独断と偏見の
まんがレビュー 2004年2月

2004年2月2日(月)
タイトル おひさま笑顔
著者名 天野こずえ
巻数 全1巻(stencil comics)
出版社 エニックス
発行年 2000年
ジャンル 青春ラブストーリー
評価 ★★   :いまいちでした。
ストーリー

 日向葵は高校一年生。この春休みに、あこがれの「扉の君」に近づくため、「扉の君」がいる喫茶店で、アルバイトをすることを決意する。一緒にアルバイトをしているときに、その人の過去を知ってしまうのだが…。他にも、「魔法のひまわりくん」「秋色マーチ!」「おさかな狂想曲」を収録。

コメント

 私はまんが家の画集をあまり買いません。絶対に手に入れようと思っているのは、士郎正宗氏の画集だけです。士郎正宗氏の画集、特に一番最初の画集である「Intron depot」を見た方は解ると思いますが、氏の画集は「見る画集」ではなく、「読む画集」だからです。そういった解説にも期待している部分があり、必ず購入するようにしています。

 士郎正宗氏以外の画集はと言いますと、本屋でその画集を見つけたときの気分と、お財布の状態次第で決まるといったところです。気分とお財布の両方の条件が満たされていれば、購入します。条件が満たされていない場合は、購入を見送ります。もちろん、次の日にまた来て、画集の前で悩んだりすることもありますけど。

 今回は、その2つの条件がうまく満たされて、天野こずえ氏の画集「Alpha」を購入しました。

 一通り見てみた感想としては、カラーイラストは確かにそれなりに綺麗でした。が、カラーよりも、やはりモノクロのトーンワークの方がうまいように感じました。これは、「ARIA」などのコミックの表紙と、その中身とを見比べていたときからそう感じていたことです。今回画集を見るにあたって、その思いを深めるに至りました。カラーが下手というよりも、カラーは普通で、モノクロのトーンワークが遙かに優れている、といった感じですね。

 あと、カラーに関しては、今ひとつ色の使い方にセンスがないような気がします。パッと見は綺麗なのですが、どこかに違和感を感じます。まぁ、ここのサイトのようにセンスのカケラもないwebページを作っている人間が言うのもなんなんですが…。

 ということで、天野こずえ氏の「おひさま笑顔」を紹介したいと思います。

 このコミックには、4話が収録されており、全て同じ高校が舞台となっています。ただし、各々のストーリーごとに、スポットの当たるキャラクターが異なります。少女まんがでは良く主人公以外の物語をサブストーリーで行う場合があります。これは、全てがサブストーリーで構成されているといった感じです。

 登場人物Aがいるとした場合、Aの恋物語があったら、次はAの友達Bの恋物語、その次はAとBの高校の先生Cの恋物語、といった具合です。人間関係が繋がっているキャラクターの恋物語を展開しています。

 しかし、ABCの恋の相手というのが、ABCのキャラに密接な関係を持っているキャラでないので、人間関係の複雑さがありません。それが、この「おひさま笑顔」の欠点ですね。

 極端な話、各々が単品でも十分に物語が成立してしまうのです。4話まとめて読んだときの、新たな発見がありません。これでは、同じ舞台を選んだことが活かされていません。まぁ、これらのことをたった4話で構成するのは難しいかもしれませんけど。

 ストーリーの組立としては、基本的に4話とも同じです。物語の中心の男女2人の仲は、最初は平行線です。その後、交わろうとしますが反発して離れてしまいます。しかし、それを乗り越えて、最後はハッピーエンド、というパターンです。

 内容としては、可もなく不可もなくといった感じですね。あとがきによりますと、春夏秋冬にあわせて4つの恋物語を持ってきたということで、各々ストーリーは全て季節が異なります。全般的に、この手のストーリーが好きな人は良いですが、そうでない人には今ひとつかもしれません。

 蛇足です。コミックのカバーと中の表紙では絵が異なりますので、持っている方は要チェックですよ。また、画集「Alpha」にて、「おひさま笑顔」のキャラクター達のカラーイラストがわずかですが収録されていますよ。

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2004年2月4日(水)
タイトル 紅丸ぼたん
著者名 たかの宗美
巻数 全1巻(BUNKASHA COMCS)
出版社 ぶんか社
発行年 2004年
ジャンル ボタンインコ4コマ
評価 ★★★  :鳥好きにはお勧め。
ストーリー

 実際に飼っている紅丸とぼたんという2羽のボタンインコをモチーフにした、ノンフィクション4コマまんが。

コメント

 昼下がりのことです。車で郊外を走っていました。それは、北に向かう一本道でした。本当は、道を間違えて予定よりも北側に来すぎていたため、どこかでUターンしたいと思っていました。でも、交通量が多く、片側一車線の道なのでなかなかUターンできそうにありません。

 仕方が無いので、とりあえず右折して東方向に進み、適当な道でさらに右折して南下しようと考えました。そう考えながら運転していると、ちょっと狭そうな道ですが、右折できそうな交差点がありました。しかも、対向車は来ていません。ウィンカーを素早く出し、急遽右折しました。

 入ったその道は、あまり広くないものの行き止まりとかではなさそうです。郊外の道だけあって、道脇にはちょっと広めの家や、小さな田んぼが隣接しています。家が連なっているため、見通しはあまりよくありません。道路のアスファルトは若干凸凹しています。そんな所を、右折できそうな道を探しながら、のんびりと進んでいました。と、その時です。

 なんとキジが私の運転している車の前を、横断していったのです。車のスピードがあまりでていなかったことと、キジの足が意外に速かったことで、接触するようなことはありませんでした。が、こんなところでキジに出会うとは思いも寄りませんでした。山中ではなく、郊外とはいえれっきとした住宅地の中でしたから。しかも、飛ばずに歩いているなんて。

 みなさんは、車で走っていて、意外な遭遇をしたことってありますか? 私は、今回のが初めてです。山中を走っていて、狸に遭遇したことは何回もありますが…。

 ところで、キジと言えば鳥ですね。ということで、鳥(ボタンインコ)をモチーフにした4コマ、たかの宗美氏の「紅丸ぼたん」を紹介したいと思います。

 ご存じの方も多いかと思いますが、たかの宗美氏は、今までいくつか鳥をモチーフにした4コマまんがを描いています。この「紅丸ぼたん」以外には、「オトコのいる部屋」や「それは十姉妹」などですね。

