粋の名古屋人たる所以ですね。そのうち、
「日本の首都は名古屋だがね。」
とか言い出すかもしれません。

 さて、N響と言えば音楽ですね。音楽と言えば、学校では音楽の授業がありますね。そんな学校のシーンが登場する、志村貴子氏の「ぼくは、おんなのこ」を紹介したいと思います。

 この「ぼくは、おんなのこ」ですが、さすがにコミックのタイトルに付いているだけあって、収録されている短編集の中では一番楽しめる作品でした。全世界的に、オンナとオトコの身体が入れ替わってしまう、という着眼点がユニークです。単に、主人公の身体だけが入れ替わるのなら、古今東西色々ありましたけど。

 「ぼくは、おんなのこ」は1話読み切りですが、個人的にもっと物語を展開させ、話を続けて欲しかったです。1話だけで終わるには、もったいないような気がします。かといって、このテーマで長期連載も難しいでしょうから、コミック1冊分ぐらい物語を続けて欲しかったですね。

 このコミック「ぼくは、おんなのこ」に収録されている他の作品は、日常の中のありふれた行為における、ちょっとした心理描写を取り扱っています。着眼点としては、2つのテーマがあります。1つは目は「死」であり、2つ目は「違和感」です。

 「死」に着目した作品は、「アケミのテーマ」シリーズです。これはとある人の死に対する、異なる人の反応を描いています。

 「違和感」のテーマは、「楽園に行こう」「少年の狼」「花」が該当すると思います。主人公が抱えている疎外感、劣等感などの、その立場上の違和感に対し、どう感じて、どのように行動したかが描かれています。「少年の狼」では「死」と「違和感」の両方のテーマが当てはまりますが、どちらかというと違和感の方に分類されると思います。

 なお、「sweet16」に関しては、どちらにも該当しない作品ですね。

 そんなわけで、志村貴子氏のファンの方は是非読んでおきたいコミックではないでしょうか。また、自分と他人の違和感を感じている方にも、お勧めしますよ。一部、共感できるような部分もあるのではないでしょうか。

 蛇足です。志村貴子氏の他の作品も読みたいと思っているけど、なかなかそこまで手が回らないのが現状です。いまだに未読のコミックが何冊かあるので…。

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2004年3月3日(水)
タイトル はるなちゃん参上!
著者名 秋吉由美子
巻数 1〜6巻(MANGA TIME COMICS)
出版社 芳文社
発行年 1997年〜
ジャンル ドタバタ学園4コマまんが
評価 ★★   :悪い意味で、ワンパターン
ストーリー

 安藤春菜は、いつも明るく元気でおバカな高校生。学校ではいつも問題を起こしている。そんな春菜がおりなす、ドタバタ学園4コマまんが。

コメント

 ふと、特定のお菓子を食べたくなる時ってありませんか。理由は分からないですけど、なぜだか体が無性に欲しがっているような。それは、駄菓子だったり、和菓子だったり、洋菓子だったり、その時々によって内容は違いますけど。

 そんな状態に私も陥りました。そして、今回私が欲したものは、ポッキーでした。

 実は、自分でポッキーを買うのは10年以上ぶりです。私は、あまり自分で駄菓子を買うことはありません。また、買う場合も、チョコレート関係か、ビスケット(チョコチップもしくはチョココーティングされているもの)の場合がほとんどです。そのため、チョコがコーティングされていながらも、ポッキーは私の選択肢から除外されていました。

 でも、今回は無性にポッキー食べたくなり、近所のとあるスーパーで買ってきました。そして、家に戻ると早々にお茶を点てました。厳密に言うと、お茶ではなく珈琲ですけどね。ブラック珈琲と、ほどよく甘いポッキーは合いますね。一本一本上品に食べるはずが、ついついボリボリとむさぼるように食べてしまいました。

 そういえば、ポッキーをスーパーで買うときに棚を見回したのですが、今は様々な種類のポッキーがあるんですね。今回は、オーソドックスなポッキーチョコレートを選びましたが、次回はムースポッキーやらポッキーデコレ、ポッキーGなども試してみようかと思います。

 そんなわけでお菓子を食べているシーンが登場する、秋吉由美子氏の「はるなちゃん参上!」を紹介したいと思います。

 いきなりですが、あまりお勧めできる作品ではありません。というのも、全般的にワンパターンなネタばかりだからです。内容的に重なっているものはないのですが、どれを読んでも同じような感じがします。悪い意味でワンパターンであり、ずっと読み続けるのがつらいです。

 秋吉由美子氏の他の作品、「OLぴんのみおピン」や「うちの母親待ったなし」でも同様のノリが続きます。そのため、飽きが来るのが早いのではないでしょうか。

 4コマまんが自身は、きっちりと起承転結を守っている、いわば古いタイプです。この事については特に問題はありません。が、肝心のネタ自信がその場しのぎのものばかりで、薄っぺらく感じてしまいます。ここら辺も、ワンパターンと感じる一因かもしれません。絵的には、4コマまんがに向いている絵だとは思うのですが…。

 ということで、特定のファン以外にはあまりお勧めできない作品です。

 蛇足です。最近は秋吉由美子氏のコミックを買っていません。そのため、その後作風に変化が生じたかどうかは定かでありません。そのうち、試しに1冊ほど買ってみようかと思います。

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2004年3月5日(金)
タイトル 不幸を呼ぶ男
著者名 碧ゆかこ
巻数 全2巻(PRINCESS COMICS)
出版社 秋田書店
発行年 1994年
ジャンル 守護霊ラブストーリー
評価 ★★★  :肩の力を抜いて読むのに向いています。
ストーリー

 秋本藍は、とても不運な高校生。生まれてからずっと不運に見回れている。そんなある日、二十歳ぐらいの女性の生き霊にまとわりつかれる事になったのだが…。

コメント

 インターネット上のIQテストなるものをやってみました。6種類の問題があったのですが、3つ受けた段階で疲れて止めてしまいました。その受けた3つの結果は、以下の通りでした。
1)86点 126.86
2)84点 125.12
3)70点 124.96

 平均で、大体125というところでしょうか。ただ、IQテストというのは同じ回答結果でも、年齢によって判断されるIQが異なるような気がしました。このインターネット上で行われるIQテストは、あくまでもゲーム感覚で、ということなんでしょう。

 これらの判定結果としては、
「大変高い知能指数ということとなります。どんな環境、事態にも的確な行動が期待されます」
と書かれてありました。ちょっと嬉しいですね。ちなみに、結果が悪かったら、
「所詮IQテストなんか関係ない。そもそもこのテストは、ちゃんとしたものではないし、私の能力はIQテストなどでは計れない」
などと言っていそうな気もします。

 なにはともあれ、暇つぶしにでもやってみたらいかがでしょう。結構面白かったですよ。

 さて、テストと言えば、やはり学生ですね。学生と言えば、高校生です。ということで、高校生が主人公の、碧ゆかこ氏の「不幸を呼ぶ男」を紹介したいと思います。

 この「不幸を呼ぶ男」ですが、主要な登場人物は4人います。これらの4人はきっちりと描かれているのですが、それ以外に登場した人物はその場限りの描写がほとんどです。そのため、読み終わった後メインの4人以外は、はっきりと思い出せないほどでした。

