小学校の同級生・元女子アナ・歌手蔚華さんを訪ねる
きっちり押さえる「魂」の叫び声
今日から社会に私のメッセージはこう伝えたい


「酸雨」:蔚華セッカンドアルバム
1999年 5 月 中国全土発売

 彼女との再会は、よく考えてみると十何年ぶりだ。

 本来なら小学校の同窓会でお互いに顔を合わせそうなものだが、なぜか彼女も私も、いつも欠席のままになっていた。長らく日本で住居を構えていたものだから、というのは欠席のそれなりの口実になるだろう。再会した彼女に真っ先に欠席の理由を尋ねられた時、私はそう思った。

 "ところで、君こそ、北京にずっと居るだろう?なぜ同窓会に顔を出さないの?"

 私は聞き返した。勿論、われわれが会わずにいたこの十何年間に、彼女が中国中央テレビの英語アナウンサーになり、毎晩その麗しい容貌でテレビの画面に登場していることは知っていた。

 "そうね。一時は、街に出ればかならず誰かに気付かれる、それぐらい有名になったけど、それも決して愉快なことではないわ。"

 彼女の答えには硬くこわばった響きがあった。次の言葉を発した時には、眉をぎゅっと寄せて、下唇を噛みしめて、何かをじっと見下ろすのだ。

 "天安門事件の後、アナワンサーをやめたの。二度とああいう仕事をしたくないと決心したから。やめたと言うと格好いいけど、実際はやめさせられたの。その後は、ロックにはまっちゃって、歌手に目覚めた。この十年あまり、簡単でしょう。だから、同窓会に出にくい時もあるわよ。北京に暮してみれば、いまの私の気持もわかるはずだわ。"

 ……

 衛華、小学校の同窓生。いまロック歌手として中国全土で活躍中。





1999年2年月 北京スタジオにて蔚華(右)と毛丹青





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