 これらの鳥系の4コマまんがは、ネタが生き生きしています。実際に、たかの宗美氏がインコや十姉妹を飼っているだけのことはあります。鳥系以外の他の4コマに比べて、より面白い内容となっています。

 どこら辺が生き生きしているかと言いますと、飼っている人間ならではの、リアルなエピソードが多いことです。「オトコのいる部屋」は、完全にフィクションですが、インコや十姉妹を飼っている経験が生かされています。実際に自分の飼っているインコを、たかの宗美氏がよく観察しているのが分かりますね。こういったことは、ペットまんが全般に言えると思います。

 なお、まんが家は室内でする仕事だけあって、インドアな生活をしている人が多いです。そのためか、ペットまんがのモチーフは圧倒的にネコが多いです。世間一般では、ペットというとネコとイヌが半々ぐらいの比率だと思いますが、ことまんが家の間では圧倒的にインドアなペットであるネコが多いです。実際問題として、イヌの場合にはコンスタントに散歩に連れて行かなくてはならないなど、インドア派のまんが家にはつらいのかもしれませんね。

 そのため、ペットまんがというジャンルの中ではイヌよりもマイナーな、ネズミや鳥まんがの方が、イヌまんがよりも多いような気がします。でも、同じ室内で飼うウサギまんがが見あたらないのはどうしてでしょうね。身近にウサギがいる人間としては、ちょっと寂しい気もします。まぁ、大きな都市部でないとウサギ専門店などがなく、飼いにくい環境にあるのかもしれません。

 そんなわけで、ペットまんがが好きな方や、鳥まんがが好きな方はお勧めしますよ。実際に自分で飼いたいと思っている人は、この「紅丸ぼたん」を読むと色々と参考になるかもしれませんね。

 蛇足です。記載されている更新日には、まだこのコミックは発売されていませんが、見て見ぬふりをして下さいね。

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2004年2月6日(金)
タイトル 飲みに行こうぜ!!
著者名 二ノ宮知子
巻数 全1巻(フィールコミックスGOLD)
出版社 祥伝社
発行年 1999年
ジャンル 短編集
評価 ★    :日記まんががちょっと面白いだけ。
ストーリー

 丸山佳子(26)は、六菱物産営業二課のエリート美人社員。営業二課では、仕事が出来て飲める人間ほど偉いのだった。そんな営業二課で、毎日会社内でも社外でもドンチャン騒ぎが起こるのだった…。

コメント

 以前、このweb サイトの深夜時間におけるレスポンスの遅さが発生すると書いたと思います。それが最近、解消されました。また、web サイトの容量もいつの間にか10MBから20MBへ増量されていました。嬉しいことですね

 でも、現時点でこの「まんがフリーク」は996KBしか使っていません。画像が一切無く、テキストだけでしか構成されていませんしね。なお、この996KBを使うのに14ヶ月かかっています。ということは、20MB全部を使い切るには、今のペースで20年以上かかる計算になります。当分は大丈夫そうですね。

 今後の20年間で、どんどんとサイトの制限容量も増えていくことになると思うので、私は一生かかっても、プロバイダが用意してくれるサイズを使い切るようなことはなさそうです。

 しかし、実際のサイズ容量としては小さいですが、単純に記載している文章の文字数でいったら、かなり書いていると思います。サイトで公開しているものではhtmlのタグなどもあり、ファイルサイズから記載した文字数を正しくカウントできませんけど。そのうち暇が出来たら、今まで書いた文章量をカウントしてみたいですね。一体、どのぐらいあるんでしょうね。

 このweb サイトの更新ではパソコンを使っています。ということで、パソコンを使っているシーンが登場する、二ノ宮知子氏の「飲みに行こうぜ!!」を紹介したいと思います。

 この「飲みに行こうぜ!!」は、位置づけとしては短編集になると思います。実際に、収録されている作品は、サラリーマン酒飲みコメディ「飲みにいこうぜ!!」、二ノ宮知子氏の日記まんが「瀬戸の花婿」「チビが来たりて紙を食う」、そしてホラーコメディ「おかしくて震えるホラー蔵出し11連発」です。

 日記まんがはそれなりに読めます。作風としては、別のコミックである「平成よっぱらい研究所」に近いと思います。ただ、ページ数が少ないのが難点です。他の作品は、はっきりいって読む価値はあまりないと思います。なんというか、やっつけ仕事で描いたような感じです。

 二ノ宮知子氏のコアなファンでない限り、はっきりいって読む価値はないでしょう。

 蛇足です。ノンブルがビールジョッキになっているのが、ちょっとユニークですね。

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2004年2月9日(月)
タイトル なつのロケット
著者名 あさりよしとお
巻数 全1巻(JETS COMICS)
出版社 白泉社
発行年 2001年
ジャンル 小学生のロケット製作記
評価 ★★   :残念ながら平凡な出来です。
ストーリー

 藤根先生は、子供達に教科書から離れた実践した理科を教えようとしていた。しかし、それゆえに他の先生や父兄と衝突し、学校を辞めることになる。そんな先生の教えが間違っていないと証明しようと、教え子の北山、岡谷内、久我、三浦、辺島らは、実際にロケットを打ち上げようとするのだが…。

コメント

 水泳に行って泳いできました。身体の調子が良かったので、普段より長く泳いでいました。が、プールを上がってから、それを後悔することとなりました。

 というのも、長くプールの水に漬かっていたせいで、鼻水が止まらないのです。プールの塩素のせいなのか、それとも水の中に含まれている微小な汚れのせいなのか、原因ははっきりしません。でも、私はプールで1時間以上泳いでいると、その後の2、3日は鼻炎に悩まされることになります。

 当然のことながら、長くプールに漬かっている時ほど、治るまで時間がかかります。花粉症の方は分かると思いますが、鼻づまりのせいで鼻から呼吸ができなく、口で呼吸することになります。これって、睡眠時には苦しいんですよね。朝起きると、口だけで呼吸したせいで、のども痛くなっています。