 絵は綺麗で、安定しています。巻数が少ないせいもありますが、最初と最後で絵が変化するということはありません。反面、一部の絵の考証については疑問が残る場所もあります。

 主人公に取り憑いていた幽霊ですが、昭和30年前後に亡くなったという設定です。しかし、主人公のお婆さんが持っていた写真や、実際に姿を現した時の服装や髪形は、明らかに現代風でした。とても、昭和30年代の服装とは思えません。

 このまんがにおいて、こういった考証は重要ではないので、さらっと流した方が良いのかもしれませんが、ちょっと気になりますね。実際に生きている時からこのスタイルだったとすると、周りからかなり奇異な目で見られていたのではないでしょうか。

 また、ヒロイン役の今日子は運は非常に強いので、主人公の藍に取り憑いて守る必要がなくなった、と言って幽霊は最後に去っていきます。しかし、両親が亡くなり、その遺産目当てに叔父に殺されかけるという状態に陥るのでは、あまり運が強いとは思えません。ちょっと無理があるような気がしますが、どうでしょう。

 全般的に気軽に読むことができますので、気分転換などに読まれると良いと思います。また霊とかの話が出てきますが全然恐くはありませんので、そういうのが苦手な人でも大丈夫ですよ。

 蛇足です。私は全然霊感が無いのですが、みなさんはどうでしょうか。ひょっとしたら気付かないだけで、私にも守護霊が憑いているのかもしれませんね。個人的に、私は運は悪くない方だと思いますので。

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2004年3月8日(月)
タイトル ナゾナゾ謎のお友達
著者名 森下裕美
巻数 全1巻(ガッタコミックス)
出版社 小学館
発行年 2001年
ジャンル お化けと家族の団らん物語
評価 ★★★  :仮面の森下裕美氏ワールドを読むことができます。
ストーリー

 3人家族の上高地家は、自然が豊富な家に引っ越してきた。ところがここには、バケモノのナメちゃんとコロちゃんがいた。彼らは、上高地家に居候することになったのだが…。

コメント

 私が加入しているプロバイダが、メールのシステムを変更すると通達してきました。それは、セキュリティを上げるため、「POP before SMTP」を導入するということでした。

 「POP before SMTP」に関しては、すでにご存じの方も多いと思いますが、知らない方のために簡単に説明を行いたいと思います。この「POP before SMTP」というのは、いわばメールを送信する前に受信を行う、というものです。

 では、なぜメールを送信する前に受信すると良いのでしょうか? 実は、現在一般的に使われているメールにおいて、受信ではユーザ認証が行われていますが、送信においてはユーザ認証が行われていません。そのため、誰でも他人になりすましてメールを送ることができるのです。

 これは、現実の郵便でも同じですね。自分以外の名前を差出人に記載し、投函することと似ています。

 そこで、何とか送信する際にもユーザ認証ができるようにしたいと考えました。しかし、いきなり送信する時にユーザ認証を行うようにしても、ユーザが使っているメールソフトが対応していなければ、絵に描いた餅になってしまいます。そこで、出来る限りユーザの使っているメールソフトを変更させず、送信時に認証を行う必要があるわけです。

 そのため、元々機能を持っていた受信側で、ユーザ認証を行うことにしました。その後、認証した後の一定時間内であれば送信を可能とし、そうでなければ送信させない、という風にしたわけです。つまり、受信のためにユーザ認証をした直後であれば、同じ人が送信している可能性が高い、というわけです。

 ただ、この方法にも欠点があります。それは、認証を終えた後の一定時間以内であれば、ユーザ本人でなくてもやはり送信が可能となってしまいます。極端な話、ユーザが常時接続環境で、1分ごとにメールのチェックを行っている場合には、ほとんど意味がなくなってしまいます。この場合、どの時間でも外部からメール送信が可能となるため、「POP before SMTP」を導入してもしなくても、ほとんど変わらない状態となってしまっているからです。

 やはり、送信する際にユーザ認証を行える状態が理想だと思います。ですので、こういった事に気を使うなら、敷居は高くても「POP before SMTP」ではなく「SMTP認証」のみで送信可能とするのが理想ですね。素人考えですけど。

 ということで、メールをしたくてパソコンを購入したけど、難しくて扱いきれない人物が登場する、森下裕美氏の「ナゾナゾ謎のお友達」を紹介したいと思います。

 本屋さんでこのコミックを見かけたときは、タイトルに「ナゾナゾ」とあるので、ナゾナゾ関係のまんがなのかと思いました。でも、ナゾナゾをしているシーンは1つも登場しません。単に語呂で「ナゾナゾ」と付けたみたいです。

 内容は、子供向けの比較的健全なまんがです。どちらかというと、大人向けに毒のある4コマまんがを描くことの多い森下裕美氏にしては、珍しいことですね。子供向けということもあってか、大人向けにあった毒の部分はほとんどありません。ただし、相変わらず個性的で濃いキャラクターは色々と登場しています。

 ほのぼの感というのはありませんが、活発で明るい雰囲気の仕上がりになっています。森下裕美氏の違う一面を見た感じがします。ただ、普段のちょっと毒のある4コマまんがを知っているので、本性を隠し仮面をかぶった状態のまんがであるような気がしないこともないですけど。

 そんなわけで、森下裕美氏の違う一面(仮面?)を見たい方や、ファンの方はとりあえず押さえていた方が良いでしょう。

 蛇足です。カバー裏に、
「森下ワールドの決定版」
と記載されていますが、それはちょっと言い過ぎではないでしょうか。森下裕美氏の本来のテイストが活かされた内容ではありませんので…。

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2004年3月10日(水)
タイトル メガMEGAみ−な
著者名 島本ららら和彦
巻数 全1巻(ASCII COMIX)
出版社 アスキー
発行年 1996年
ジャンル 宇宙SFファンタジーコメディー
評価 ★★   :可もなく不可もなく。
ストーリー

 みーなは普通の高校生。と思っていたら、実は地球人とメガ星人の混血で、ピンチになるとスーパーヒロインに変身してしまう。メガ星人の宿敵であるギガ星人が、みーなに次々と襲いかかるのだったが…。

コメント

 確定申告に行って来ました。例年は、ちょっと早めの2月のうちに行っていました。が、今年は色々と用事が多かったため、確定申告を行うのが3月にずれ込んでしまいました。すでに、何回か確定申告を自分でした経験があり、今回は特に大幅な申告形式の変更はなかったため、特に問題なく申告書を作成できました。それを提出するために、いつものごとく自転車で税務署まで出かけました。

 行ってみてびっくり。すっごく混んでいました。上述の通り、いつも2月中に行っていたため、比較的空いている状態しか知りませんでした。3月のこの締め切り間際になると、これだけ混むんですね。確定申告専用に建てられたプレハブの建物の中には人がいっぱいで、熱気に溢れていました。また、扉の外まで自分の番を待っている人がずっと並んでいる状態でした。

