Last update 1998/07/31
3.感覚統合(Sensory Integration)とは?
1.では「感覚統合に問題がある」とは?
2.じゃあ「障害児は誰でも皆,感覚統合に問題があるのか?」
3.「感覚統合に問題があると,どういう症状が見られるのか?」
ここではりんごが入力だとします。りんごからは甘いにおいがしたり,赤い色だったり,つるつるしていたり,といういろいろな感覚刺激が出ています。それらは脳の中にはいって,過去に「りんご」ということばを知ったこととか,食べた経験など一緒になります。そして,出てくるのが「りんご」ということばや食べるという運動ということになります。
我々の生活はこれらのことが何度もくりかえされています。
そして,この「現在の感覚刺激や,過去の経験や記憶」を感覚統合といいます。つまり入力からのいろいろな感覚刺激と脳の中の記憶などの情報を一つにまとめて行動を決定するわけです。
1.では「感覚統合に問題がある」とは?
入力は一般的には誰でも同じです。しかし,出力がちょっとおかしい,ことばや運動がおかしい場合がそれです。
一次性感覚統合障害 二次性感覚統合障害
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学習障害児 盲
小児自閉症etc.
聾
脳性麻痺etc.
機能系の障害(Functional System)
機能の障害(Function)
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例えば,目が見えない,耳が聞こえない,また脳性麻痺のように身体に麻痺がある場合は入力の時点で,他とは異なっています。と言うことは,出力がおかしくても仕方がありません。
ところが,感覚統合療法を受けている子どもたちは,ほとんどの子が目はちゃんと見えているし,耳もちゃんと聞こえているし,身体にも麻痺がない。入力には異常がない。それにもかかわらずことばが遅れていたり多動だったりと出力がなんだかおかしいのです。
つまり,二次性感覚統合障害は,機能が悪いために二次的に感覚統合の障害を起こしているのです。彼らには普通,感覚統合療法は行いません。問題のある機能を補ったり代償したりすること,例えば目が悪ければ眼鏡や点字を,耳が歩ければ補聴器を,脳性麻痺は麻痺に対しての訓練を行うことになります(子どもによっては応用として使うこともあります。)。
しかし,一次性感覚統合障害の子どもたちは,どこが悪いのかわからない。結局,機能ではなく機能系が悪いのではないかという仮説が生まれます。バッテリーではなくコードがどこか変になっていると考えるとわかりやすいかもしれません。
3.「感覚統合に問題があると,どういう症状が見られるのか?」
次に書いていくことは,一人の子どもにすべての項目があてはまるわけではありません。ある子にはここは見られるけれどこんなことはない,と言うこともあるかもしれません。
また,これらの症状は今まであまり深く考えられず,両親のしつけの問題とか,性格として見られてきたことが含まれています。
病院に行っても「スキンシップが足りないからだ」と言われたり,まわりの人から「おまえの育て方が…」とか言われてきたことも多いと思いますが,実はそうではなくちゃんと原因があることを知ってもらいたいので書いています。
これは,おかあさんの気持ちを軽くするという意味もありますが,なにより子ども自身が「僕のことを知ってほしい」と訴えていることだと思います。
ここに書いていることは,他の本や他の人から習ったことも含まれていますが,一番多いのは子どもが直接教えてくれたことです。私はそれを大事にしてゆきたいと考えていますし,折角教えてもらったのですから,多くの困っているおかあさんにも伝えてゆきたいのです。子どもたちの代わりに,私が彼らのことを上手に伝えていけるといいのですが。