 風邪の症状と違って、熱や咳などが出ないのが唯一の救いです。とか言いつつ症状が緩和されたら、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないですが、また泳ぎに行ってしまうんですけどね。泳ぐ時間をほどほどにしておけば、問題ないんでしょうけど。

 さて、これらの症状は風邪に似ていますね。風邪と言えば、傘を差さずに長い間雨に濡れるとひきますね。ということで、雨に濡れるシーンが登場する、あさりよしとお氏の「なつのロケット」を紹介したいと思います。

 この「なつのロケット」は、小学生がロケットを打ち上げるという内容のものです。が、これらのまんが内に登場するものは、すべて現実の世界で裏打ちされている技術で構成され、それらを元にロケットの設計が行われています。

 実際にこのまんがの協力者として、宇宙機エンジニアの野田篤司氏がまんが内のロケットを実際に詳細なシミュレーションを行っています。この方は、軌道力学の専門家の方のようですね。細かい設計内容を知りたい方は、リンク先を参照してください。色々と記載されていますよ。また、「電卓で行う軌道解析・制御設計」などのユニークな内容も掲載されています。

 上記のリンク先を読んでいただければ、「なつのロケット」に登場する内容は、決して荒唐無稽なものではなく、実際の技術に裏打ちされているものだと分かります。が、実際にどこまで正しいのか、私には判断が付きかねます。ですので、実際にみなさんが上記のリンク先の内容を詳しく検討して判断されると良いと思いますよ。

 ただ、技術的な裏打ちによるリアリティは良いとしても、物語自体は今ひとつです。このリアリティさをうまく生かし切れなかったいったところです。そのため、物語としては残念ながら平凡なものとなってしまっています。

 そういう意味ではもう少し舞台設定にひねりが欲しかったところです。逆に、こういったオーソドックスな舞台設定と物語展開は、あさりよしとお氏の作品の中では非常に珍しいと言えます。そういった観点では、あさりよしとお氏のファンは目を通しておいた方が良いかもしれません。

 蛇足です。「プラネテス」や「MOON LIGHT MILE」でも個人でロケットを打ち上げるシーンが登場します。が、地球周回軌道に乗せることまで考えている、こちらの「なつのロケット」の小学生の方が1枚上手と言えそうです。

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2004年2月11日(水)
タイトル ラッキー!!
著者名 桑田乃梨子
巻数 全1巻(JETS COMICS)
出版社 白泉社
発行年 2004年
ジャンル 短編集
評価 ★★   :あとがきが一番好き。
ストーリー

 時尾裄布はちょっと内気で自分の感情を外に出さない高校生。海外に行っている両親の代わりに、さいはて荘の大家をしている。そんなある日、下宿人の紹介で秋生苑が引っ越してくることになったのだが…。

コメント

 みなさんは、カレーはお好きですか? 嫌いな方は少ないでしょうね。私も、カレーは大好きです。夕飯にはよくカレーを作ります。もちろん、味的な好みだけでなく、1回で数食分作ることができ労力的に楽であるということと、コスト的にも安く上がるという2つのメリットも加わっています。そのため、家計費がピンチの時はしょっちゅうカレーに頼ります。

 さて、以前料理にはある程度こだわる、と書いたと思います。だったら、カラー粉から作るか、もしくは、様々なスパイスを組み合わせて作っているかとお思いでしょう。その実、市販のカレールーに頼っていたりします。というのも、先ほど挙げたコストの部分が多くものを言ってくるからですね。

 でも、カレールーの箱の指示通りに作るのでは、ちょっとつまらないですね。そこで、私はほんの少し工夫しています。何をしているかというと、煮込む段階で水と共にホールトマトを入れるのです。ホールトマトは、パスタを作るときなどに使われる楕円形のトマトですね。もちろん、生ではなくイタリア産の缶詰を使っています。

 実はこれ、結構おいしいんです。一度試しにやってみたら、やみつきになりました。そこで、その後は必ずホールトマトを入れるようにしています。

 なお、このホールトマトを入れることにより、味的は酸性よりになりますね。酸っぱいのが嫌いでなければ、一度騙されたと思ってやってみて下さい。もちろん、このホールトマトの分だけコスト的に上昇するので、試すには勇気がいるかもしれませんけど。なお、煮込むときにホールトマトの分だけ、水を減らすと良いですよ。

 ということで、冬に2〜3日に1回の割合でカレーを食べているまんが家、桑田乃梨子氏の「ラッキー!!」を紹介したいと思います。

 この「ラッキー!!」は、桑田乃梨子氏の短編集です。収録されている作品は、「オッケー!!」、「プリンス・ガーデン」、「34」の3作品とあとがきです。このうち、「オッケー!!」が全体の半分を占めています。

 この「オッケー!!」ですが、少女まんがの王道パターンを男女逆にしたような作品です。どういうことかと言いますと、主人公の時尾裄布は、下宿さいはて荘の大家さんで非常に内気な性格です。下宿人である羽嶋さんに憧れています。そんなおり、羽嶋さんの友人であけすけな秋生苑が引っ越してきて、その裄布に猛アタックを掛けます。裄布は最初は嫌いながらも、苑に段々と惹かれていきます。

 ようするに、主人公側としては「内気」「ひそかに憧れている人がいる」「大家」「最初は嫌っていても、段々と惹かれていく」というパターンであり、その相手は「主人公の憧れの人とは異なる性格」「明るい」「猛アタックをかけてくる」というパターンになります。

 これらは、少女まんがなどで良く使われるパターンですね。もちろん、最初に記載した通り普通は男女が逆ですけど。

 なお、「冬に2〜3日に1回の割合でカレーを食べている」の件ですが、これはこの「ラッキー!!」のあとがきに記載されていました。個人的には、本編よりもちょっと長めのこのあとがきの方が好きだったりします。

 蛇足です。実は、名古屋駅の地下にある小さなカレー屋さんで、水を一切使わずその分トマトを使って煮込んでいるというお店があります。カレーに大量のトマトを入れるヒントはここから得ました。家で作るカレーも、水を使わずトマトだけで煮込んでみたいのですが、金銭的な事情によりいつまでも試せなかったりします。