 相談員もマンツーマンの形で申告の指導をしており、1人1人の対応も時間がかかりそうな状態でした。私の場合は特に相談することもなかったので、すでに記載済みの書類一式を携え、専用窓口で提出したのでした。結局、私の場合には提出まで5分で済みました。

 それにしても、締め切り間際がこんなに混むとは思いませんでした。私の場合はそんなに影響を受けませんでしたが、来年からはもっと空いている2月中に行きたいと思います。

 なお、書類を郵送するという手もあるのですが、これはわずかながらも郵送費がかかるので行いません。自転車で行ける距離に税務署がありますしね。また、国税電子申告を使うという手もありますが、こういう実績のないシステムをすぐに使うほど私は勇気はありません。きっと、来年も書類を片手に自転車で税務署まで行くことでしょう。

 そんなわけで、まだまだ確定申告には関係ない高校生が登場する、島本ららら和彦氏の「メガMEGAみ−な」を紹介したいと思います。

 さて、著者名のところで、あれっと思われた方も多いでしょう。ご存じの方もいるかと思いますが、これは島本和彦氏が周知の事実の状態でペンネームを変えて連載した作品です。実際に、奥付にも島本ららら和彦氏と記載されています。

 とりあえず、かわいい女の子を主人公にして、いつもと違った作品を作ろうとしたのではないでしょうか。いつもと異なる作品にすることを意識してか、物語の最初の方は、絵のタッチをわざと変えようとしています。特に、アクションシーンなどでは効果の描き方が異なり、ポップでライトな感じにしてあります。

 あとがきでも、「メガMEGAみ−な」を描くきっかけとして、
「もーグアーッてマンガは しばらくちょっと…」
と描かれています。

 しかし、島本和彦氏の熱い魂を隠すのは難しいのでしょう。回が進むごとに本性が出てきて、いつもの熱い描写に戻ってしまっています。結局、「グアーッてマンガ」になってしまいました。コミックをお持ちの方は、最初の回と最後の回を見比べると、その違いが分かると思いますよ。

 この作品は残念ながら、掲載誌休刊により連載も終了してしまいました。だからといって、物語に不自然な感じがするということはありません。個人的には、このぐらいのボリュームでちょうど良く、だらだらと連載を続ける作品ではないと思いました。

 そんなわけで、軽く読むにはちょうど良いボリュームなので、気軽に読まれると良いと思います。島本和彦氏が竹本泉氏っぽいほのぼのとしてちょっと変なまんがを描こうとしたが、結局いつもの熱い路線に戻ってしまったそんな作品です。ですので、島本和彦氏のファンの方は押さえておいた方が良いでしょう。

 蛇足です。島本ららら和彦氏のペンネームで描かれた作品ですが、寺島令子氏の「墜落日誌」第2巻において収録されています。寺島令子氏が原稿を落としたときに、「墜落日誌」っぽい感じのものを穴埋めとして描いたものです。ただ、「墜落日誌」のコミックが部屋のどこにおいてあるのか分からず、今回確認できませんでした。私の記憶が間違ってなければ、という条件付きの情報です。そのうち発掘したら、このまんがフリーク上でフォローしたいと思います。

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2004年3月12日(金)
タイトル 喪黒福次郎の仕事
著者名 藤子不二雄A
巻数 全1巻(ビンゴ・コミックス)
出版社 文藝春秋
発行年 2000年
ジャンル 人生の落とし穴救済まんが
評価 ★★★  :「笑ゥせぇるすまん」が好きだった方に。
ストーリー

 喪黒福次郎は、あの笑ゥせぇるすまんの弟である。ただ、笑ゥせぇるすまんとは違い、人生の落とし穴から救うことを信条としている。今日も、喪黒福次郎は人生の落とし穴に落ちそうな人を助けるのであった…。

コメント

 最近、メールやweb サイトなどを読んでいると、「こんばんわ」という表記に出くわすことが多くなりました。仕事の関係で、結構年配の方からもメールを頂くのですが、そのメールにもなぜか「こんばんわ」とか「こんにちわ」とか書かれています。これらは、正しくは「こんばんは」や「こんにちは」になります。小学生の時に習いましたよね。

 文字を書く際に、言葉の読み通りにキーを打っているため、こういった現象が起きてしまっているのだと思います。私宛に送られてくるものはこれでも構わないんですが、他の人とかにメールを送るときはちょっと恥ずかしいことになってしまいますね。ただ、私よりもはるかに年上の方なので、注意した方が良いのかどうか難しいところです。やんわりとその人に気付かせることが出来たら良いんですが…。

 もちろん、言葉は生き物です。その時勢により変化していくものです。そのため、世の中の皆が皆「こんばんわ」と表記するようになれば、これが主流となり正しいものになってしまいます。逆に「こんばんは」は古い表記方法になってしまうかもしれません。

 また、「ホームページ」という言い方もそうですね。これは本来、自分が使っているweb ブラウザが一番最初に表示するページを意味していました。しかし、今ではインターネット上で公開されたhtmlのページ全てを「ホームページ」と言うようになりました。

 個人的には、後者の意味で「ホームページ」と呼ばないように心がけています。しかし、初心者に説明する際には、不本意ながらも分かりやすいように「ホームページ」と呼んでいます。ここら辺が難しいところですね。

 そんなわけで、最初に読者に向かって「こんにちは!」、と挨拶している主人公が登場する、藤子不二雄A氏の「喪黒福次郎の仕事」を紹介したいと思います。

 この「こんにちは!」ですが、背景が夜なのに「こんにちは!」となっています。夜なのだから、「こんばんは!」ではないのでしょうか。もちろん一部業界では、どの時間帯でも「おはようございます!」の場合もあるようですけど。

 「喪黒福次郎の仕事」は、喪黒福次郎が主人公です。そして、喪黒福次郎は、あの「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造の弟です。というと、大体どんな感じのまんがか想像付くと思います。ただし、喪黒福造は一切登場しません。

 全般的に、人生の落とし穴について皮肉っているような作品です。ただ、「笑ゥせぇるすまん」に比べて皮肉度はちょっと低いですね。「笑ゥせぇるすまん」が、登場する人物を人生の奈落に突き落とすのに対し、こちらは救おうとしているからかもしれません。

 全12話の中、1〜11話に関しては特に異論はありません。若干の皮肉あり、一応のハッピーエンドあり、とそれなりに納得できます。

 しかし、12話の「グルメな転職」だけは納得できません。物語の主人公は、ちょっと料理のうまい売れないまんが家です。そのまんが家が唯一連載している雑誌が休刊になり、路頭に迷うことになります。

 その時、そのまんが家の料理の腕を金持ちの老人に見込まれ、その老人専用の料理人になることでハッピーエンドという結末です。でも、本当にハッピーエンドなんでしょうか?