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2004年2月13日(金)
タイトル パンク・ポンク
著者名 たちいりハルコ
巻数 全12巻(てんとう虫コミックス)
出版社 小学館
発行年 1983〜1994年
ジャンル ちょっと下品なドタバタギャグ
評価 ★★★  :初期の頃が特に好きです。
ストーリー

 ボニーちゃんは、ペット屋に小さくて可愛いウサギを注文した。ところがやってきたのは、大きくて大食らいのパンク・ポンク。パンクはボニーちゃんのうちのペットとなり、毎日が大騒動だった…。

コメント

 まんがコラムニストの夏目房之介氏って、ご存じでしょうか? BSマンガ夜話などを見ている方には、もうおなじみですね。私は、結構尊敬しています。夏目房之介氏の説明や主張は私としても同意できる部分が多く、また、各々のまんがに対する解説も非常に参考になります。

 ただ、夏目房之介氏にも憂鬱というものがあります。ある程度まんがが好きな方には、それなりに知られた人物なのですが、あまりまんがに詳しくない人にはほとんど知られていません。新聞や雑誌、テレビなどでコメントをすることが結構ありますが、その時には必ずと言って良いほど「夏目漱石の孫」という枕詞がついてしまいます。

 この「夏目漱石の孫」という言葉は一般的に分かりやすいのですが、夏目房之介氏のまんがコラムニストとしての本来の特徴を表していません。残念なことですね。なお、この枕詞の呪縛から逃れるためには、夏目房之介氏自身が夏目漱石を越さなくてはなりません。が、それは無理な注文ということでしょう。NHKのBSマンガ夜話では、「夏目漱石の孫」などという野暮な説明はしないのが救いですね。

 ということで、そんな夏目房之介氏が取り上げないであろう、たちいりハルコ氏の「パンク・ポンク」を紹介したいと思います。

 この「パンク・ポンク」は、基本的に1話4ページで、1ページ当たり4段のコマ構成になっています。一部には、ページ数がもうちょっと多いものもありますが、コマの構成だけは律儀にずっと4段のままです。そんな小さなコマの中を、所狭しとパンクをはじめとする個性的なキャラクターが動き回っています。

 絵はかわいいのですが、内容はかなり下品&暴力的&毒々しいです。一応、子供向けまんがなのですが、結構大人の本音や本性、人間の汚いところがギャグとして表現されています。連載当時、私が子供だった頃はそんな部分は意識していませんでしたが、今改めてみるとかわいい絵柄とその内容のギャップが激しさを感じてしまいますね。逆に、それがギャグとなって、この「パンク・ポンク」の面白さを醸し出しているのかもしれません。

 なお、現在セレクションという形でFLOWER COMICS DELUXEにて、復刊されています。これには、あとがきや連載中にあったエピソードなどが、4コマまんが等で紹介されています。ネタにつまって、他の自分の作品から盗作したとか、嫌な編集者がいたとか、たちいりハルコ氏の本音が垣間見えます。

 そんなわけで、私のように子供の頃を振り返って懐かしながら読むも良し、自分の子供に勧めて読ませるのも良いといった感じですね。教育上、あまり良いまんがとは思えませんけど。

 蛇足です。初期の作品の中に小さいウサギを差して「テーブルウサギ」という表現が使われています。が、現在ではほとんど使われていない表現ですね。いまだったら、「ミニウサギ」といった言い方の方が一般的でしょうね。

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2004年2月16日(月)
タイトル シャカリキ!
著者名 曽田正人
巻数 全18巻(SHONEN CHAMPION COMICS)
出版社 秋田書店
発行年 1992〜1995年
ジャンル 熱血ロードレース
評価 ★★★  :自転車で坂を上りたくなります。
ストーリー

 野々村輝は、坂の多い関西の町に引っ越してきた。この坂の多い町で、輝は上り坂に果敢に自転車で挑み、町の名物となる。そんなある日、自分よりも遙かに早いペースで坂を上っていく由多比呂彦に出会った。それと同時に、彼の人生も変わっていくのだった…。

コメント

 インターネットを巡回していると、イタリア人の自転車レーサー、パンターニが死去したというニュースを発見しました。しかし、速報のみで、そのサイトだけでは詳しいことは良く分かりませんでした。

 そこで、イタリアの国営テレビが運営しているサイトを訪れました。ここでは、テレビのニュースをストリーミングで放送しています。言葉が分からないながらも、雰囲気だけでもつかもうとしました。案の定、イタリアの英雄だけあって、トップニュースです。

 このパンターニは、アルプス山脈の急な上り坂を、他の人が追いつけない速さで加速しながら登って行くというすさまじい走りを見せてくれた人です。まさに、山岳のスペシャリストで熱い走りを見せてくれました。それだけに、パンターニのレースを見ていると応援する側もついつい熱が入りがちでした。

 なお、今回のパンターニの死去にあたって、私の方で入手した情報を記載しておきますね。もらったメールを一部編集して、掲載しています。

[2004年2月18日の情報]

 今日の午後(2/18)、パンターニのお葬式が、実家のあるチェゼェナーティコで行われました。地図を見てみると、ボローニャが州都のエミリィアロマーニャ州にありました。

 チェゼェナーティコはリミニとラヴェンナの間のアドリア海に面した小さな町です。リミニのレジデンスで亡くなったわけですが、両親と言い争いをしての逗留だったそうです。実家とは25kmの距離です。

 一昨日、検死がおこなわれました。検出された薬などの検査の結果は数週間かかるとの事で、正式な死因の発表はまだ先です。躁鬱の安定剤のせいなのか、自殺なのか、麻薬なのか。逗留していたレジデンスの部屋から、白い粉(たぶんコカイン)が見つかったとの事です。この白い粉についても、検査で確認中です。また、家を出るとき20000ユーロおろしていったのに、そのお金が見つかっていないとか。コカインをレジデンスにもって来たと思われる身なりのきちんとした男性の行方を警察は追っているそうです。レジデンスの近くにある、街頭のカメラにその男らしき者が写っていました。