 物語の前半で、まんが家の部屋の中に手塚治虫氏のポートレートが飾ってあるという描写があります。このことから手塚治虫氏に憧れ、手塚治虫氏を目指しているように受け取れます。ということは、手塚治虫氏を目指して売れないとはいえでもまんが家になったのに、生活のためにその夢を投げ出すのがハッピーエンドなのでしょうか。ここのところに、疑問を感じたわけです。

 それとも、それ自身が皮肉になっているのかもしれませんね。必ずしも人生は夢通りには運ばない、という皮肉になっているのかもしれません。でも、そこまで考えるのはちょっと深読みしすぎのような気がします。

 そんなわけで、「笑ゥせぇるすまん」が好きだった方にはお勧めしますよ。逆に、藤子不二雄Aの暗いテイストのまんがが好きではない、という人にはお勧めできません。ある意味、大人向けの通好みのまんがかもしれませんね。

 蛇足です。全12話の中に「麻雀」と「ゴルフ」と「グルメ」に関するエピソードが何回も登場します。きっとこれは、藤子不二雄A氏の趣味なんでしょうね。

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2004年3月15日(月)
タイトル ハイパーあんな
著者名 近藤るるる
巻数 全3巻(ASCII COMIX)
出版社 アスキー
発行年 1994〜1995年
ジャンル 学園コメディー格闘編
評価 ★★★  :格闘技が好きな方へ。
ストーリー

 高槻杏菜は、関西から引っ越してきた。転校先で仲良くなった光恵に、自分が格闘技の達人ということを隠そうとしていたが、ばれてしまう。実は、高槻家は格闘技の達人一家であった。そんな杏菜の前に様々な格闘家が現れるのであったが…。

コメント

 先日、色々なストリーミング放送を探していたら、「朱の路」というクレイアニメを見つけました。

 早速、視聴してみました。
「すごい!」
の一言です。ただ、公開された日を見ると結構古いので、すでにご存じの方も多いかもしれませんね。

 具体的な内容については中身を見ていただくとして、描写の大部分を占める「牛車にピアノ」という発想がすごいですね。普通、牛車とピアノを組み合わせるなんて想像付きませんよね。また、絵的に妙にマッチしているのも良いですね。

 なお、早速気に入った私は、同居人H氏にも見せることにしました。同居人H氏のMacにはまだRealPlayerが入っていなかったので、わざわざインストールしました。しかし、仕事で疲れていたのか、どうやらあまり興味なさそうでした。残念。

 ということで、本編ではなく読み切りおまけまんがに牛(厳密にはヤク)が登場する、近藤るるる氏の「ハイパーあんな」を紹介したいと思います。

 この「ハイパーあんな」には、様々な格闘技が登場します。私は格闘技に関してはあまり詳しくはありませんが、多種多様な技が登場するのが見てとれます。中には、現実には存在しないゲームの技も登場しています。

 初期の頃の作品だけあって、第1話と最終話の絵にギャップがあります。この手のまんがではありがちですが、最初に登場してきたときに比べてキャラの身長が低くなり、かつ頭身も少なくなっていきます。

 絵的に、気になった箇所が1つだけあります。それは、第1巻の115ページの一番最初のコマです。このこまでは、霞が杏奈の目を狙うシーンが描かれています。このシーンの描かれ方ですが、他のコマに比べて線が細く、洗練され、かつスピード感に溢れています。こういった描き方は、ここでしか見られませんでした。個人的には、気に入っている絵なのでもっとこういう描写があっても良いと思うのですが、どうでしょう。

 あと、考証側として気になった箇所があります。光恵の家が大金持ちだとばれて、学校の帰りに杏菜と瑠璃にたかられるシーンが登場します。でも食べているものは、どう見てもファーストフードなので、食べ終わってから支払いを請求しても遅いような気がするのですけど、どうなんでしょう。ひょっとしたら、ファミレスかなんかで後払いなのかもしれませんね。

 全般的に、ドタバタ感がなかなか楽しいです。毒にも薬にもなりませんが、格闘技が好きな方や、ドタバタ学園コメディーが好きな方にはお勧めしますよ。

 蛇足です。この物語の続きとして、「新ハイパーあんな」というのも存在します。「ハイパーあんな」が気に入った方はこちらもどうぞ。

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2004年3月17日(水)
タイトル 巨人のイタチョコの星のシステム
著者名 ラショウ
巻数 全1巻(MacFan BOOKS)
出版社 毎日コミュニケーションズ
発行年 1999年
ジャンル イタチョコエッセー
評価 ★★★  :古くからのMacファンは必須!
ストーリー

 Mac ユーザにはおなじみのイタチョコシステム。そのイタチョコシステムの盛衰を描いたエッセー&4コマまんが。

コメント

 「イタチョコシステム」というのをご存じでしょうか。もし、これを読まれている方が古くからのMac ユーザでしたら、ピンと来る方も多いでしょう。

 このイタチョコシステムのweb サイトですが、金銭的都合により一時期閉鎖されていました。しかし、最近になってどうやら復活したようです。ただ、料金滞納している間に"itachoco.com"のドメインは他の人間に取られてしまったようです。過去にブックマークしていた方は要注意です。

 このイタチョコシステムですが、とてもユニークなゲームを出すことで知られていました。過去に、同居人H氏のMac で「野犬ロデム」を遊んだことがありました。このゲーム、見た目も非常の個性的ですが、そのゲーム性はデザイン以上に個性的でした。はっきりいって、私の理解を越えていました。私は遊んだことはありませんが、この「野犬ロデム」以外にも、色々と個性的なゲームを出していました。

 なお、現在イタチョコシステムのweb サイトにて、「ねこリス!」というゲームが公開されています。書かれているルールを読むと、なんとなく分かったような気はしました。が、実際に遊んでみると、うまくいきません。どうにも、私の理解を越えています。単にバグの可能性もありますが…。

 お暇な方は、試してみたらいかがでしょう。イタチョコテイストの片鱗を楽しむことができますよ。うまく動かせないのも、ある意味イタチョコテイストですし。

 ということで、そんなイタチョコシステムのラショウ氏が自身のソフトハウス盛衰記を描いた「巨人のイタチョコの星のシステム」を紹介したいと思います。

 イタチョコシステムのweb サイトを見た方はお分かりになると思いますが、ラショウ氏の絵は非常に個性的です。ちょっと暗い感じがしますが、これはこれでいい味だしていると思います。

 見開き2ページが1セットになっています。右側のページにはその時の状況の4コマが描かれ、左側のページには簡単なエッセーと、その時の軍資金や備品の状況が描かれています。シミュレーションゲームのパラメータみたいですね。でも、大体において軍資金は不足状態というか、借金でマイナスだったりします。

 ページが進むごとに過去から現代へと時間軸が進んでいきます。イタチョコシステムの起業からその後の盛衰が如実に描かれています。特に、当時のコンピュータ業界の流れに沿う形になっており、過去のことを思い起こさせます。

 この「巨人のイタチョコの星のシステム」にて、ラショウ氏のイタチョコシステムにおける半生が描かれており、その自由奔放に行動する様を見て、もどかしくもあり、また羨ましかったりもします。

 これを読み終えて、その後のラショウ氏のことが気になったら、上記のイタチョコシステムのサイトを訪れることをお勧めしますよ。

 なお、21ページにて、
「『自転車』は機動力として常に活躍し続けていたのだった。」
とありますが、私の場合でも全くその通りです。本屋に資料を見に行くときや、仕事のお供の珈琲豆を買いに行くとき、税務署に確定申告に、そして名古屋駅までパソコンの周辺機器を買いに行くときなど、自転車がフル活用されています。自転車で移動すればお金はかからないし、車と違って駐車場に悩むこともなく、健康にも良い、といいことずくめですね。荷物はあまり載りませんけど。

 イタチョコシステムが好きな方、古くからのMac ユーザーの方、そしてこれから個人で起業しようと考えている方のバイブルとしてお勧めしますよ。私の起業のバイブルでもあります。そのせいか、私も全然儲けることができないですが…。

 蛇足です。こんなキーボードが売られています。Mac ユーザの同居人H氏に勧めています。

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2004年3月19日(金)
タイトル ラブ・シンクロイド
著者名 柴田昌弘
巻数 全7巻(少年ジェッツコミックス)
出版社 白泉社
発行年 1982〜1985年
ジャンル アクションSFハーレム編
評価 ★★★  :ハーレム的SFまんが
ストーリー

 柳原俊は、サッカーだけが取り柄の高校生。そんな彼は、いつも誰かの視線を感じていた。実はこの視線、遙か離れた8万光年先にある惑星オーパからのものであったのだ…。

コメント

 このまんがフリークのサイトは、細々ながらもコンスタントに更新を行っています。もちろん、2ヶ月以上遅れてはいるんですけど。こうして続けていると、身内以外の方にも見てもらえるようになってきました。

 そういった方々から、メールなどもちょこちょこ頂くようになりました。ありがたいことです。まんが好きの方からメールを頂けると、特に嬉しいですね。私自身、まんがが好きでこのサイトをひらいているわけですから。

 そんな中、静岡のP氏からメールを頂きました。ただ、1回目は返事を書いたのですが、その後に頂いたメールに返事を送れずじまいとなってしまいました。申し訳ありません。

 メールにて、私が良く訪れるサイトをお聞きになっていましたので、ここで回答しますね。まんが関係のサイトで一番訪れるのは、「マック漫画公開蔵書録」ですね。ここでは、Mac が登場するまんがの一覧を作成してありまして、私も微力ながら協力させてもらっています。ちょこちょこ情報を掲示板に書き込んでいます。

 また、単純に閲覧だけでは、「紙屋研究所」を不定期ながらチェックしています。書評の切り口が独特で、なかなか面白いです。以上、お返事まで。

 さて、そんなP氏がリクエストしてくれた作品、柴田昌弘氏の「ラブ・シンクロイド」を紹介したいと思います。

 今回は私が所有しているものではなく、同居人H氏が持っていたのをお借りしました。当初は、H氏から「ブルー・ソネット」を借りようと思っていました。が、残念ながら「ブルー・ソネット」は実家に置いてあり、今手元にないそうです。ので、手元にある「ラブ・シンクロイド」を紹介するということになりました。

 この「ラブ・シンクロイド」は少女まんが出身の柴田昌弘氏の初の少年まんがです。内容はSFなのですが、そのSF的な描写には松本零士氏の影響を受けている感じがしました。全般的に黒く計器が白抜きであることや、計器は丸いメーターのようのものが多いところですね。あと、建物などの描写も同様です。

 物語の導入部分としては、逆召喚パターンが使われています。主人公の世界に、他の世界からキャラクターが現れるというのが召喚パターンであり、向こうの世界に喚ばれるのが逆召喚パターンです。

 逆召喚パターンの場合、召喚された世界で主人公はその世界を救うために一働きするというのが定番であり、この「ラブ・シンクロイド」でも同様です。

 さらに、自分の世界では平凡な主人公が、喚ばれた世界ではスーパーマンである必要があります。なぜなら、その世界を救わなくてはいけないからですね。単純な説明だと、重力の違い、向こうとこっちの世界の技術の違い、などの差違を用いてスーパーマンになります。

 今回の「ラブ・シンクロイド」の場合には、肉体の移動は行わず、精神だけ移動させています。そして、その精神の入れ物として常人よりも力の強いアンドロイドを用意することにより、主人公がスーパーマン的な能力を手に入れることを可能としました。ここら辺は設定は、非常にスムーズで納得がいきます。この設定を思いついた柴田昌弘氏の勝利というところでしょう。

 物語の全体の設定としては、ある意味ハーレム状態です。惑星オーパでは男性はおらず、女性だけの世界だからです。とはいっても、かわいい系以外のキャラクターは、言われなければ女性キャラであると気付かないと思います。ブラスト=竜騎兵のボスであるクラーズや、CRSの隊長であるパイクなどがそうですね。あと、ヘルメットを被っていて顔が見えない脇役とかも。

 余談ですが、その容姿と態度からパイクは最後まで主人公と敵対すると思っていました。でも、物語の終盤で仲間になるんですよね。ちょっとだけ意外でした。

 そんなわけで、SFが好きな方、特にアクションが絡んだSFが好きな方にはお勧めしますよ。

 蛇足です。文庫版には番外編の「友アリ遠方ヨリ来タル」という、物語の後日談が収録されています。ミュラやルマが、地球にやってきていますよ。

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2004年3月22日(月)
タイトル 仮面ボクサー
著者名 島本和彦
巻数 全1巻(少年キャプテンコミックス)
出版社 徳間書店
発行年 1989年
ジャンル 熱血ボクサー仮面編
評価 ★★★  :ボクシングまんがだけど、ボクシングまんがではありません。
ストーリー

 ボクシング界の全ての権限を持つコミッショナーが誘拐された。その後、コミッショナーに認定された「怪人かまきりボクサー」「恐怖コブラボクサー」「食虫植物ボクサー」などが試合に現れ、ボクシング界を揺るがすことになる。ボクシング界を正常に戻すため、コミッショナーの一人息子拳三四郎は、仮面ボクサーとなり敵に立ち向かうのだった…。

コメント

 物語の中で、正義の味方は良い人を演じなくていけません。そのため、例え相手が悪といえども、簡単に敵を殺してはいけません。

 しかし、これでは問題が発生します。なぜなら、勧善懲悪の世界では、悪を倒さない限り物語が終わることが出来ないからです。では、どうしたら良いのでしょう?