 9枚のメモが残っており、一つは元婚約者に宛てられたもので、
「自分は陰謀にはめられた」
との言葉があったそうです。しかし16日の新聞によると、検察は自殺を否定しています。レジデンスに来るまえ、家族と口論したそうです。残された部屋の中は大混乱状態。ベッドはゴチャゴチャ(レジデンスの掃除のおばさんによると、パンターニはきちんと掃除すると嫌がったそうですので、トイレと風呂を掃除するとすぐ退出していたようです)。月曜日にも来たそうですが、ベッドではなくいつもソファで寝てたそうです。家具もバラバラで、薬箱が床に散らばって、部屋の暖房もつねに最強に保っていたそうです。人の出入りも、電話もほとんどなかったそうです。最後のレセプションへの電話は
「静かにさせておいてくれ」
という言葉だったそうです。

 誰だったか、近代スポーツの儀性者だと言ってた事が印象的です。

友達や知人たちのコメント:

ディエーゴ・マラドーナ(元サッカー選手)
 数週間前にキューバで知りあった。このような事になったのはみんなの責任で、とても悲しい。勝っている時はみんなつねにそばにいたのに、今はその反対だ、と。たった一人残されて死んでいった。我々みんなのせいでもある。

アリーゴ・サッキ(元イタリアサッカー監督)
 知りあった時は、まだ有名になる前だった。繊細で誇らしげで内気でシャイなパンターニだった。勝たなくなってから、彼は悩んでいた。
「前は自分は神だった、しかし今は自分は全くなんでもない」
というのを、
「実際は勝っている時でも我々は神でもなく、負け続けていても、価値が無くなるわけではないんだよ」
と、彼に分からせようとしたんだが、分からせる事は出来なかった。しかし、この事を学ぶのは難しい。(ちなみに、サッキも名監督といわれながら、イタリアチームを大きな大会で優勝させることはできず、最後には散々こき下ろされた。)

ロベルト・コンティ(自転車選手)
 自分の最愛の友は、彼のその頑固さに裏切られたのだ。彼の頑固さがあればこそ、ジーロにもツールにも勝てた。彼は、
「友達はみんな(自分を)見捨てた」
と言うけれど、そうじゃない。自分はどんな時でも彼のそばにいようとした。しかし彼は自分から遠ざかり、独りになっていった。ある日、彼が言った
「ロビー(ロベルトの愛称)静かにしてくれ、一人の方がましだ」
と。彼は閉鎖的なタイプだった。話したいとき、彼一人しゃべった。自分の問題は自分の内に深くしまいこむタイプだった。彼のその頑固さが、彼を殺したんだ。

ミゲール・インデュライン(スペイン自転車選手)
 いつも、彼のファンに対する愛情が羨ましかった。人々やファンを唖然とさせ、愛情を感じさせずにいられないようにさせる彼の能力が羨ましかった。

[2004年3月19日の情報]

 19日にパンターニの検死結果がでました。死因はコカインの服用による激しい中毒症状で、脳と肺に浮腫ができ死に至ったとのことです。検視結果からは、自殺したと思われるような明確な要因は見つけられない、という検察医の発表でした。

 パンターニは偉大な自転車レーサーで、イタリアの英雄でした。しかし、ドーピング騒動に巻き込まれてからは、精神的につらい日々を送り、その果てにたどり着いたのが今回のような結末でした。非常に残念なことです。

 ということで、クライマーが主人公として登場する、曽田正人氏の「シャカリキ!」を紹介したいと思います。

 この「シャカリキ!」を読み始めると、物語の導入部分はかなりやぼったい感じがします。そのやぼったさが2巻の途中まで続くので、人によっては1巻を読んで止めてしまうかもしれません。しかし、2巻の途中、高校に入学し鳩村と一緒に走るあたりから段々と面白くなっていきます。

 そして、そこからはひたすら熱く熱く熱くなっていきます。曽田正人氏のまんがと言えば、「め組の大吾」「昴」「カペタ」ともども熱い作品が多いです。また、これらの共通点として以下のことが挙げられます。それは、仲間がいても、あくまでも主人公は孤高を保っているということです。あくまでも、自分独りで問題に向かっていく、という方向性を持っています。そのため、チームワークを要するようなロードレースには向かない主人公かもしれません。そのため、レース部分の描写は非現実的なものになってしまっています。ここら辺は、「め組の大吾」における消防活動にも同じことが言えますね。

 さて、作品の中身を見ていきましょう。自転車レースの描写に関しては、本来のプロロードレースのような駆け引きというものはほとんどありません。どちらかというと、個人参加のアマチュアの草レースのようなレース展開です。

 また、筋力トレーニングに関しても、ハードなトレーニングしてもマッサージをしたらすぐに回復する、と言った描写がありますがこれも間違いですね。破壊された筋肉が回復するまでにはある程度の時間(2日間程度)がかかります。

 そういう意味では、リアルな作品ではありません。どちらかというと、根性でなんとかしてしまう熱血スポーツまんがのジャンルと言えるでしょう。よりリアルな自転車レースの展開を描いているまんがを読みたいなら、「茄子」をお勧めします。

 ただし、そこら辺のことを予め承知して読んでいく分には何も問題がないと思います。逆に、自転車レースにあまり詳しくない人は、単純に楽しむことができるでしょう。熱血まんが読みたい方には、かなりお勧めできますよ。

 蛇足です。この「シャカリキ」を読むと、無性に自転車で坂を上りたくなります。これは、きっと私だけではないことでしょう。

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2004年2月18日(水)
タイトル 自動車部品メ−カ−電子営業物語
著者名 江上鴻基
巻数 全1巻(ACTION COMICS)
出版社 双葉社
発行年 2004年
ジャンル 悲哀サラリーマン物語
評価 ★★★  :共感を覚えるサラリーマンは多いのでは?
ストーリー

 難波は、日専自動車の系列の部品メーカー東洋精密に勤めている。一見すちゃらかのように見えるが、実はなかなかの切れ者営業マン。そんな難波に、日専自動車や上司は、今日も無理難題を押しつけてくるのだった…。

コメント

 十年ぶりに、ふりかけを買ってみました。私は元々ふりかけを使う習慣はありませんでした。しかし、最近になってふと試したくなり、ふりかけを買うことにしました。

 さて、ふりかけと言っても色々種類があります。ふりかけ初心者で、どれが気に入るかどうか分からない私は、とりあえずグラム単価が一番お得なふりかけを探すことにしました。すると、30gで88円のふりかけを見つけました。これは、このスーパーでは一番お得のようです。