 簡単です。みんなが納得する方法で相手を抹殺するのです。それは、「正当防衛」です。この「正当防衛」という大義名分の元に相手を殺すのです。

 「正当防衛」を利用したパターンとしては、以下のようなものがあります。以下は、主人公が正義の味方の場合です。
1)物語の最後で、正義の味方は悪の敵と対決します。
2)激戦の末、正義は勝ちを収め、最後のとどめをさすだけの状態になります。
3)正義の味方は相手にお情けをかけ、その場を去ろうとします。
4)悪の敵は、それをチャンスと捉え最後の反撃を行います。
5)しかし、むなしくも正義の味方に返り討ちにされてしまいます。

 この「正当防衛」を利用することにより、あくまでも殺される側が悪いのだという理論が働きます。そのため、正義の味方は相手を殺したくなかったんだけども、殺さざるを得なかったという理由付けになります。

 実は、このパターンはまんがに限らず、映画や小説などでも良く利用されています。というのも、単純に最後の対決だけで終わらず、観客や読者を最後の最後まで楽しませる効果があるからです。これを活用した映画としては、「M:i−2」や「身代金」などがあります。探せば、他にも色々あると思います。

 ただ、ここまで活用されすぎると、物語としては月並みな演出になってしまい、面白くなくなってくるのも事実です。もちろん、勧善懲悪をうたっている物語は、このぐらいの単純さが良いのかもしれませんが…。

 なお、敵を抹殺する方法として、「正当防衛」以外にも「自業自得」という手法もあります。これは上記に1)〜4)までの流れはほぼ一緒です。その後、最後の反撃に出た場合に、正義の味方を倒すのではなく自分自身をやっつけてしまったというものです。具体的には、
1)爆弾のスイッチを入れたら、実は自分が持っていた。
2)重しで潰そうとしたら、間違って自分の方に落ちてきた。
3)爆弾で正義の味方をまきぞえにしようとしたら、逃げられてしまった。
などです。これは、正義の味方が自らの手を汚さない、といった利点があります。悪役は最後まで悪役らしく、ということでしょう。

 そんなわけで、正義の味方として主人公が登場する、島本和彦氏の「仮面ボクサー」を紹介したいと思います。

 この「仮面ボクサー」のコミックには、第1章、第2章、第3章、最終章・前編、最終章・後編という構成で収録されています。しかし、実際に雑誌にて掲載されたのは第3章まででして、最終章に関しては全て描きおろしとなっています。

 内容は、島本和彦テイストの熱血まんがです。島本和彦氏自身は真剣に熱く描いているのでしょうけど、それが逆に良い感じのギャグになってしまっています。そのため、熱ければ熱いほど笑いを誘う構造になっています。島本和彦氏自身は、ギャグにしようとする意図はないんだとは思いますが。これは、島本和彦氏の作品全般に言えることかもしれませんね。

 存分に島本和彦テイストが出ているので、ファンの方は是非読むことをお勧めしますよ。逆に、「はじめの一歩」のような厳格なボクシングまんがが好きな方にはお勧めしません。

 蛇足です。カバー裏には「実写版!メイキング・オブ・仮面ボクサー」が収録されていますので、持っている人は必見です。なお、1999年の再刊版での確認です。オリジナルの1989年版にも収録されているかどうかは未確認です。

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2004年3月24日(水)
タイトル 秘密のみつえちゃん
著者名 青木光恵
巻数 全1巻(HONWARA Comics)
出版社 朝日ソノラマ
発行年 2004年
ジャンル エッセー
評価 ★★★  :下ネタエッセーが好きな方へ。
ストーリー

 下ネタがテーマの「秘密のみつえちゃん」、自分の娘がテーマの「青木光恵の朝から晩まで」、快適家ライフがテーマの「お楽しみ生活図鑑」の3つのエッセーまんがを収録。

コメント

 この前の月曜日と火曜日でコミックを22冊ほど買いました。忙しくて先週買えなかった分や、今週に入ってから発売されたものなどです。

 どんなコミックを買ったのかは、一言感想の3月22日〜3月24日あたりを見てもらえば分かるかと思います。すでに読み終えたものが列記してあります。ただ、まだ読んでいないものは、ここに記載されていませんけど。

 実は、現時点で今回買ったものの一部や、過去に買ったものでまだ読んでいないものなど、未読のコミックが何冊か発生しています。嬉しい悲鳴ですね。時間が出来次第、どんどんと読んでいこうかと思っています。

 そんなわけで、今回買ったコミック、青木光恵氏の「秘密のみつえちゃん」を紹介したいと思います。

 この「秘密のみつえちゃん」のコミックは、朝日ソノラマ、ベネッセコーポレーション、白泉社に各々掲載されていた異なるまんがエッセーを1冊にまとめたものです。「秘密のみつえちゃん」、「青木光恵の朝から晩まで」、「お楽しみ生活図鑑」の順で収録されています。

 さて、このコミックの最初のページをめくると、いきなりテンションが高いです。初っぱなから下ネタで始まります。そのため、間違ってもこのコミックを電車とかで読むことはできません。

 といっても、下ネタがメインなのは一番最初に収録されている「秘密のみつえちゃん」だけです。「青木光恵の朝から晩まで」は自分の子供のこと、「お楽しみ生活図鑑」ではテディベアーや人形作り、ダイエットなどのことが描かれています。結局、それぞれに掲載されていた雑誌のカラーに合わせて描いたということでしょう。

 基本的に青木光恵氏は、4コマまんが家に類されると思います。しかし、過去にも何回かエッセーまんがを描いた実績があります。初コミックである「青木通信」も、エッセーまんがでした。他にも、「ぱそこんのみつえちゃん」や「みつえちゃんが行く!!」もエッセーまんがですし、現在週間アスキーで連載中の「みつえちゃんの女子(秘)パソコン事情」もエッセーまんがですね。

 多分に、青木光恵氏自身に個性があり、その思想が面白いということで、4コマまんがだけでなく、エッセーまんがの方も幅広く受け入れられているだと思います。

 ということで、エッセーまんがが好きな方や、青木光恵氏のエッセーまんがを読みたい方はお勧めします。ただし、下ネタが多数ですので、その方面が苦手な方はやめておいた方が無難でしょう。

 蛇足です。カバーの折り返しのところには、青木光恵氏とその娘が一緒に写った写真が掲載されていますよ。

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2004年3月26日(金)
タイトル 新ハイパーあんな
著者名 近藤るるる
巻数 全4巻(ASCII COMIX、ASPECT COMIX)
出版社 アスキー、アスペクト
発行年 1996〜1998年
ジャンル 格闘コメディー
評価 ★★★  :今回は、ちょっとシリアスです。
ストーリー

 高槻杏菜、金子光恵、沢霞、如月瑠璃は、仲良し4人組の高校2年生。そんなある日、光恵の陰謀により、杏菜はマイセンのティーカップと、ペルシャ絨毯を弁償することになった。弁償金を工面するため、嫌々ながらも杏菜は世界女子格闘技大会に参加することになったのだが…。

コメント

 4コマまんがやギャグまんがなどで、関西人は良くネタになります。特に、その金銭感覚(浪速の商人)と食事(うどんの汁など)に関して取り扱われる場合が多いようです。

 こういったネタの1つにお好み焼きがあります。お好み焼き単体でネタになることはあまりありません。これが、「お好み焼き定食」となると良くネタにされます。関西人は炭水化物(お好み焼き)で、炭水化物(ご飯)を食べるというのは信じられないと、揶揄されるわけです。

 でも、この手のネタを見ると、私は毎回心の中でツッコミを入れたくなります。炭水化物で炭水化物を食べるというけど、それなら「うどん定食」や「ラーメンライス」だって同じでは?、ってね。みなさんは、どう思います?