 さて、レジに持っていって精算すると、なぜかこの88円がさらに50%オフとなり、44円で買うことが出来ました。理由は不明です。レジの人に
「やっぱり88円でした。」
と訂正されても困るので、足早にその場を離れました。

 でも、なんで50%オフだったんでしょうね。そういった表示は一切していなかったのですけど。

 その後、早速ご飯を炊き、買ったばかりのふりかけを降りかけて食べてみました。なかなか美味しかったです。お金がないときにでも、また買おうかと思いました。これでおにぎりを作っても美味しそうですね。

 ということで、ご飯と言えばお米、お米からできるものと言えばお酒、てなわけで接待でお酒を飲んでいるシーンが登場する、江上鴻基氏の「自動車部品メ−カ−電子営業物語」を紹介したいと思います。

 ぱっと見、絵はまだまだ未熟で、線が描き慣れていない感じがします。そのためか、余分な線が多く、泥くささを感じます。今後、数をこなしていけばもっと洗練されてくるとは思われます。

 内容は、とある車メーカーの下請け部品会社の営業マンの日々、と言った感じです。登場人物のセリフのやり取りや、発注メーカーからの強い値下げ要求、上からの責任転嫁、リストラなど、非常に生々しい描写になっています。セリフの端々など、恐いぐらいにリアルです。

 案の定、カバーに書かれているコメントを読むと、どうやら江上鴻基氏はこの作品を描く前は自動車部品メーカーの営業をやっていたとのことです。どうりでリアルなはずです。実体験を元に描かれているのですね。それにしても、営業マンからまんが家への転身というのは、かなり珍しいような気がします。

 また、コミックの帯についている以下のセリフには、苦笑いする人も多いのではないでしょうか?
「営業! コストダウンの残り5%…何とかならんか?」
「難波さん! 営業で残り5%ですって…」
「そんな…プロジェクトXじゃあるまいし− ムリ!!」

 なお、登場してくる有名な人物や、メーカー名は実在のものと当てはめることができます。「日専->日産」、「ルモー->ルノー」、「ボーン->ゴーン」、「六菱->三菱」、「トミタ->トヨタ」、「本間->本田」などです。ここの登場しているメーカー名などは、読み替えた実際のメーカーの実状とかなり似通っている、というかそのまんまと言ってもいいほどなので、ついつい深読みしてしまいます。

 不況の中、がんばるサラリーマンにはお勧めしたい作品ですね。この手のサラリーマンを主人公としたまんががお好きな方にも良いと思います。また、自動車業界の裏側、特に日産リバイバルプランの裏側を見たい方には是非ともお勧めしますよ。

 蛇足です。カバーをめくった裏には、コミックの第5話及び第8話の最後のページが印刷されています。不思議な作りですが、どんな意図があったんでしょうね。

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2004年2月20日(金)
タイトル 飛べ!イサミ
著者名 長谷川裕一
巻数 全10巻(テレビコミックス)
出版社 NHK出版
発行年 1995〜1996年
ジャンル 正義の味方SF新撰組編
評価 ★★   :アニメ版より劣ります。
ストーリー

 花岡イサミは小学5年生で、アメリカからママと共に帰国した。イサミのパパは行方不明で、世界征服を狙う黒天狗党に狙われていた。そんなおり、友達になったトシとソウシと一緒に、ご先祖様の発明品を見つける。その発明品を使って3人で新選組を結成し、黒天狗党と戦おうとするのだが…。

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 以前、特許を出願したことは書いたと思います。弁理士に頼らず、自分で書類を作成したおかげで、色々と特許について学びました。おかげで分かったことがあります。それは、雑誌やチラシなどの商品広告で見かける「特許出願中」というのは何の効力もないということです。

 広告などに「特許出願中」と書いてあると、なにやら技術的にすごそうなことをやっているように思えます。しかし、出願するだけなら誰でも行うことができます。そのため、ちゃんと特許として認定されないことには意味がありません。逆に、「へのへのもへじ」と記載して特許印紙を貼って特許庁に出願すれば、それでも「特許出願中」になります。

 また、仮に特許を取得していると記載されていても、それがどんな内容なのか確認しないことには騙されてしまう可能性があります。例えば、
「画期的なダイエットサプリメント。特許取得!」
と広告に記載されているとします。これは、いかにも効きそうですね。でも、ダイエット効果のある特許とはどこにも書かれていません。つまり、特許の内容が単に、
「サプリメントの梱包の仕方について」
かもしれません。はたまた、
「インターネットを利用した商品の販売方法について」
などのビジネス特許かもしれません。そのため、イメージに流されず、ちゃんと本質を見抜く必要があると思います。最近、多くの商品で見かける「環境に優しい」という言葉も同様ですね。

 また、これらの広告で「国際特許」の言葉を見つけたら、その広告は100%怪しいと思って下さい。

 というのも、特許は各々の国ごとに取得する必要があり、国際特許なるものは存在しないからです。似たような言葉で、「国際出願」という言葉はあります。これは、出願に限って、複数の国の出願をまとめて1つで出願することが可能となる出願方法です。

 ただ、前述のように出願しただけでは特許としてなんの効力もありません。ここら辺も要注意です。

 ということで、特許といえば発明ですね。奇抜な発明品が色々登場する、長谷川裕一氏の「飛べ!イサミ」を紹介したいと思います。

 この「飛べ!イサミ」ですが、上記にテレビコミックスと記載されているように、元々はNHKのテレビアニメでした。つまり、アニメが原作です。それが先行で放送され、その後にコミックが発刊されました。一般的な場合と逆ですね。ただ、企画自体は同時進行だったのかもしれません。メインは、明らかにアニメの方でしたけど。

 個人的に、アニメの方が好きでして、その勢いでコミックを買ってしまいました。アニメの方は前半の段階で様々な伏線を張ったり、特番で今後出てくる謎の敵役を紹介したりしていました。しかし、結局伏線を生かせなかったり、謎の敵役が登場しなかったりと、消化不良のところがありました。でも、その後の後半部分から敵役のキャラクター達が個性をドンドン発揮していき、その都度どんどん面白くなっていきました。