 ということで、関西出身の主人公が登場する、近藤るるる氏の「新ハイパーあんな」を紹介したいと思います。

 以前紹介した「ハイパーあんな」の続きになります。といっても、「ハイパーあんな」を読んでいなくても特に問題はありません。でも、読んでおいた方が登場人物の人間関係が理解でき、すんなりと話に入れると思います。

 この「新ハイパーあんな」ですが、1〜13話までの世界女子格闘技大会の話は結構シリアスです。そして、14〜26話までは以前のお気楽ほのぼのストーリーになります。その後の27〜最終話までは、またシリアスなストーリーになります。物語としては、1〜13、27〜最終話までが繋がっており、14〜26話までは単発ものになります。

 個人的には、シリアスな話よりも、以前の「ハイパーあんな」の雰囲気が残っている14〜26話のお気楽路線の方が好きですね。

 そんなわけで、以前のハイパーあんなが好きな方や、格闘技が好きな方にはお勧めします。ただし、以前の雰囲気が盛り込まれている話はそんなに多くないのでご注意を。

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2004年3月29日(月)
タイトル 帰ってきたハイスクール!奇面組
著者名 新沢基栄
巻数 全1巻(ジャンプ・コミックス デラックス)
出版社 集英社
発行年 2004年
ジャンル 奇面ギャグ
評価 ★★★  :昔、奇面組が好きだった人にお勧め。
ストーリー

 「ハイスクール!奇面組」の外伝。

コメント

 高校の時の同級生で、現在長崎に住んでいるH氏が名古屋にやってきました。こちらに住んでいる親戚の家にて用事あるため、来るということでした。せっかくなので、H氏と一緒にお昼を食べることにしました。

 さて、何を食べるかが問題になりました。H氏の要望としては、こちらの名物を食べたいということでしたので、最初は「味噌煮込みうどん」を考えていました。が、この暖かい気候にはちょっと合いません。そこで、何回かのメールでの相談の上、「ひつまぶし」を食べることにしました。

 知らない方に説明しますと、「ひつまぶし」とは名古屋地方発祥のうなぎの食べ方の一種です。注文すると、おひつにご飯とその上にうなぎを細かく切ったものがのせられて入っています。これには、食べ方に順序がありまして、
1)1杯目は、おひつのご飯と鰻をお茶碗に盛り、そのまま食べます。
2)2杯目は、ご飯と鰻をお茶碗に盛ったら、薬味をつけて食べます。
3)3杯目は、ご飯と鰻、薬味をつけ、さらにお茶を注いでお茶づけにします。
1つのものを3回にわけて食べることにより、様々な味を楽しみ尽くそうというものです。なお、お茶ではなく出汁の場合もあるようです。

 鰻のおいしいお店については、事前に地元の知り合いに聞いておきました。過去に私も行ったことがあるお店で、味については確認済みです。しかし、他のことで1つ問題がありました。それは、そのお店は名東区にあり、お昼の時間帯は14時までしかやっていないということです。

 H氏が乗る飛行機が名古屋空港に到着するのは、13時20分とのこと。うまく合流でき、高速道路を飛ばしたとしても、お昼に食べるにはギリギリというところです。そこで、メールにて入念に打ち合わせをし、問題なく合流できるようにプランを立てました。また、H氏の方にも、手荷物だけで、素早く出てこられる体制であることを確認しました。あとは、飛行機の遅れがなどがないことを祈るだけです。

 当日になり、ちょっと早めに名古屋空港に向かうことにしました。飛行機が遅れた場合は仕方がないとしても、私が待ち合わせに遅れたら全ての計画が台無しになってしまうからです。

 まだ、高速道路を使わなくても十分に間に合う時間でしたが、万全を期するために東名阪を使うことにしました。高速道路の料金所へ向かうため、ウィンカーを出して右折レーンに入りました。と、その時です。

 なぜか、ウィンカーが点滅しているときに聞こえる音が聞こえません。インパネを見ると、ウィンカーのマークも点滅していません。最初は、インパネ自体の電球が切れたと思いました。そこで、信号待ちで止まっている時にライトをつけ確認してみました。すると、インパネに明かりがつきました。しかし、ウィンカーのマークは反応しません。窓から乗り出し、外側のフロントのウィンカーを見てみると、やはり点滅していません。原因は不明ですが、どうやら故障してしまったようです。

 何はともあれ、H氏と待ち合わせがあるので、ウィンカーが点かない状態のまま東名阪に乗りました。内心、かなり動転しており、手信号の存在を忘れていました。そのため、他車に合図せず、右折、左折、レーン変更を繰り返すという迷惑運転をしながら、名古屋空港に向かったのでした…。

 次回に続きます。

 ということで、車がボロボロになるシーンが登場する、新沢基栄氏の「帰ってきたハイスクール!奇面組」を紹介したいと思います。

 タイトルに「帰ってきた」とある通り、本当にあの「ハイスクール!奇面組」が帰ってきました。位置づけとしては、外伝に近いと思います。 中にある新沢基栄氏の解説によりますと、この「帰ってきたハイスクール!奇面組」に収録されている作品は、以前の「ハイスクール!奇面組」と同じ時間軸で物語りが展開されているようです。そのため、当時連載されていたものと同じネタでかぶっていることはありません。

 また、「ハイスクール!奇面組」では明かされなかったキャラクターのエピソードなども描かれています。「はじめてのお宅訪問の巻」では、天野邪子の家庭はどのようなのか、「はじめてのおつかいの巻」では、13年前の子供の頃、奇面組やその周りの人たちはみんな出会っていた、というエピソードが描かれています。

 絵的には、完全に昔の雰囲気が残っています。キャラクターの絵は昔のままであるため、古来のファンの方は安心して読めると思います。ただ、小物などについては現代風になっているため、絵全体としてはまるっきり昔と同じということではありません。

 また、個人的には背景の一部に違和感を感じました。というのも、一部の背景において昔やらなかった構図で描かれているからです。その代表的な例が、76ページの背景です。今手元に「ハイスクール!奇面組」がないため、はっきりと比較したわけではありませんが、以前はこのような構図はあまり使ってなかったように思います。

 この絵は、自分で撮影した写真を元にそのまま描いた絵だと思われます。そのため、ちゃんとした透視投影法で描かれています。しかし、大部分の写真を元にしていない背景は平行投影法で描かれており、写真を元にして透視投影法で描かれた絵とでギャップを生じてしまっています。逆に、写真を元にしていないと思われる透視投影法で描かれた絵では、ギャップは生じていません。

 そのため、平行投影法の絵と、写真を元にした透視投影法の絵が切り替わったときに、すごく違和感を感じてしまいました。小さなコマだとそんなに違和感がないのですが、大きな背景を描写している大きいコマではそれを感じてしまいます。みなさんは、そうした違和感は感じませんでしたでしょうか?

 それはさておき、この「帰ってきたハイスクール!奇面組」は、昔のファンは元より、ギャグまんががお好きな方にはお勧めします。逆にこれを読んで気に入った方で元々の作品を知らない方には、「3年奇面組」や「ハイスクール!奇面組」もお勧めしますよ。「3年奇面組」は、「ハイスクール!奇面組」より、色々な意味で濃いですけど。

 蛇足です。私はひつまぶしのお茶碗への配分が悪いのか、3杯では食べきれずに4〜5杯ぐらいになってしまいます。でも、その分沢山楽しめるから良しとしましょう。

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2004年3月31日(水)
タイトル NOiSE
著者名 弐瓶勉
巻数 全1巻(アフタヌーンKC)
出版社 講談社
発行年 2001年
ジャンル ウォーキングSF
評価 ★★★  :ありきたりなSFでは満足できない方へ。
ストーリー

 裾野結(すそのむすび)とクローサーは、子供達の誘拐事件を捜査していた。踏み込んだ部屋には、誘拐された子供達の遺体が転がっていた。クローサーが他の部屋を捜索した時、犯人に襲われクローサーを連れて行かれてしまった。結は、なんとか犯人の手がかりを得ようとするのだったが…。

コメント

 前回の続きです。

 その後、ウィンカーが点かないことを周りに気兼ねしながらも、なんとか名古屋空港の駐車場までたどり着きました。交通量が多くなかったことと、曲がり角が少なかったことが幸いしました。予定より早めに到着したので、H氏との待ち合わせまでになんとかウィンカーを直そうと考えました。うまくいけば、14時までに例の鰻屋さんにたどり着くことができるからです。

 ダッシュボードにしまい込んでいた車の説明書を取り出し、ウィンカー部分を調べました。どうもヒューズが切れたのが原因っぽいです。とりあえず、足元とエンジンルームにあるヒューズボックスを開け、切れているヒューズがないか探すことにしました。説明書には、ウィンカーのヒューズがどれであるか書かれています。が、それに該当するヒューズは切れていません。おかしい、おかしいと探しているうちに待ち合わせの時間になってしまいました。とりあえず一時中断し、名古屋空港の国内線ターミナルビルに行くことにしました。

 待ち合わせの到着ロビー行くと、意外にも待っている人が多かったです。出てくる人の見やすい場所を選び、その一群の中で待つことにしました。

 待つこと、5分。H氏がやってきました。H氏もこちらに気付いたようです。合流すると、足早に駐車場に向かいながら、現在の状況を説明しました。

 さて、駐車場で再びボンネットを開き、ヒューズの再点検を行うことにしました。H氏には、エンジンルームに収納されているヒューズを総チェックしてもらい、私は足元にあるヒューズを総チェックすることにしました。何回か、繰り返してチェックしたのですが、結果、どのヒューズも切れていません。どうやら、ウィンカーが作動しない原因はヒューズではなさそうです。

 ヒューズでないとするとお手上げです。とりあえず私の家に戻り、車を置くことにしました。お昼にひつまぶしを食べることは残念ながら断念し、家の近所にあるうどん屋さんで昼食を取りました。今日は、車でH氏と名古屋の自転車屋さんめぐりをする予定でしたが、ウィンカーを使えない状態で町中を走るのは大変なので、公共交通機関を使うことに変更しました。

 結局、地下鉄と徒歩を駆使し、桜本町にある自転車屋と、昔のナゴヤ球場の近くにある自転車屋に行きました。車が使えたらもっとあちこちに行けたんですが、公共交通機関を使うとなると、2店が限界ですね。

 なお、道中H氏と話していると、どうやら夕飯も一緒に食べられそうとのことでした。そこで、夕飯にはお昼に行き損ねた鰻屋さんに行くことにしました。これまた、車でないと不便なところにあり、また地下鉄と徒歩を駆使することになりました。ただし、車で行かなかったおかげで、鰻と共にビールを頼むことが出来ました。車で行くと、私は飲めませんからね。これは、不幸中の幸いでした。

 なお、概算ですが、この日は2人で5km以上歩いたことになります。天気が良かったのが幸いでした。たまには、こうして歩くのもいいものですね。

 ということで、その道中をほとんど歩いて移動する、弐瓶勉氏の「NOiSE」を紹介したいと思います。

 絵はかなり独特の雰囲気で、人によって好き嫌いが出てくると思います。ただし、その物語の世界観にマッチしているため、個人的にはこれで問題ないと思います。ただ難点としては、背景の場所ごとの差違がパッと見分かりにくいということが挙げられます。

 テンポが良いので、どんどんと読み進んでいきがちです。でも、そうすると細かい描写を見落とし易く、上記のように背景の差違が掴みにくくなります。これは、現在連載中の「BLAME!」でも当てはまりますね。

 また、物語としてはシンプルなのですが、その世界観と描写によって分かりにくくなっているような気がします。もしくは、わざと分かりにくく描写しているのかもしれません。実際に、意図的に描写を省いていると思われる部分もいくつか見受けられました。

 例えば、15ページで、結が剣(らしきもの)を持ち上げて見ています。店主の
「触るな まだそれがなんなのかよく分かんねえんだ」
というセリフの後に、ちょっと大きめのコマでジッと持ち上げた剣を見つめています。次のコマでは、すでに店から出ているため、これだけでは剣を持ち出したかどうかは判断できません。

 感の良い方なら、上記の持ち上げてジッと見ているコマで持ち出したと判断できますが、私のように感の鈍い人間だと、かなり後の30ページにて、剣を使って戦うシーンとなって初めて気付くわけです。

 というのも、物語の展開として、後日この剣が重要なものであると気づき、再度武器屋に取りに戻る、といったストーリー展開でも、上記のコマ描写では可能だからです。つまり、いかようにも読み手が受け取ることができるので、本来なら不親切な描写と言えるかと思います。

 仮に、分かりやすく描写するなら、ジッと見つめた後に、腰に装着するシーン、もしくは、店主が持ち出すことを怒るシーン、などを挿入すると思いますが、ここでは意図的に省かれているように思えます。

 その後の主人公結の描写でも、剣を腰に装着しているにも関わらず、装着しているかどうか分からない構図で描写しているたためです。そのため、意図的に省いたものだと個人的には推測しています。

 もちろん、上記の店内で剣をジッと見つめていることで、この剣が今後の物語の中で重要な役割を持つことを案じしていることはくみ取れますが。全般的に、こういった情報を意図的に制限していることが、物語を分かりにくくしていることの原因だと考えられます。

 ここら辺をふまえて考えれば、内容的にはそんなに複雑な話ではありません。特に、すでに「BLAME!」を読んでいる方なら、すんなりとその世界観に入っていけますし、逆に「BLAME!」の世界の謎解きにも役立つでしょう。実際、これは「BLAME!」の世界の始まりがどのようであったかを、説明してあるからです。

 この「NOiSE」単体でも楽しめますが、「BLAME!」と併せて読むとより楽しめると思います。

 なお、現在連載中の「BLAME!」の原型ともいえる、読み切り版の「BLAME!」も収録されています。この頃は、まだ今のような荒々しい雰囲気の絵ではないですね。もうちょっとすっきりした絵になっています。

 そんなわけで、「BLAME!」が好きな方は必須です。また、「BLAME!」を知らなくても、ありきたりなSFでは満足できない方にもお勧めしますよ。

 蛇足です。個人的な見解ですが、この世界観、雰囲気をベースにゲームを作ったらすごく面白そうだと思うのですが、みなさんはどう思います?

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