 さらに、子供向けながら単なる勧善懲悪になっていないところも面白かったです。同じ人間でも敵役として出ている場合と、市民生活を行っている場合などで、役回りが微妙に異なっていたりしました。さらに、敵側の人間にも色々な事情がある、という点も見せていました。敵方の人間もどこか憎めないところがあり、全体的に良い意味でNHKらしい作品でした。

 この「飛べ!イサミ」のコミックですが、アニメ版をベースに大体1ヶ月に1冊のペースで発刊された書き下ろしコミックです。大変な労力ですね。そのせいか、全般的に線が荒いような気がします。また、基本的な構成は一緒なのですが、物語の展開がアニメ版の方とは若干異なります。最初にアニメ版を見ていたせいもあり、個人的にはアニメ版の展開の方が好きでした。

 そんなわけで、「飛べ!イサミ」のアニメが好きだった方にはお勧めします。ただ、アニメを知らずに、コミック単体で見てもそんなに面白い出来ではないと思われます。そういう意味では、アニメを見ていた方でコミックを見てない方だけが楽しめる作品だと思われます。

 蛇足です。実は、私は「飛べ!イサミ」のLDを持っていたりします。DVDでないあたりが時代を感じますね。

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2004年2月23日(月)
タイトル 21−TWENTY ONE−
著者名 入江紀子
巻数 全1巻(講談社コミックスキス)
出版社 講談社
発行年 1999年
ジャンル タロットラブストーリー
評価 ★★★  :占いを信じない人に。
ストーリー

 若井美空はOLをしている。ある日流しの占い師に、今付き合っている人とは結婚しない方が良いと言われた。それに反発して、すぐに飛生と結婚することを決意する。しかし、先立つものがないので、とりあえずタロット占いのバイトを始めたのだったが…。

コメント

 トランプは、好きですか? 私は大好きです。子供の頃は、両親やその知り合いの人たちとよく遊びました。おかげで子供の頃、母親は私に良くこう言っていました。
「あなたがお腹にいる頃、よく友達とトランプをしていたの。だから、あなたはトランプ好きになったのよ」
あながち間違いでないかもしれません。

 トランプでどんなゲームをやったかといいますと、簡単なところでは「ババぬき」や「神経衰弱」を始め、ちょっと戦略性の伴う「7ならべ」や「7ブリッジ」、駆け引きがものをいう「ブリスコラ(イタリアのトランプゲーム)」や「ナポレオン」などですね。

 特に、「ブリスコラ」や「ナポレオン」などの、駆け引きと他の人間とのチームワークがものをいうゲームが大好きでした。「ブリスコラ」と「ナポレオン」ともに、何回戦かやり、トータルポイントでどの人が勝ったか、負けたかを争ったものです。

 ただ、ここ数年はトランプ自体をさわったことがありません。というのも、私の周りにトランプが好きな人がいないからです。同居人H氏はこの手のゲームは、あまり好きでないようですし。また、機会があったら色々とトランプで遊びたいものですね。

 そんなわけで、トランプはカードですね。カードといえばタロットもカードです。ということで、タロット占いが出てくる、入江紀子氏の「21−TWENTY ONE−」を紹介したいと思います。

 この「21−TWENTY ONE−」は全般的に良くまとまっており、テンポも良く、そつのない作りになっています。入江紀子氏の作品全般に言えることですが、主人公が明るく前向きに進もうといている様が見てとれます。

 内容的には、カバー裏にある入江紀子氏のメッセージ通り、
「何を信じるかは結局本人の意思」
というのを描いた作品です。この「21−TWENTY ONE−」を読む限り、入江紀子氏は占い等は信じていないような感じがしますね。もしくは、
「自分に都合の良い占いだけを信じる」
というタイプかもしれません。

 なお、無くした指輪を占いで当てるなど、占いの神秘的な部分を残しつつ、物語の最後にはオチをつける、というのもエスプリも効いています。

 そんなわけで、占い、特にタロット占いが好きな方、逆に占いなんか信じない、という方にお勧めします。もちろん、入江紀子氏のファンの方にも。

 蛇足です。一時期、タロット占いを学ぼうとしましたが、記憶することが多く、結局挫折していしまいました。タロットは、記憶と推測(こじつけ?)がものをいうから、結構難しいですね。

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2004年2月25日(水)
タイトル 練馬のイタチ
著者名 ちばてつや
巻数 全1巻(ヤングマガジンKC)
出版社 講談社
発行年 1981年
ジャンル 限りなくノンフィクションに近いフィクションまんが
評価 ★★   :まんが家をめざす人へ。
ストーリー

 ここは、練馬にあるちばプロ。ちばてつやが駐車場を確認すると、車の中に蛮カラな少年が眠っていた。彼は、ちばてつやに弟子入りするために、神戸からはるばるやってきたと言うのだが…。

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 ひょんなことから、テプラをゲットしました。しかも、タダで。機種は、SR210という場所をとらないシンプルなモデルです。

 実はこれ、同居人H氏から貰いました。では、H氏が買ったのかというと、これまた違います。実は、H氏が持っているクレジットカードのポイントがある程度貯まったので、景品と交換してこのテプラを手にいれたわけです。

 もちろん、最初からこのテプラを目標に、H氏は色々な場面でカードを使用していました。年末に購入したiMacもこのカードで支払っていました。また、私も微々たるものながら、協力していました。私が本屋でまんがを買うときなど同居人H氏のカードを利用する時もありました。もちろん、すぐにH氏に本の代金は渡していましたよ。

 そんな努力の末に、ようやくテプラをゲットできたのでした。なんか、カード会社の戦略にまんまとはまったような気がしなくもないですが、あまり気にしないでおきましょう。

 さて、このテプラを使って何を印字しているかというと、もっぱらDVD-RAMの背の部分に貼り付ける、録画した番組のタイトル名などです。あとは、クリアブックなどの背表紙につけるラベルの作成ですね。同居人H氏の場合には、MDに何が録音されているのか分かるように音楽名を貼っていました。

 それにしても、テプラは便利ですね。私の字はあまり綺麗な方ではありません。というか、どちらかと言うときたない方です。他人はおろか、自分でも読めないときがあります。だから、自分でラベルに字を書くには抵抗がありました。ところが、このテプラだとそれを代行してくれるわけです。非常に便利ですね。DVD-RAMを並べて置いてありますが、読める字が綺麗にならんでいるのは、眺めていて気持ちよいものです。

 もちろん、デメリットもあります。普通、マジックペンでラベルに字を書くときは、文字の色を色々と変えることができます。そのため、ラベルを眺めるだけで、文字を読む前に大体の判別をつけることができます。

 ところがこのテプラの場合は、ラベルも文字の色も固定なので、そういった色による種類分けを行うことができません。もちろん、様々な種類のラベルを用意して、使い分ければ可能です。でも、一気にそんなに用意できないですし、まだ使い切ってないのに新しいのを買うのはもったいないですよね。

 結局、色による種類分けは諦めて、標準の白ラベルに黒字という状態で、ぺたぺたとDVD-RAMにラベルを貼り付けています。なお、パソコンの字と違って、ゴシックよりも明朝の方が太くて見やすいですね。

 ということで、その性格からして絵だけでなく字もきたなそうな主人公が登場する、ちばてつや氏の「練馬のイタチ」を紹介したいと思います。

 この「練馬のイタチ」ですが、物語の舞台はちばてつや氏のプロダクション、そして実際に当時その周りにいた人たちが登場します。アシスタントであったり、編集者だったり、家族だったり、ペットのイヌだったり。

 当時、売れっ子だったちばてつや氏の日常生活の一部を切り取ったような作品です。〆切に遅れて編集者に怒られていたり、編集者の目をかいくぐって遊びに出かけたりと、そのハードでタフな生活ぶりが垣間見えます。体の弱い私がこんな生活をしたら、一発で入院しそうな感じです。

 作品自体が古いので、日常生活の風景に古さを感じますが、まんが家の生活自体は今も昔もあまり変わっていませんね。まんが家、特に少年まんが家を目指している人にはお勧めですよ。まんが家への道の志が説かれています。ただ、主人公も舞台も蛮カラなので、少女まんが家への道とは若干異なる気がしますけど。

 蛇足です。過去になんらかの雑誌で、ちばてつや氏の家の写真を見たことがあります。その時に、この「練馬のイタチ」で登場した「あしたのジョ−」の特大パネルを見たことがあります。ちょっと欲しかったりします。

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2004年2月27日(金)
タイトル SHOOK UP!
著者名 広江礼威
巻数 全1巻(ドラゴンコミックス)
出版社 角川書店
発行年 1999年
ジャンル SFガンアクション
評価 ★★   :深いことを考えずに楽しむのが吉。
ストーリー

 ケンタとクワオは暇を持て余していた高校生。そんなある日、近所でお化け屋敷と揶揄されている家に荷物を届けることになる。そこには、トランスジェニックされた女の子がいたのだったが…。

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 ご存じの方も多いと思いますが、「まんが」という表現媒体は非常に優れています。どういう点で優れているかと言いますと、小説と映画の両方の長所を持ち合わせていることにあります。

 まず、小説の長所としては、
・1人で製作可能。
・細かい心理描写が得意。
というの点が挙げられ、短所としては、
・アクションの描写が苦手。
・読者の知らないことを説明するのが苦手。
ということが考えられます。逆に、映画の長所を挙げてみますと、
・アクションの描写が得意。
・読者の知らないことを説明するのが得意。
となり、短所としては、
・1人での製作が困難。
・心理描写は苦手。
ということが挙げられます。

 つまり、小説は目に見えない描写は得意であり、映画は目に見える描写が得意ということになります。そのため、小説では人間心理を描写した作品が多くなり、また映画ではそのアクション表現を活かした作品が必然的に多くなります。

 ところが、まんがという媒体は、映像と文字の組み合わせで表現しているため、表現能力に関しては
・細かい心理描写とアクション描写の両方が得意。
・読者の見たことのないものを説明するのも得意。
という、小説と映画の両方の良いところを持ち合わせています。そのため、人間心理を描いたものから、スポーツや格闘などのアクション表現を活かしたものまで、幅広いジャンルの作品を無理なく作ることが可能となります。

 また、実際の制作面においても、1人で製作することが可能であり、そのため作品には作者の意向を存分に盛り込むことができます。映画の場合ですと、どうしても複数の人間が製作に関わっているため、作者(監督)の意向を十分に反映させるのは難しい場合が多いです。

 これらのことから、まんがという表現媒体は非常に優れていると断言できると思います。ただ、一般的には「まんが」というと、そのエンターテイメント性ばかりが注目されてしまうのは、ちょっと悲しいことですね。こうした優れた表現能力についても、もっと着目して欲しいものです。

 ということで、小説で表現したら何をやっているのか分からないであろう、広江礼威氏の「SHOOK UP!」を紹介したいと思います。

 実は、この「SHOOK UP!」は非常に不幸な作品です。復活しては休止になり、また復活しては休止になるという状態を何回か繰り返しています。一度目は読み切りで、二度目は雑誌が休刊、三度目は打ち切り、という状態です。そのため、残念ながら物語が中途半端な終末になってしまいました。

 さて、絵的なことを見てみましょう。広江礼威氏の個性かもしれませんが、アクションシーンにおいて擬音がうるさいことが挙げられます。擬音が絵にかかりすぎていて、全体的にゴチャゴチャしています。そのため、うまく視点移動ができません。派手なアクションシーンほど、パッと見で何をしているのか分からない状態になっています。

 本来、派手なアクションシーンほどテンポ良く進む必要があり、視点移動がスムーズに行えなくてはいけません。ところが、広江礼威氏の場合にはテンポよく進む必要がある所ほど、テンポが悪いという矛盾が生じてしまっています。

 同じことが、現在連載中の「BLACK LAGOON」でも言えますね。この「SHOOK UP!」に比べると、若干分かりやすくはなりましたけど。なお、似たようなガンアクションのシーンでも、伊藤明弘氏の場合は非常に分かりく描かれています。個人的には、伊藤明弘氏のような描き方が良いと思います。

 そんなわけで、派手なアクションや、ガンアクションが展開されるものがお好きな方は呼んでみてはいかがでしょう。

 蛇足です。サンデーGXコミックスで復刊された「SHOOK UP!」では、復刊記念として4ページの書き下ろしまんがが収録されています。物語その後の登場人物達の近況が描かれています。

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